第9回全州国際映画祭2008年

過去最高の盛り上がり!全州の町はたくさんの人で大にぎわい!

こんにちは!ソウルナビです。今年のゴールデンウィーク、皆さんどこかに行かれましたかぁ?!ナビもいつもはソウルをぐるぐる歩き回っているんですが、せっかく休みなので、ソウルを離れてちょっくら地方へ足を伸ばすことに。ナビが選んだ場所は、ソウルから高速バスで約3時間、あのビビンバやコンナムルクッパで有名な全州(チョンジュ)!全州といえば、もちろんグルメも楽しみの一つですが、今回の目的は映画祭。毎年、この時期に全州の町をにぎわす全州国際映画祭に合わせて行ってきました~。今年で9回目を迎えるこの全州国際映画祭、今回は5月1日から9日間の日程で行われ、連休とも重なっていたせいか町はたくさんの人出でかなり盛り上がっていましたョ!ではさっそく、開幕式から週末にかけての全州映画祭の様子をレポート!
今年のオープニング作品は日本映画「接吻」。この作品は「UN loved」、「ありがとう」に続く万田邦敏監督の作品で、主演は小池栄子、豊川悦司、仲村トオル。開幕式の前に行われた記者会見では、監督と主演の小池、仲村の2人が会場に。会見席につくと、まずは監督が「映画祭のオープニング作品に選ばれて光栄です」とあいさつ。また仲村トオルは、「日本ではあまり多くの映画館で上映されなかった作品ですが、こうしてオープニング作品として選んでくれた全州映画祭に感謝します」と。そして小池栄子は、「初の訪韓で全州映画祭のオープニング作品に自分の作品が選ばれたことをとてもうれしく思います。」とコメント。その後、記者たちの質問がスタート。
この内容を選んだ理由は?
万田監督:もともと孤独な女性に関心があり、孤独というテーマを映画にしてみたいと思っていました。また現実にいそうにない人、ありそうにない状況が映画の中ではよく登場します。そんな中でも、なるべく映画を現実に近づけようと思って撮影しました。

「UN loved」に続き仲村トオルさんを起用したのは?
万田監督:映画は長い期間一緒につくっていかなければならないので、信頼できる俳優が1人でもいるというのは大きな意味があります。また、仲村トオルさんは、どの一部という訳ではないけれど、演技の中でかもし出される雰囲気があり、それが良い作品づくりにつながると思います。

キャラクターづくりで苦労したことは?また自分と似ている部分はありますか?
仲村トオル:もともと演技をするときに最初からキャラクターを自分で決めるんではなくて、監督に言われたとおりに演じ、その結果、最終的に自分に似ているかどうか映像を見て感じるくらいですね。
小池栄子:最初はとても難しいからと一度お断りした役だったんです。でも実際演じてみて、根本的に似ている部分があってかなり衝撃を受けました。劇中の京子は自分勝手で、究極のマイペースなんですが、それが逆にうらやましい部分もありました。

劇中、坂口(豊川悦司)との会話がほとんどないですが、その人間関係、距離感を撮影以外のときも維持するのは大変だったのでは?
仲村トオル:坂口役の豊川悦司さんは撮影が始まると役に入りきってしまうので、撮影以外のときもほとんど会話しなかったです。休憩時間や撮影の合間に一緒にベンチに座っていても、背中合わせに座るほどでしたから(笑)。今度、豊川悦司さんと共演することがあったら、かなり仲の良い役を担って、どれほどベタベタするか挑戦してみたいなと(笑)

タイトルは「接吻」なのに、「接吻」のシーンは映画を見たところ最後に1回出てきただけだったと思います。この理由は?
万田監督:たぶん映画を見ていて、「接吻」というタイトルを途中から忘れた方も多いと思います。最初にタイトルも出ないし、接吻のシーンもまったくないし。そして最後に1回接吻シーンがあって、そこでタイトルがバーン出て、改めて映画のタイトルを思い出した方も多いと思います。これは、この「接吻」から内容を思い返して、もちろんいろんな見解があると思いますが、それぞれの意味を再分析してもらおうというのもありました。


☆ハンドプリンティングイベント!

