【※終了】崇礼門(南大門)の復旧事業公開観覧

火災から約6ヶ月、崇礼門(南大門)の復旧事業は今?!

こんにちは、ソウルナビです。あの衝撃的な火災事件から約6ヶ月。国宝1号という歴史的な文化財が放火により焼失、ということだけでなく、文化財の管理や現場の保存などさまざまな問題で騒がれていた崇礼門ですが、今年(2008年)の8月15日から、その復旧工事現場が一般公開されることになりました。ナビにも事件後は「崇礼門は今どーなっているんでしょうか?」といった質問が来たり、また、今回の復旧事業公開観覧のお知らせとともに、「観覧方法は?」といった問い合わせもあったので、そんな方々を代表して、さっそく観覧に参加してきました。

■観覧申込み

現在、申込みはホームページ上で受付(電話は不可、現地申し込み5人<2009.8.17>)。名前、E-mail、連絡先などを入力し、観覧を希望する日にち、時間を選択すれば申込み完了です。キャンセルや変更もホームページ上で出来ます。ただし、ホームページは韓国語のみ。また観覧時はガイドの方が案内してくれますが、すべて韓国語です。入口でもらうパンフレットも今のところ韓国語版のみ。

【観覧申請ホームページ】
以下のホームページから観覧申請可。
崇礼門復元事業・公開観覧:
◇申請方法
※予約ホームが変わりました。
⇒⇒⇒最初のページの上段、【관람신청】をクリック⇒左の項目の三番目【관람신청】をクリック⇒カレンダー  で希望の日をクリック(1ヶ月以内のみ予約可)⇒右側に申請状況が出るので、日程を確認して左側の○をチェック⇒下のバー【예약자수】横のボックスに予約人数を入力⇒【예약하기】をクリック。⇒【이용약관에 동의 하십니까?】のところで【동의】をクリック。⇒その下の情報を入力<必須項目:이름(名前)、비밀번호(パスワード)、비밀번호 확인(パスワード確認)、주민번호(住民番号※形式的なものなので、数字を入れればいいようです)、이메일 주소(e-mailアドレス)、휴대폰 번호(携帯電話番号)、주소(住所※郵便番号も住所も細かく入力しないといけません。)>⇒一番下の文字を入力して【확인】をクリック
※内容を更新しました。<2010.11.29>

◇予約事項照会・変更・キャンセル
⇒⇒⇒最初のページの上段、【관람신청】をクリック⇒左の項目の4番目【예약조회/취소】をクリック⇒이름(名前)、 주민번호(予約時に入力した番号)⇒予約内容を確認できます。ここで変更またはキャンセルする場合、内容の下にある【변경】を押すと、名前をパスワードを入力する窓がでてくるので、 それを入力すると、予約申請画面がでてきます。こちらで内容(観覧日と回数以外)を変更する場合、直接内容を変更したあと、右下の【저장(保存)】を押すと変更完了。またキャンセルの場合は左下の【예약취소】をクリックするとキャンセル完了。
※観覧日と回数は変更できませんので、キャンセルしてから再度申請してください。<2010.11.29>

■観覧案内

案内期間:2008年8月15日~2012年(崇礼門復旧工事完了時まで)

案内日:毎週土曜日・日曜日

案内時間:
(土曜日)11:00/11:30/13:00/13:30/14:00/14:30
(日曜日)13:00/13:30/14:00/14:30/15:00/15:30

観覧人員:40人(現地申し込み5人)/1回あたり

所要時間:約45分/1回あたり

観覧料金:無料

案内団体:(社)韓国の再発見 /ソウルKYC都城キラーチャビ/新韓銀行奉仕団

※観覧日時は工事の日程、天気の影響により変更する場合があります。
※観覧時間を更新しました。<2009.8.17>
※観覧人数を更新しました。<2010.11.29>

■観覧に参加してみよう!

申し込みをしようとホームページに訪問してみると、初日の15日は申し込み締め切り、ということで、翌日16日の朝イチの回(11:00)に。当日は観覧時間に合わせて、崇礼門前に直接行けばOK(行き方は崇礼門 でご確認を)。入口には、観覧受付テントがあるので、そこで名前を告げれば出入り許可カードをもらえます。観覧はガイドの方の説明を聞きながら、団体で移動。ナビが参加した回は夏休みということもあって、地元の家族連れ、カップル、記者など、15人ぐらいで一緒に周りました。
<崇礼門の歴史>
李氏朝鮮時代、都城(今の景福宮・青瓦台)を中心に周辺の山々の尾根に沿って城壁をつくり、その東西南北に4つの大門、その間に4つの小門を設置しました。その4大門が東大門(興仁之門)、西大門(敦義門)、南大門(崇礼門)、北大門( 肅?門)。中でも南大門は城郭の正面にあり、韓国で最も規模の大きな城門として、また最も古い木造建築物として知られています。創建されたのは李氏朝鮮太祖7年(1398)ですが、現在(焼失前)の門は世宗30年(1448)に大きく改築されたものだそう。

