チョンジュ商会

こんにちは！ソウルナビです。ナビがいつもソウルにやって来た！と感じるところの一つが、チャッキチャキのアジュンマやアジョッシたちがパワフルに働くソウルのシジャン（市場）！東大門、南大門のソウル２大市場のほかにも、地元の人の台所的な食品メインの市場からいろんな専門市場まで、ソウルには市場がたくさんあるんです。そんな韓国らしさを楽しめる市場の中でも、韓国一の規模を誇る干物市場といえば、チュンブシジャン（中部市場）！他の市場と同じく、似たようなお店がずらりと並ぶ中から、今日は、「チョンジュ商会」をご紹介します。こちらはもともと、この中部市場で約３０年ほど営んできたという干物店でしたが、今年（２０１６年）から新しいオーナーがお店を管理しています。そのオーナーとは市場の人たちが品物を仕入れる大元、つまり地元でワントメ（王卸売）といわれる干物の輸入業者さん。だから普通３～４段階の中間業者を介してお客さんの手モノに渡る品物がここではダイレクトに！中間マージンもごっそりそぎ落とし、輸入モノに限らず、長年のネットワークを通じて国産のモノもすべてお手ごろ価格で売っているとか！それではさっそく、ナビと一緒に行ってみましょう！

お店で取り扱う品物はなんと約２８０種類！

お店は一見こじんまりとしているようでも、取り扱っている商品の数を聞いてびっくり！店名には約１５０種類ほどの商品が並び、お店の裏手、２階の倉庫にある品物も含めると約２８０種の商品を扱っているというからスゴイ！干物、海苔、昆布、ナッツ類、ドライフルーツ類など、国産、輸入モノの両方あり、原産地・生産地により値段もさまざま。こちらお客さんは地元の方が多いですが、世界各国からの観光客もたくさん訪れるとのこと。ちなみに観光客に人気の商品は、海苔、サキイカ、ヤリイカの干物、干しスケトウダラ、キョンクァリュ（堅果類）。キョンクァリュ（堅果類）とは韓国でナッツ、ドライフルーツなどを合わせた総称で、お店で扱う商品は５０～６０種にも及ぶとか。中でも人気はアーモンド、カシューナッツ、ブルーベリー、韓国産のピーナッツ、そして松の実。

中区の「原産地表示模範業所」指定店！

それだけ扱う商品も多い市場。品物によって原産地も違い、昆布や海苔、煮干しなど国産しかないものや、ファンテ（スケトウダラの干物）のように１００％ロシア産（生産は韓国や中国）、あるいはカワハギのように国産、輸入の両方を扱っているものなどさまざま。ただ、この原産地というは見た目ではよく判断しにくく、表示されているのを見て信じるしかないのですが、こちらはソウル市中区が指定する「原産地表示模範業所」として認められたお店！これは全国的に農産物の原産地表示が義務化されるようになってから、制度を定着させるために行っているもので、専門家が実地調査をして選定しているものなんです。だから、お店の品物に表示されている原産地の表示も、こちらのお店なら信頼することができます。

人気の品物をチェック！

○国産のトルキム（岩海苔）、パレキム（青海苔）
～やっぱり人気ナンバー１は海苔！～

海苔は一枚海苔のみで、カット海苔の取り扱いはなし。冬だけとれるというトルキム（岩海苔）はかなりの厚みがありますが、パレキム（青海苔）、ジェレキム（在来海苔）と共にすべて一袋100枚入り。すべて国産。

・トルキム（岩海苔）　12,000ウォン/一袋100枚入り
・パレキム（青海苔）4,000ウォン/一袋100枚入り
・特ジェレキム（在来海苔）7,000ウォン/1袋100枚入り

○チィポ（カワハギ）
～おつまみにぴったり！カルシウムたっぷりのチィポ！～

チィポはこちらの業者で数十トン規模で輸入している品目の中の一つ。輸入したチィポを国内の国産・輸入の両方を扱っているところ、あるいは輸入のみ、国産のみと品目によってざまざまなんですが、韓国人のお酒のおつまみとして人気のチィポ（カワハギ）は国産、ベトナム産、中国産の３種があり、値段も国産と輸入では格段の差が。並べてみると、その違いがはっきりと分かります。

・国産-7万ウォン/1kg
・ベトナム産-2万3000ウォン/1kg
・中国産-2万2000ウォン/700g

国産

ベトナム産

中国産

○ヤンテチェ（裂いた干しコチ）
～食べやすく加工したコチの干物～

こちらもおつまみにぴったりの人気の干物、ヤンテチェ。コチという魚を干物にしたものを、さらに食べやすく味付けし、裂きやすく縫い目を入れたもの。こちらのほうが日本のカワハギに似ています。