記者会見が終わったすぐあと、その場でハンドプリンティング(手形)イベントスタート!
万田監督は、無言で固定した自分の手を不思議そうに眺める一方、小池栄子は「すごい!」、「不思議~!」、「わぁ~!」と大きな目を見開きながらリアクション。そんな2人の間に挟まれて、仲村トオルは微笑みを浮かべながら楽しんでいる、という「接吻」メンバー3人。来年の今ごろ、全州市内のJIFF広場でこの3人の手形が見られるかな?!

映画祭恒例のレッドカーペット!

午後7時の開幕から1時間半ほど前に開幕式の会場である韓国ソリ文化の殿堂に着くと、すでにレッドカーペットにそって人がたくさん。フォトラインで待機していると、6時半ぐらいから俳優や監督の入場スタート。全州のレッドカーペットは毎年、韓流俳優はあんまり期待できませんが、有名どころでいうと、まだ記憶に新しい、映画「密陽」でカンヌの主演女優賞をとったチョン・ドヨン、開幕式の司会を担うアン・ソンギ&チェ・ジョンウォン、今年の全州国際映画祭の広報大使、ソン・ウニャンとキム・ジェウク、久しぶり?!「殺人の追憶」のパク・ヘイル、オープニング作品「接吻」のメンバーなど。
第9回全州国際映画祭2008年 第9回全州国際映画祭2008年 第9回全州国際映画祭2008年
映画「ミイン(美人)」主演のイ・ジヒョンが久しぶりに。

映画「ミイン(美人)」主演のイ・ジヒョンが久しぶりに。

リュ・スヨン

リュ・スヨン

「私の男のロマンス」のオ・スンヒョン

「私の男のロマンス」のオ・スンヒョン

映画「キダム」出演の3人(ジング、イ・ドンギュ、キム・テウ)

映画「キダム」出演の3人(ジング、イ・ドンギュ、キム・テウ)

右端は「太王四神記」に出ていた個性派俳優、オ・グァンノッおっぱーー。

右端は「太王四神記」に出ていた個性派俳優、オ・グァンノッおっぱーー。

映画をたくさん観たい・・・と毎年全州映画祭にやってくるチョン・チャンも。

映画をたくさん観たい・・・と毎年全州映画祭にやってくるチョン・チャンも。

「殺人の追憶」の「ヒャンスギ~」

「殺人の追憶」の「ヒャンスギ~」

テレビ番組の「ミスダ」こと、「ミニョドゥレスダ(美女たちのおしゃべり)」のメンバーたちも。 テレビ番組の「ミスダ」こと、「ミニョドゥレスダ(美女たちのおしゃべり)」のメンバーたちも。

テレビ番組の「ミスダ」こと、「ミニョドゥレスダ(美女たちのおしゃべり)」のメンバーたちも。

イ・ミョンセ&イム・グォンテク監督 イ・ミョンセ&イム・グォンテク監督

イ・ミョンセ&イム・グォンテク監督

ユ・インチョン長官&ソン・ハッキュ統合民主党代表が松葉杖をついて登場 ユ・インチョン長官&ソン・ハッキュ統合民主党代表が松葉杖をついて登場

ユ・インチョン長官&ソン・ハッキュ統合民主党代表が松葉杖をついて登場

開幕式スタート!

