<公演概要 >
◈ 公演名 : ユニバーサル・バレエ <ロミオとジュリエット Romeo & Juliet>
- ケネス・マクミラン版 韓国バレエ団初演
◈ 日 時 : 2012. 7. 7(土) ~ 7. 14(土) / 7日間 全8回公演
(平日) 20:00, (土) 19:30, (日) 15:00 * 7. 14(土) 15:00, 19:30 2回公演
◈ 場 所 : 芸術の殿堂 オペラ劇場
◈ 構 成 : 3幕 13場
◈ 指 揮 : ポール・コネリー
◈ 演 奏 : 江南シンフォニー・オーケストラ
◈ 主 催 : ユニバーサル・バレエ
◈ 協 賛 : セアグループ, ザ・ベル, シンヨン証券, ウェルメイド・インターナショナル
◈ 後 援 : トンイルグループ、ダウム
◈ 料 金 : VIP席 100,000ウォン┃R席 80,000ウォン┃S席 60,000ウォン┃A席 30,000ウォン
┃B席 10,000ウォン
◈ 予 約 : 芸術の殿堂 02-580-1300 www.sacticket.co.kr
インターパーク 1544-1555 http://ticket.interpark.com
◈ 割 引 : 50% 障がいをお持ちの方 および国家有功者 (1人2枚), 多子女家庭 (子女数3人以上)
30% ユニバーサル・バレエ後援会(Family会員)
20% 先行予約 20% 割引 (5/1~5/31日まで)
ユニバーサル・バレエ後援会(VIP, Royal, Special会員),
10% 新世界ポイントカード, Kyoboブッククラブ会員カード
DenW マガジン・メンバーシップ会員、芸術の殿堂ブルー会員、
インターパークTiki会員
※ VIP席, B席 割引対象外
◈ 公演時間 : 2時間 25分 (休憩2回を含む)
◈ 入場年齢 : 未就学児童 入場不可
<主なキャスト>
※ロミオとジュリエット>の主役および日時別のキャスティングは6月に発表されます。
<公演要旨>
ケネス・マクミランが描いた永遠の愛のバイブル!
ユニバーサル・バレエ <ロミオとジュリエットRomeo & Juliet>
2012. 7. 7(土) ~ 7. 14(土) 芸術の殿堂 オペラ劇場
原 作 ウィリアム・シェイクスピア (William Shakespeare)
音 楽 セルゲイ・プロコフィエフ (Sergei S. Prokofiev)
振 付 ケネス・マクミラン (Kenneth MacMillan)
舞台/衣装 ポール・アンドリュース (Paul Andrews)
照 明 ジョン・リード (John B. Read)
マクミラン版 世界初演 1965年 英国ロイヤル・バレエ、ロンドン コヴェントガーデン
マクミラン版 韓国初演 1983年 英国ロイヤル・バレエ、世宗文化会館
昨年ドラマティック・バレエ<オネーギン>で観客と評論家から好評を得たユニバーサル・バレエが再び正統ドラマティック・バレエで戻ってくる。今年7月7日(土)から14日(土)まで芸術の殿堂オペラ劇場にて公演される<ロミオとジュリエット>がその主人公である。特に今回の公演は、ドラマティック・バレエの巨匠ケネス・マクミラン(Kenneth MacMillan) の作品であり、国内では1983年に英国ロイヤル・バレエが来韓して以降、30年ぶりに幕が上がる貴重なバージョンだ。また、韓国のバレエ団としては初めてユニバーサル・バレエが公演権を獲得し、上演するのである。
シェイクスピアの3大悲劇の中の一つとして永遠の愛のバイブルと謳われる<ロミオとジュリエット>は、数多くの芸術家たちに創作のインスピレーションを呼び起こした戯曲である。その中の一人である作曲家のセルゲイ・プロコフィエフ(Sergey Prokofiev)は、その特有の現代性と調和を成す、激情的でありドラマティックなバレエ音楽を作曲した。それ以降、二人の巨匠からインスピレーションを得た数多くの振付家たちがバレエ<ロミオとジュリエット>の様々なバージョンを生み出した。
