韓国の住宅事情

韓国の人ってどんなとこに住んでるの?

アンニョンハセヨ、プサンナビです。「釜山の人達は、どんな家に住んでいるのかな?」「日本と同じように敷金・礼金が必要なのかな?」意外と知られていない韓国の住宅事情。日本と似ているようで、やっぱりかなり違うようです。特に韓国に留学を考えている人には気になるところですよね。というわけで釜山の住宅をちょっと覗いてみましょうか?

《 住宅の種類 》
まず、住宅の種類ですが、大まかに5種類に分けられます。
1. アパート(家族用、高層マンション)
アパートと聞くと日本では木造の集合住宅を想像してしまいがちですが、いわゆるマンションのことをアパートと言います。ちなみに、韓国には木造の家がほとんどなく、住宅も基本的に鉄骨とコンクリートでできています。
2. ビラ
(家族用・3階建てくらいのアパート)
3. 住宅(いわゆる一軒家)
4. ワンルーム
5. 下宿
《 家探し 》
基本的に地元の人は、不動産屋に行って相談する人もいれば、広告を見て探したりしています。広告は、街の至る所に(新聞紙のようなものが入っている)BOXがあり、自由に取れるようになっています。その中の、不動産のページをみると、新鮮な情報が満載。
ワンルームや下宿の場合は、電柱や町の掲示板などに張ってある、貼り紙を参考にすると、その地域の目安が分かり、生きた情報にあたる確立も高くなります。また、物件が空いている建物に直接張り紙がしてある場合もあるので、自分の足で住みたいエリアを歩いてみるのもひとつの方法でしょう。
《チョンセ(前払い金)》
住宅の説明をする前に、まずは韓国独特の家賃システム、チョンセ(前払い金)について説明しておきましょう。チョンセは韓国と日本の賃貸事情のなかでもっとも違う部分。これは簡単に言えば、まとまった保証金を預ければ月々の家賃が免除されるシステムで、出て行く時には全額返金されるというものです。(何かは損等があった場合は、全額返却にはならないそうです。) ともすれば無料で住めてしまうという美味しすぎる話なので、日本人にはなかなか理解しがたいシステムですが、これは銀行の利子と関係があるようです。
韓国では、銀行の利息が日本よりかなり高いため、家主さんは住民からのチョンセを銀行に預け、その利子を蓄えていき、住民が出て行く時に全額返却し、利息分が手元に残る、という事だそうです。しかし最近では、利子率が低くなってきたため、チョンセを払った上で、月々の家賃を支払うことが多いそうです。
チョンセは格安で住めるというすばらしいシステムではありますが、一度にまとまったお金を支払うため、詐欺にあわないよう、細心の注意を忘れてはなりません。


《 家探し 》
日本では、洗面所・トイレ・お風呂がそれぞれ別に付いている所が多いですが、韓国では結構ユニットバスになっているところが多くみられます。他の人がシャワーを浴びている時は、トイレに入る事ができないので、少し不便かもしれません。
あと、お風呂というと「風呂釜」を想像する人もいると思いますが、シャワーが主流で、風呂釜がついていないのが普通です。その分、街中に「モギョクタン(銭湯のような所)」があちこちにあるので、家にシャワーがありながらも週に1度はモギョクタンに行くという人も少なくありません。
 床はほとんどがオンドル(床暖房)になっています。もちろん、畳部屋はないのですが、オンドル(床暖房)になっているせいか、絨毯を敷いている所もあまりないようです。
 ベランダも特徴があり、日本だと窓を開けると、すぐベランダになっているけれども、韓国では窓を開けてベランダのような空間がある向こうにまたガラス張りの窓があるので、部屋の延長上のような感じがします。
ペットは一応禁止になっている所が多いですが、それでも犬を飼っている人が多いようです。
インターネットは基本的にすぐに使えるようになっているようです。そこら辺は、さすがIT先進国の韓国だな~という感じです。

