谷みつのソウル特派員レポート・第23回「秋ですねえ」

朝晩、猛烈に寒くなってきた。
空を見上げると、空が高くなり見上げると空に引き込まれそう。
そう、もう韓国は秋模様。
今年は、8月の末からすでに秋物の服がショウ・ウィンドーを飾り、オシャレな人たちはいち早く秋のカラーを服に取り入れているのを見ていると、いつもの年よりも早く秋が来たような気がする。
それに、道や屋上に広げられた赤唐辛子を見ると「秋が来て、冬ももうすぐそこまで来てるんだな」とも思う。
私が朝起きて、一番にする事は部屋の窓を開けることだ。
私の家は結構高台にあるため、街が良く見渡せ、風もよく入ってき、この事が私がこの家を気に入っている理由の一つだ。
まあ、そんなことはおいといて、朝窓を開けると赤いカーペットを敷いたように屋上いっぱいに赤唐辛子を広げた家々が目につく。
それに、歩いていると家の前の道端に、それも人が通る公共の道端にさえ(!!!)赤唐辛子を広げている光景もよく見られる。
初めはなんでこんなに町中が赤唐辛子になってるんだろう、と何をしてるのかわからなかったけれど、これはなーんと自分の家で唐辛子粉を作るためらしい。
これから、寒くなってくると、韓国では『キムジャン』といって冬の間食べるキムチのキムチ作りが始まる。
その時にぜったいに欠かせないのが唐辛子粉。
そのため赤唐辛子を夏の終わりに干し、粉にして冬のキムチ作りに備えるのだそうだ。
やっぱり、家で作った唐辛子粉は買ったものと違い、とてもおいしいと言う。
けれど都会の人や若い人の間では、唐辛子粉を買う人が増えているそうだ。
仕方ないだろうな。
露にあたって湿気てはいけないから、朝干して、夕方太陽が沈む前にまた唐辛子を取り入れ、またまた次の朝干して。
とても手間の掛かる作業だ。
でも、とても手間が掛かり、愛情も掛かっているからこそおいしい唐辛子粉ができるんだろうな。
それにしても、道端で排気ガスをかぶりながら干された赤唐辛子。
一体おいしいのか??? と思ってしまうけれど、そこは韓国の18番「ケンチャナヨ(大丈夫だよ)」 何ヶ月後にはおいしいキムチとなって食卓にのぼる日を楽しみにしています。
秋の青空の下に真っ赤な赤唐辛子。
韓国の色、今日も見つけた。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2001-09-25

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