1940年にマリンスキー・バレエにて初演されたラブロフスキー版、ロイヤルデニッシュ・バレエのために創られたフレデリック・アシュトン版 (Frederic Ashton, 1955), シュツットガルト・バレエのために創られたジョン・クランコ版(John Cranko, 1958), 英国ロイヤル・バレエのために創られたケネス・マクミラン版(Kenneth MacMillan, 1965), ロンドン・フェスティバル10周年のために創られたルドルフ・ヌレエフ版(Rudolf Nureyev, 1977), 現代の感覚で再振付されたモンテカルロ・バレエのジャン・クリストフ・マイヨー版(Jean-Christophe Maillot, 2006)に至るまでとても多様である。
なかでもマクミランの<ロミオとジュリエット>は、シェイクスピアの原典に最も即した作品として評価されており、彼を世界的振付家へと押し上げた。マクミラン版は、プロコフィエフの音楽が与える胸を打つような感動に、人物たちの“内面の心理”まで加え、ドラマティックに仕上げたためである。特に、最も有名な場面である「バルコニーのパドドゥ」はどのバージョンでも美しいが、マクミラン版は男女間の愛の余韻を更に現実的に表現し、強い悲劇性を暗示している。そのため、歳月が流れても英国ロイヤル・バレエ、アメリカン・バレエ・シアター、ミラノ・スカラ座、オーストラリア・バレエ、スウェーデン王立バレエ団で公演されており、愛され続けている。
しかしケネス・マクミランの<ロミオとジュリエット>は唯一つ韓国と縁が少なかった。ドラマティック・バレエの2大山脈の一つであるジョン・クランコ版が1994年と2008年に、シュツットガルト・バレエの来韓公演を通して2回に渡り国内に紹介された一方、マクミラン版は1983年の韓-英 国交100周年記念の際に国内に紹介された後、現在まで再演されたことがない。そのため、今回のユニバーサル・バレエによる<ロミオとジュリエット>は、ケネス・マクミランの作品を長年待ち続けてきた観客、または正統ドラマティック・バレエ生来の感動を感じたい観客であるならば逃すことのできない作品なのである。
ユニバーサル・バレエのこの度の公演では、舞台デザイナーのポール・アンドリュース(Paul Andrews)が新しくデザインした英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ(Birmingham Royal Ballet)の舞台装置と衣装を空輸してくる。このデザインはレディー・マクミラン(マクミラン夫人)が最も気に入っているバージョンとしてマクミラン財団が積極的に推薦したデザインである。 また、10名の英国現地スタッフが来韓し、韓国における英国正統バレエの再現に参加する。
ユニバーサル・バレエとケネス・マクミランとの出会い
ユニバーサル・バレエがジョン・クランコの<オネーギン>に続き、ケネス・マクミランの<ロミオとジュリエット>の公演権を韓国バレエ団で初めて獲得した事は、ユニバーサル・バレエだけでなく韓国バレエ史という側面においても、とても重要な意味を持つ。その理由は、韓国バレエの水準の高さを認められたという意味もあるが、何よりもケネス・マクミランの<ロミオとジュリエット>が世界のバレエ史において放つ存在感によるものである。
英国ロイヤル・バレエの前身であるサドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ(Sadler’s Wells Royal Ballet)にてダンサー時代からジョン・クランコととても親しい友人の間柄であったマクミランは、クランコがシュツットガルト・バレエのために振付けた公演を見て、ロイヤル・バレエのための自分だけのバージョンを創った。マクミランの<ロミオとジュリエット>は、伝説的なバレエダンサー・カップルであるマーゴ・フォンティーン(Margot Fonteyn)とルドルフ・ヌレエフ(Rudolf H. Nureyev)により1965年2月に世界で初演されたが、当時40分間以上の拍手喝采と43回のカーテンコールを受けるほどに大成功を収めた。
時間を超越したマクミラン版の人気の理由は、まさに共感を呼び起こす心理描写と振付けの技法にある。彼は踊りやデザイン的な要素よりは作品の中の人物たちの性格と心理により関心を持ち、節制と激情を交差させドラマティックに紐解いた。クラシック・バレエと言えば、当然「踊り」で感情を表現するものだが、マクミランは感情の「演技」に比重を置くことで観客をして自然に主人公の感情に入れるよう誘導している。