司会はアン・ソンギとチェ・ジョンウォン。まずは祝賀舞台が行われたあと、審査員の紹介、広報大使の挨拶、開幕作品紹介&映画上映という流れ。審査員紹介では、あの「グェムル」のボン・ジュノ監督、女優のオム・ジウォンの姿も見られ、広報大使の紹介では、「コーヒープリンス1号店」に出演したあの日本語がネイティブ並みに上手かったキム・ジェウクと、最近は女優業だけでなく、バラエティでも活躍中のソン・ウニャンの2人が舞台に登場。挨拶が終わったあと、アン・ソンギが「モッチネヨ(かっこいいですね~)」と関心してました。
また開幕作「接吻」の紹介時、主演俳優2人とともに舞台にあがった万田監督は、「個人的なことで申し訳ないんですが、実は今日、私の誕生日なんです。そして、誕生日にふさわしい、おめでたい日になりました。」とコメント。すると、日本語で「おめでとう」なんていう声が会場のどこからか飛んできたり…。
一通り紹介が終わったら、とうとうオープニング作品の上映スタート!
■レセプション
開幕作「接吻」の上映が終わると同時に開幕式も終了~!会場をでると、そのまま流れるように恒例の?!シャトルバスに乗って、レセプション会場のリベラホテルへ。映画祭委員長、審査委員のほか、監督や俳優が集まって、ビュッフェを食べながら今年の全州国際映画祭の開幕をお祝い!
オープニング作品の万田監督、仲村トオル、小池栄子
たくさんの地元人から記念写真やサインをお願いされまくってました。中には仲村トオルのファンの方なのか?チャン・ドンゴンと共演した「2001年ロストメモリーズ」のパンフレットをはじめいろんな本や冊子などすべてにサインをもらっている人も。
あちこちで写真撮影!
■映画にイベントに!本格的に映画祭を楽しもう!!
翌日の5月2日からは本格的に各映画館で映画上映がスタート!ナビも朝からチケットを予約しに行くと、すでに並んでいる人がズラリ。釜山映画祭のように前日から徹夜で並んだ、なんて人はいなく、発売スタートしてから行っても、ナビの見たい映画のチケットはすべてゲットできました(あとで聞くと、初日だからだったよう?!2日目からは映画祭ススタート以来の高い売り切れ率だったそう~)。初回の上映時間、11時まで少し時間があったので、地元の人にちょっと声を掛けてみましたっ。
☆インタビュー
<全北大学・演劇学科の1年生グループ>
今年から大学生は2万ウォンで1日4本まで観覧できるとか。左からチョン・サランさん、カン・ソルさん、パク・ヨンジュンさん、チェ・ヘジンさん。
左から2番目の彼の将来の夢はミュージカル俳優!とのこと。数年後、期待してますよーー。映画祭では見られるだけたくさん映画を見て、イベントにも参加して、映画祭を楽しみたい、とのことでした。
<大学生グループ>
こちらも声を掛けたら大学1年生。昨年まではあまり映画祭に参加していなかったという学生さんたち、今回、映画祭期間中は毎日4本びっちり見たいと張り切ってました。授業は?!と聞くと、ニンマリ笑顔でお返事。映画祭、楽しんでくださいね~。
<ソウルからやってきたアン・ウヒョクさん(21歳)、チュ・ジヨンさん(21歳)>
ナビ:全州国際映画祭は今回が初めてですか?
ウヒョクさん:去年初めて来て楽しかったんで、友達を誘ってまた来ました。僕は2回目ですけど、彼女は初めてで。

