海印寺(ヘインサ)へ行ってきました!【2005年】

慶州(キョンジュ)へ行った帰りにちょっと寄り道!韓国の三宝寺刹の一つとして知られる海印寺(ヘインサ)へ!

短かった夏も終わって、すでに秋の気配を感じさせるソウルです。8月末、慶州(キョンジュ)へ行った帰り道にちょっと足を伸ばして、車で約2時間離れた海印寺(ヘインサ)へ寄ってみました。仏宝寺刹通度寺(ブルボサチャルトンドサ)、僧宝寺刹待広寺(スンボサチャルソングァンサ)と共に、韓国の三宝寺刹の一つに数えられる、法宝宗刹海印寺(ポッポジョンチャルヘインサ)。交通が不便なこともあり、日本では知名度が低いようですが、世界文化遺産に指定されている八万大蔵経(パルマンデジャンギョン)も納められていることもあり、前々から行ってみたいと思っていた所。実際に行ってみると、とにかく景色が素晴らしく、とても立派なお寺でした。

海印寺は、渓谷が美しいことで知られるカヤ山国立公園の山の中にあります。なので、この海印寺以外にも見所がいっぱい。でも今回は時間がなかったので、省略です。それにしても本当に景色が美しい! 海印寺の創建は新羅時代の802年ですが、その後火災に見舞われ大部分が焼失、現在の建物は李氏朝鮮末期に再建されたものがほとんどです。
駐車場から、お寺の入口となる一柱門(イルチュムン)まで20分ほど歩きます。公衆トイレがあるので、トイレの近い方はここで用を済ませておきましょう。もちろん境内にもトイレはありますが、こちらの方が断然キレイなので・・・
一柱門へ行くまでは緩やかな坂道ですが、当然緑がいっぱい。めずらしい植物などもあって、とにかく気持ちがいいです。まさに森林浴ですね~ 途中二股に分かれていますが、海印寺は右の方へ・・・だんだん近づいて来ました。
約20分歩いて、ようやく一柱門に着きました!「世の中のあらゆる煩悩と分別心を振り払って清浄無垢の心で仏様の世界へ入る第一門」だそうです。うむ、煩悩を振り払え・・・るかな・・・。一柱門をくぐると次は鳳凰門(ボンファンムン)、そして解脱門(へタルムン)・・このように門をくぐって行き、やっと境内。ここは、お土産屋さんなどがあります。正面は九光楼(クグァンヌ)という建物で、もとは海印寺の宝物を保管する保存殿として使われていました。現在は総合広報館という歴史や仏教関係の書籍を扱う書店になっています。さらにこの横の階段を上っていきます。
やっと本殿の大寂光殿(デジョックァンジョン)が見えました。庭には三重石塔があり、横には観音殿(クァヌンジョン)などがあります。 私が気に入ったのは、大寂光殿の外の壁面に描かれている絵です。王子だったお釈迦様が出家し、いろいろな修行を積んで悟りを開いていく・・・などの話が描かれているのですが、これが結構面白いのです。時間のある方はぜひ!
いよいよお目当ての八万大蔵経に・・・と思ったら、ちょうど昼休みの時間に当たってしまいました。午前中は8:00~11:00、午後は12:00~18:30までと決まっているので、これ以外の時間は門が閉まっていて、一切観覧できません。
12時になると同時に蔵経閣の門が開きました。皆いっせいに階段を上っていきます。それにしても韓国のお寺は、なぜこんなにも階段が急なのでしょうか・・・上る時はともかく、降りる時が本当に恐いです。皆さんも十分ご注意を・・・
ついに見れました、八万大蔵経。これらは高麗高宋23(1236)~38(1251)年の間に作られた木版本で、当時モンゴルの侵入から国を守ろうと祈願して作られたもの。日本でいう鎌倉時代の頃ですね~ 。でも、もともとは1011年から1087年にかけて(なんと77年!)作られたものだったそうなのですが、1232年に焼失、その後また復興させたというわけです。大蔵経とは、仏教の経典をすべて経版にしたもので、その版数は81.340枚、本にすると6.791冊になるとか・・・す、すごい。
その経版がこちらです。横68×縦24.5cmという大きさで、曲がるのを防ぐため角木を張り、四隅に銅の飾りをつけて、それぞれの板が張り付かないようにした後、漆を塗ってあります。一文字一文字人の手で彫られたものですが、その字数は523.822.960文字・・・クラクラします。さらに、5億以上の字があるというのに、誤字・脱字が一切ないのだそうです。写真で見てもわかるように、字体も完璧!版本なので、当然彫るときは字を逆に彫るわけですよね。昔の人って本当にスゴイです。
大蔵経が保管されているのが蔵経版殿(チャンギョンパンジョン)ですが、この建物も世界文化遺産に指定されています。この蔵経版殿もまた古く、創建年度は明らかになっていないのですが、朝鮮王朝初期の1488年頃ではないかといわれています。蔵経版殿は4棟ありますが、その建築様式が非常に優れているといわれます。大蔵経を保管するために、湿度と風通しが自然に調節されるように建てられています。もともと土質のよいところに、炭、石灰、粘土などを加え、湿気の多い時期には湿気を吸収して、乾燥する時期には適度な湿度を保つようにするなど、設計から何から、現代でもビックリするような技術が使われています。
海印寺の文化財などが展示されている「海印寺聖寶博物館(ヘインサソンポパンムルグァン)」もあるので、お時間のある方はこちらも寄ってみて下さい。場所は海印寺入口です。 
開館時間: 10:00~18:00(季節により変更あり)
*毎週火曜は閉館
入場料:大人2000ウォン/子供1000ウォン 
TEL:(055) 934-3150~5 

行き方ですが、やはり自力で海印寺まで行くのは、ちょっと(だいぶ?)しんどいと思われます。やはりツアーで行くのが1番楽ではないかと・・・ですが、フリーで行かれる方、韓国在住の方で自力で行ってみるぞ~~という方もいらっしゃるのでは!?と交通手段を調べてみましたので、もしよろしければご参考下さい。慶州(キョンジュ)から行く場合は、慶州高速ターミナルから高速バスに乗り、東大邱ターミナルまで行きます。約5分歩くと地下鉄トンテグ(東大邱)駅があるので、そこから1号線に乗り、ソンダンモッ駅3番出口を出ると西部バス停留場があるので、海印寺行き市外バスに乗ります。または慶州市外バスターミナルから西大邱ターミナルまで行き、そこから海印寺行きのバスに乗ります。

法宝宗刹・海印寺
住所:慶尚南道(キョンサンナンド)陜川郡(ハッチョングン)伽ヤ*面(カヤミョン)緇仁里(チインリ)10番地 *人偏に耶
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TEL: 055-934-3002~3
HP: http://www.haeinsa.or.kr/home.html(韓)

入場料
合計
大人3500ウォン/青少年(13~18才)1300ウォン/子供(7~12才)900ウォン
公園入場料
大人1600ウォン/青少年(13~18才)600ウォン/子供(7~12才)300ウォン
文化財観覧料
大人1900ウォン/青少年(13~18才)700ウォン/子供(7~12才)600ウォン

*30人以上の団体の場合は団体料金になります
*毎週火曜は閉園

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-09-02

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