芬皇寺(慶州)

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獅子とオットセイが護る国宝の三層石塔

アンニョンハセヨ、ナビです。慶州の主要観光地を循環する10番、11番という便利なバスがあります。このバスを利用して、文化財の宝庫ともいえる芬皇寺を取材してきました。1つの国宝、2つの文化財資料、さらに2つの有形文化財などなど。1度訪れるだけで数々の文化財に出会えるという実にお得な場所です。慶州市内の観光地としては欠かすことのできないこの場所。いったいどんなお宝が待っているのでしょうか。
芬皇寺は文化財の宝庫
芬皇寺(プヌァンサ)が創建されたのは634年。新羅第27代国王、善徳(ソンドッ)女王の時代です。この寺は当時の有名な僧侶である慈蔵(チャジャン)や元曉(ウォニョ)が立ち寄った場所としても有名。また数々の貴重な文化財が残されている寺としても知られています。
芬皇寺に入ってまず目に入るのが巨大な三層石塔(模伝石塔)。新羅で初めて作られたこの石塔は国宝第30号に指定されています。石塔の後ろに控えているのは八角形の井戸。この井戸には3匹の龍にまつわる伝説が残っています。その横にあるのは和諍国師碑趺。元曉を奉った碑の台座になります。もっとも奥に位置する普光殿には朝鮮時代につくられた薬師如来像があり、そのほかにも大きな鐘や木造の魚、敷地外には亀を間に挟んだ珍しい幢竿支柱などがあります。

三層石塔を護る獅子とオットセイ
石塔をぐるっと一回りすると面白いことに気付きました。四隅に石で作られた獅子像が置かれているのですが、西側の2つが精巧に彫られているのに対し、東側の2つはどことなく丸っこい柔和なつくりになっています。長い年月の間、風雨にさらされて削られてしまったのでしょうか。いえいえ。実はこちらの2匹。獅子ではなくオットセイ像なのです。芬皇寺の石塔を護っているのは2匹の獅子と2匹のオットセイ。獅子は北方からの敵を防ぎ、オットセイは海からの敵を防ぐために置かれたといわれています。また1層目の壁面には入口の開いた龕室があり、その脇を仁王像が固めています。文禄・慶長の役で大方が破壊されてしまいましたが、もともとは7層か9層の石塔だったと推測されています。
3匹の龍が魚に変わる井戸
石塔の裏手に回ると八角形をした古い井戸があります。この井戸には「三龍変魚井」という少し変わった名前がつけられています。語り継がれた伝説によれば、かつてこの池には国を護る3匹の龍が住んでいました。ところがある日、唐より来た使臣がこの井戸に住む3匹の龍を魚に変身させ持ち去ってしまったのです。翌日、事件を知った龍の妻だという2人の女性が、当時の国王である元聖(ウォンソン)王のもとを訪れ、夫を助けてほしいと訴えました。元聖王はただちに使いを送り、龍を奪い返して井戸に戻したといいます。それ以来、この井戸は三龍変魚井と呼ばれるようになりました。
和諍国師碑趺
石塔から少し離れたところに、ちょっと座って一休みするのによさそうな石が置かれていました。ところが石の上に置かれた看板には「座るな」「のぼるな」の文字が。なんの変哲もないかのようなこの石。なんと慶尚北道有形文化財第97号に指定されている貴重なものでした。この石は芬皇寺に滞在した高僧元曉を奉った碑の台座で、正式名称を「和諍国師碑趺」。和諍国師とは元曉の諡号。碑趺は碑を支える台座のことを意味します。偉大な僧侶であったにもかかわらず、それまで元曉を称える碑や諡号がなかったことを惜しみ、1101年に高麗の第15代国王、肅宗(スッチョン)によって建てられました。碑そのものはすでに失われてしまい、現在は台座しかありません。台座を詳細に見ると「此新羅和諍国師之碑蹟」という文字が刻まれています。この文字は朝鮮後期の文人、金正喜によって刻まれました。
普光殿の薬師如来立像
石塔の裏手、敷地の奥に位置する建物が普光殿です。ここには金色に輝く薬師如来立像が安置されています。現在見ることのできる仏像は朝鮮時代に復元されたもの。新羅第35代景徳(キョンドッ)王の命令により、755年に名匠強固乃未(カンゴネマル)が作りましたが文禄・慶長の役のときに焼失してしまいました。現在の薬師如来立像は1774年に作られたもので、朝鮮時代に作られた立像は珍しく学術的にも貴重な資料となっています。
鐘閣と木造の魚
入口を抜けて左手には鐘閣と木彫りの魚が置かれています。
間に亀を挟んだ幢竿支柱
芬皇寺を出ると正面の畑の中に2本の石柱が立っているのが見えます。これは幢竿支柱といって鐘をかける竿を支えた柱のことです。芬皇寺の幢竿支柱には間に亀の彫刻が施された台座がはさまっており、これは他の幢竿支柱に比べて非常に珍しいものだそうです。
模伝石塔、三龍変魚井、和諍国師碑趺、薬師如来立像、幢竿支柱。芬皇寺は見所満載の寺です。慶州駅からバスで行っても10分くらい。さほどの時間はかかりません。近くには皇龍寺址もあり、また同じバスに続けて乗れば普門観光団地、慶州民俗工芸村、仏国寺など慶州の有名な観光地を巡ることもできます。文化財の宝庫ともいえる芬皇寺をぜひ1度訪れてみてください。以上、ナビがお伝えしました。

記事登録日:2002-11-14

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2002-11-14

スポット更新日:2012-06-22

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