○オジョッグイ（イカゲソの麦飯石焼き）
～中部市場の中でもココでしか売っていない！日本人に大好評のオジョッグイ！～

オジョッグイとはオジンオ（イカ）＋ジョッ（足）＋グイ（焼き）＝イカゲソを薄く開いて醤油やみりんで味付けし、麦飯石で焼いたもの。歯ごたえがしっかりあり、香ばしくて、かめばかむほど甘みが出て、お酒のおつまみにぴったり！これは江原道（カンウォンド）の干物加工業者が最近開発した商品で、ここ中部市場で取り扱っているのはこちら「チョンジュ商会」だけ！社長さんいわく、特に日本の観光客の方にかなり好評で、オジョッグイを味見すると市場を巡りながら歯ごたえと甘みの余韻が残り、結果的に市場の外に出る前に必ず買いに戻ってくるんだとか。それだけ魅力的なオジョッグイ、皆さんもぜひ一度味見してみて！

・オジョッグイ（イカゲソの麦飯石焼き）2万ウォン/1kg

　○ファンテ（スケトウダラの干物）
～あのファンテグッをおうちでつくろう！～

二日酔いに効くスープとして知られる「ファンテへジャングッ」やピリリと辛味の効いた薬味ソースを塗って焼いて食べる「ファンテヤンニョムグイ」など、ファンテを使った料理はおいしくってナビも大好き。韓国でそんなおいしいファンテ料理に出会い、自宅でも作ろうとお土産にこのファンテを買っていく日本人も多いそう。このファンテはスケトウダラを寒い時期に海風にさらし、凍ったり、解けたりを何度も繰り返しながら乾燥させたもので、生のタラよりタンパク質が２倍に増える高たんぱく食品なんです。
こちらのファンテは１００％ロシア産。ん？ファンテといえば江原道（カンウォンド）が有名なんじゃ？？と思ってしまいますが、韓国産のスケトウダラは種がほぼ枯渇してしまい、原料の大部分のタラをロシアから輸入しているため、原産地はすべてロシアになってしまうとか。ただファンテの味は乾燥させる気候や期間、地理的な条件などに大きく左右されるため、生産地、つまりどこで乾燥させたかが大きなポイント。原産地は同じロシアであっても、工場の温風器で乾燥させることの多い中国産と、昔からの伝統的な方法で寒い冬の海風にさらした韓国産があり。こちらのファンテをみると、細く割いたファンテチェはよく分からなかったけれど、ファンテポ（タラ開き）はファンテの７割が生産している江原道（カンウォンド）龍大里（ヨンデリ）で作業したものでした。

・ファンテチェ（割いたタイプ）23,000ウォン/1kg

○韓国最上級のキジャン（機張）ダシマ（昆布）
～質のよい昆布がお手ごろ！～

昆布（ダシマ）も日本人に人気の商品。こちらでは韓国で最上級の昆布といわれる、釜山北東部の海岸側にある町、機張（キジャン）のもの、そして全羅南道のアワビの産地として有名な島、莞島（ワンド）のものを扱っています。機張の昆布には大きく分けて２タイプあり、一つは濃いダシが取れるコッチダシマ（根っこの部分の昆布）、もう一つは葉の部分の昆布。皆さん、料理の用途によって使い分けているんだそう。

・機張昆布（根っこ）1万ウォン/500g
・機張昆布（葉っぱ）9000ウォン/500g
・莞島昆布　1万ウォン/800g

○韓国の高級ナッツ、チャッ（松の実）
～伝統料理でもよく見かける松の実～

松の実は日本ではあまり見かけませんが、韓国では昔から料理によく使われる、ナッツ類の中でも高級食材のひとつ。スジョングァ（水果）や五味子茶などの伝統茶にうかべたり、カンジョンというおこしのように飴で固めた伝統菓子や、ヤッパッ（婚礼用の蜜入りもち米菓子）に使ったり、松の実の粥などいろいろ。この松の実には２種類あり、一つは皮を完全に取り除いていないファンジャッ。これは香り高く、そのまま食べる人も多いとか。また皮をすべて取り除いた普通の松の実は料理向け。値段は二つとも同じです。

・国産ファンジャッ（皮つき松の実）5万ウォン/1kg
・国産ジャッ（皮なし松の実）5万ウォン/1kg

○キョングァリュ（堅果類）
～種類豊富なナッツあドライフルーツも人気！～

ナッツ類の中でもカシューナッツ、アーモンドと共に人気なのが韓国産のピーナッツ。カシューナッツはインド、アーモンドはアメリカからの輸入モノですが、ピーナッツだけは韓国産。また、ブルーベリー（アメリカ産）も人気。

・韓国産ピーナッツ-12,000ウォン/1kg
・アメリカ産アーモンド-14,000ウォン/1kg
・インド産カシューナッツ-14,000ウォン/1kg
・アメリカ産ブルーベリー-25,000ウォン/1kg

いかがでしたか？ナビもよく買いにくる中部市場ですが、大量に買うと持って帰るのが大変！でもさすが韓国最大の干物市場、宅配業者が市場に待機し、電話一本でお店に来てくれるから、買ってすぐその場で海外への配送（EMS）もできちゃいます（有料ですが）。また、ホテルまでのお届けも近い場合は無料でやってもらえることもあるとか（ただ遠い場合は有料になります。お店の方に聞いてみてください）。以上、中部市場にある「チョンジュ商会」からソウルナビがお伝えしました！