《 それぞれの特徴 》

1. アパート

韓国でアパートと言うと、いわゆる日本の「マンション」のようなもの。均一に上に伸び、まるで高層ビルのように見えます。駐車場付き、部屋数も多く、家族で住む事が多いようです。韓国では高級住宅というのをあまり見かけない分、お金持ちの人たちは「高級アパート」と呼ばれる所に住んでいます。
アパートは分譲もあり、賃貸もあり。大体、新婚の時は賃貸にして、数年そこで暮らした後、子供ができた頃に購入する人が多いそうです。
賃貸の場合はやはりチョンセ(前払い金)が必要。金額はピンからキリまであるようです。例をあげてみると、9000万ウォン(約900万円)のチョンセ(前払い金)を支払い、2年契約で月々の家賃は無料。3LDKのベランダ付き。もちろん2年後にはチョンセ(前払い金)が戻ってくるので、そのお金と貯蓄で新たに購入という事になるそうです。購入しないで、引き続き賃貸という事もできるそうです。
2. ビッラ
高くても10階以下の鉄筋マンション。外観はワンルームもビッラもあまり見分けがつきません。見掛けは似ていても2部屋以上あればビッラといえるかもしれません。中の造りは?のアパートとほとんど同じようなかんじです。
3. 住宅
日本でいう一戸建ての一般住宅。といっても日本のそれとは違い、韓国の一軒家はトイレが外にある家が少なくなく、駐車場がなかったり、セキュリティも弱かったりするので、最近は、マンションを購入する人が多いそうです。日本のように「いつかは一戸建て」というのではなく、『いつかは高級マンション』といったところでしょうか。
住宅に住んでいる人の中には、2階建てで、1階部分を下宿として他人に貸す人もいるようです。とにかくも部屋数が多いので、大家族で住むのには良いのかもしれません。

4. ワンルーム
これは、まさに文字通り。大学付近などであちこちに見られるワンルームマンションです。広さは6~8畳、広い所で12畳くらいです。室内にシャワーと簡単なキッチンがあるので、ひとりで住むには充分です。
家賃は交渉次第ですが、チョンセが300万~500万ウォン(約30万円~50万円)、それにプラス月々25万~35万ウォン(約25,000円~35,000円)くらいの家賃を支払います。チョンセをなしにしてもらって、月額の家賃を少し多めに支払う事もできる場合もあります。反対に月額の家賃を無くして、一気に3000万ウォン(約300万円)くらいのチョンセを支払い、出て行くときに全額返金してもらう方法もあります。
また、1階や半分地下になっている半地下は家賃が安めになっています。ただし、窓に柵のようなものがついているので、防犯用には良いけれども、火事にあった時になど、ドアからしか出入りできないのが怖いかも。洗濯物などは、屋上に干せる所がある場合もあります。
5. 下宿
下宿は、食事つきで、1人1部屋で広さは6~8畳くらいが多いようです。家賃は大体ワンルームと変わらず、月々25万~35万ウォンくらい。でも食費・電気代・水道代・ガス代がすべて込みなので、ワンルームよりは安上がりになります。ちなみに他の人と同室の共同部屋にすると月々の支払いも3割くらい格安になります。韓国人と同室になって語学を鍛えたいという人にはいいかもしれません。
大学生が利用する事が多いので、場所によっては机・ベッドなども完備されている所もあります。また、下宿の利点は保証金のようなものがなく、敷金礼金もないので、気に入らなければ出て行くことができるのが大きな利点です。

《 家を探す時 》

もちろん、これらは一例に過ぎないので、場所や環境により金額等が違うこともあります。韓国語が分からないと、なかなか難しい事が多いので、下宿等を探す時などは韓国人の知人や、現地に詳しい人に手伝ってもらった方が良いようです。日本でもそうだと思いますが、外国人との契約を嫌がる所もたまにあります。快適に住むためには、初めに分からない事はうやむやにせず、しっかり聞いておく事が大切だと思います。

以上、韓国の基本的な住宅事情でした。これから韓国に留学される人も、仕事で駐在される方にも参考になれば幸いです。プサンナビがお届けしました。


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-05-14

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