ナビ:今回は何泊の予定?
ウヒョクさん:今回は5泊6日です。昨日開幕式に合わせて全州に来て、来週の火曜日にソウルに帰る予定です。

ナビ:じゃあ、映画も観つつ、全州のグルメも楽しみつつ、観光もしたり?
ウヒョクさん、ジヨンさん:そうですね・・・もちろん映画が中心ですけど、映画祭のイベント公演なんかを観たり、やっぱりビビンバとかコンナムルクッパッとか、韓定食(あ、韓定食じゃなくて、ペッパン(定食)になるのかな?とにかく、庶民的な方のです)とかの全州グルメも食べに行きたいです。観光はちょっと時間がないかな。映画を1日3本ぐらいみたいと思っているから、そこまでは今回はムリですね。
ナビ:全州映画祭の良さって?
ウヒョクさん:釜山映画祭も行ったことがあるんですけど、釜山の場合は規模もでかいし、人も多いし、上映館も離れていて行ったり来たり移動も大変で慌ただしいけど、全州はのんびり、じっくり映画祭を楽しめるって感じですかね。チケットも釜山だったら当日予約となると見たい映画はほぼ取れないんですよ。でも全州は取れるし、映画の上映館もほぼこの映画通りにまとまってて、移動したとしても、時間帯ごとに映画が十分楽しめるっていうのが良いですね。
ジヨンさん:私は今回初めて来てみて、まだ1日目なんでまだよく分からないけど・・・以前日本の吉祥寺に行ったことがあって、全州の町並み(映画通り)の雰囲気がなんとなく吉祥寺に似てるなぁって。町の雰囲気もいい感じです。映画祭とイベントと全州グルメを楽しみたいです。

ナビ:ありがとうございました。ゆっくり楽しんで帰ってくださいね!

■「ヨンファエゴリ(映画通り)」の様子
☆昼間の様子
通りには手作り品の販売やイベント公演のほか、さまざまなオブジェなども展示され、映画祭の雰囲気をいっそうアップ!
☆イベント
映画祭期間中、お祭り気分を楽しめるのがイベントや公演。映画通りやJIFF広場などで開催され、特に夜のライブはノリノリ~盛り上がり、「エンコル、エンコル(アンコール、アンコール)」コールが起こるほどでした~。
☆映画祭の無料シャトルバス
予想外の人出でシャトルバスの本数を一部増やしたとのことでしたが、ナビも乗るたびに人がたくさん!人が多すぎて乗れないときもあったので、今年はかなりの人が全州に集まったんだなぁと実感。
☆映画GV
映画によっては監督、俳優とのQ&A時間が設けられている作品もあり。同じ作品でもGVのある日とない日があるので、ナビも日程をしっかりチェックしてから予約しました~!映画を見たあと、ちょっとした疑問・質問などを監督や俳優に直接聞いたり、たまに撮影時の秘話なんかを聞けたり、これは映画祭ならではのお楽しみ!
☆野外上映
こちらは無料の野外上映コーナー。昼間はカンカン照りの全州もさすがに夜になるとちょっと肌寒い感じ。そんな中、地べたに座ったり、向こーーーの方にあったベンチを持ってきて座ったりして、地元の人や観光客が一緒になって映画鑑賞。映画館と違って周りが明るいので、映画に集中できない部分もあるにはあるものの、みなさん、大きな野外スクリーンに映し出される映像に一点集中~。ナビなんて、人がたくさんいるのに感動して涙ほろり~(ちなみに映画は「私の人生で最高の瞬間」)。でも誰も気にせず、前の人も肩がヒクヒクしてるし、この一体感がなんか楽しぃ~。
ちょっと足を伸ばして…
映画の合間に、映画通りから徒歩15分ほどのところにある韓屋村に足を伸ばしてみました。こちらも伝統韓紙祭りや地元のイベントが行われ、たくさんの地元客でにぎわっていましたョ。1年前に比べると、博物館や文化館なども増えて、体験コーナーもいろいろ!これは次回ぜひトライしたいところ…。
全州国際映画祭は明日(5/9金)で終わってしまいますが、今回は今までで一番の盛り上がりをみせ、ソウルに帰るのが名残惜しいほどでした。来年はこの全州映画祭も第10回目を迎えるとのことで、今年よりもさらに盛り上がる予感!今年行きたかったけど予定が合わなかった…という方は来年リベンジ!ソウルからバスで3時間でアクセスできる全州へ、映画祭やイベントが行われ1年で一番盛り上がるこの時期に、行かれてみてはいかがでしょうか?映画祭にグルメに観光にイベントと盛りだくさんの楽しい旅になると思いますョ!以上、ソウルナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-05-08

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