その当時、この南大門は城郭の正門としてソウルと地方を結ぶ窓口であり、漢江のナルト(船着き場)から降りて大荷物を担いで地方からやってきた人たちは、この崇礼門を見て、「都(漢陽)にやってきた」と思ったとか。
李氏朝鮮時代
1394.11(太祖3)築城計画
1396.1(太祖5)築城開始
1398.2 (太祖7)崇礼門完工
1447.8(世宗29)~1448.5(世宗30)一次改築修理工事
1478.3(世宗9)~1479.4(成宗10)二次改築修理工事
1907年以降
1907.9~1909.5崇礼門周辺の城壁を撤去し、鉄道迂回工事
1952.11~1953.9朝鮮戦争による被害復旧工事
1961.7~1963.5 全面解体修理工事(門楼解体、陸築一部解体)
2005.2~2005.9 崇礼門周辺の公園造成
2006.3.3 崇礼門公開
2008.2.10~2.11 放火により門楼一部(上層部)焼失
城壁の毀損前後

城壁の毀損前後

電車の線路の敷設前後

電車の線路の敷設前後

■門内へ移動

中に入ると、工事現場らしく安全ヘルメットなどがかかり、プレハブの小屋なんかもあります。まずは階段を上がり、上から見ることに。現場の整理は5月に終わったとのことで、火災の生々しさなどはありませんが、すべてがパイプの骨組みで覆われ、まさに工事現場。ただ近くに下りてみると、至るところに瓦などの破片が落ちていて、朝鮮時代からの歴史的な建造物がこんなバラバラになってしまうとは・・・と思ってしまうところ。まずはここで火災後の南大門の現状、復旧工事の予定など、掛かっている昔の南大門の写真パネルを見ながら歴史をふまえて説明してくれます。
上から見た崇礼門
<`61~`63年解体修理の風景>
解体前の写真を見ると、女性はまだ韓服に風呂敷包みを持って歩き、男性はリアカーで荷物を移送中。門のすぐ前にはローマ字も。
解体前

解体前

解体修理

解体修理

<崇礼門火災過程>
火災初期

火災初期

火災中盤

火災中盤

火災鎮圧後

火災鎮圧後

火災後は、門楼上部は90%ほどが焼失、下の木の部分は10%が変形。しかし、火災時には消火のために大量の水を使ったので、木や石に水が染み込み、基礎がぐらぐらして不安定な状態になってしまっているとのこと。つまり、そのまま使うことは出来ず、解体してつくり直さないといけないとも。ただ、門に掛かっていた「崇礼門」という縦書きの扁額は、火災時に焼けずに落ちただけということで、そのまま復旧後も使うそう。
石垣は小さい石は朝鮮時代のもの、そして外壁は日本の様式で立てられたもの、という風に時代の変遷がわかるようになっています。
<崇礼門の復旧工事>
工事期間は2012年までの5年間、費用は250億ウォンを予定。5年間のうち、最初の2年は調査、発掘、考証、設計の期間で、残りの3年が復旧工事期間。完成すると、火災前の姿とは違い、昔の城壁の部分なども一部補修されるとのこと。

■下に下りて、門の近くへ。

【※終了】崇礼門(南大門)の復旧事業公開観覧 【※終了】崇礼門(南大門)の復旧事業公開観覧
【※終了】崇礼門(南大門)の復旧事業公開観覧 【※終了】崇礼門(南大門)の復旧事業公開観覧
石の表面に残っている銃弾痕。小さいものは日本の占領時のもの、また大きいものは朝鮮戦争時のものだそう。
資材が積まれ、天井画は残っているような…
2005年の調査の結果、地盤より約1.6m下から石築の址臺石(城壁や城門の地盤に当たる部分に使われる基礎石)、城門の盤石(大きく平べったい形をした、地面に敷く大きな石)が発見され、以前はもっと低かったことが分かったそう。現在のように地面が高くなったのは19世紀末頃で、電車が通るようになってから、盤石の上を土で固め、線路を敷いたためと推測されるそう。実際、門のところからソウル駅の方を見ると、ずいぶん高台になっています。

■観覧終了

皆さん、最後に記念撮影をして観覧終了。途中、ガイドさんから質問はありませんか?という問いに、地元の小学生が「犯人はどうなったんですか?」と聞く場面も。現在、10年刑に処されたとのことですが、犯行動機が社会への不満、という点からも、皆さん火災後の崇礼門を目の前に信じられないという声があちこちから。
現在の崇礼門は外から見ると、こんな感じ。
澄んだ青空を背景に焼失前の崇礼門の姿を描いたパネルで覆われ、その一部は透明の窓があり、中が見えるようになっています。観覧後に外に回ってみると、すぐ入ってきた次の回の観覧客の姿が透明窓から見え隠れ・・・すると、通りすがりに不思議そうに眺めている方も。
発掘調査も段階的に進行中
崇礼門と左右の城郭などを含む門の周辺一帯を正確に復元するために、2010年まで発掘調査を行うそう。茶色い部分が一次、緑の部分が二次、青色部分が三次。
工事は進行中ですが、進行状況を知らせるために、今回こうして土日は工事を休んで公開することにしたとか。興味のある方は、この機会に朝鮮時代の城壁の正門、崇礼門の復旧工事現場の観覧に足を運んでみてください。観覧は工事完了予定の2012年まで行われるので、これからの工事進展状況に合わせて、違う南大門の姿が見られると思いますよ。以上、ソウルナビでした。

その他情報

*ホームページでの受付を終了しています。<2013.1.11>

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-08-18

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