また、マクミランの<ロミオとジュリエット>はシェイクスピアの原典に最も即しているが、単純に古典に留まっているというよりは現代性を追及している。作品中の‘ジュリエット’はルネッサンス時代の14歳の幼い少女でありながらも、彼女の愛は現代女性の姿に通じるところが多くある。ジュリエットは、16世紀の男性中心の支配構造において献身し支配される典型的な女性ではなく、自己主張と反抗的な気質を多く持つ女性として登場する。たとえジュリエットのこのような行動が悲劇的な結末の触媒の役割をするが彼女は異性との愛を熱望し成そうとする現実的な人間として描かれる。一言で言えば、マクミランの<ロミオとジュリエット>は現実世界で常に間違いを犯す平凡な人々の ‘愛’に関する話なのである。それで彼の作品の二人の主人公は、死を持って彼らの愛が籠絡されたのではなく、生と死を共にした ‘永遠不滅な愛’であることを再確認させてくれるのである。
ケネス・マクミラン <ロミオとジュリエット>の鑑賞ポイント
■ この作品で最も注目しなければならない鑑賞のポイントは‘ジュリエットの心理的成長過程’ である。 この作品でジュリエットは、1幕での乳母と人形で天真爛漫に遊ぶ ‘純真無垢な14歳の少女’から愛と離別を通じて完全に‘成熟した女性’へと変化する過程を表現している。
■ 2幕 ‘バルコニーのパドドゥ’ : <ロミオとジュリエット>のハイライトは‘バルコニーのパドドゥ’である。このパドドゥは一目ぼれした敵同士の家の恋人がこっそり出会い、初めて彼らの愛をあるがままに見せる場面である。磁石のように惹かれあい、愛の前に全ての恐ろしさを脱ぎ捨てた、若い男女の家門に対する戦線布告がまさにこの場面である。
■ 3幕 ‘寝室のパドドゥ’ : パリス伯爵と愛のない結婚を強要されたジュリエットは、早いテンポで変調しながら流れる3幕のパドドゥの音楽の中で、微動だにせず座っている。他のバージョンでは普通踊りで表現されるのに比べてマクミラン版ではジュリエットの心理状態をこのような不動の姿勢で表現し、劇的な効果を高めている。その後、ロミオの死を知って嗚咽と絶望の中で死を選ぶシーンは、前に出てきた不動の姿勢と克明に対比され悲劇性を浮き彫りにする。
■ 1幕 キャピレット家の仮面舞踏会 – 忍び寄る悲劇に対する華麗な序曲: ‘キャピレット家の仮面舞踏会’は、バレエ<ロミオとジュリエット>で最もスペクタクルな場面だ。仮面舞踏会に登場した貴族たちが華やかな衣装と仮面の中に本性を隠したまま、各自の欲求を満たすために徘徊する姿が、まもなく近づく悲劇に対する華麗な序曲である。
■ 2幕 ヴェロナ広場での戦い : 仮面舞踏会が貴族たちの隠された欲望であるならば、キャピレット家とモンテギュー家の男達の剣による戦いは、露骨な欲望の噴出である。ぶつかり合う刃の中で、獣のように飛ぶような踊りで表現される彼らの欲望は、結局両家の青年であるティボルトとマキューシオを死へと追いやる。
ケネス・マクミランはジョン・クランコと共に、ドラマティック・バレエの華麗な時代を開いた張本人である。スコットランド生まれのマクミランは、14歳からバレエを始め、その後ロンドンのサドラーズ・ウェルズ・バレエ団に入団し、団長である二ネット・ド・ヴァロアに才能を認められ第2次世界大戦中に主役として活動する。以降、現在の英国ロイヤル・バレエ団の創団メンバーとなり、多くの功績を残した。.戦争時代を経験したマクミランは、神話のような幻想的な物語を捨て、クラシック・バレエの再構築に挑戦、クラシックのスタイルに人間の心理を組み入れた「心理ドラマ・バレエ」を構想した。
彼の作品の中の主人公たちは事実的に描かれ、一部の作品は当時の社会でタブー視された裏切りと狂気、残酷性などを扱い、法的紛争にまで発展したものもある。しかし、大多数の作品は優れた振付技法と雄大壮麗なコーラスなどで多くの喝采と賛辞を受けた。生涯の基盤を英国ロイヤル・バレエ団に置いたマクミランは、英国王室から1983年にナイト(騎士)の爵位を授与された。
代表作には <招待(1961)>, <アナスタシア(1971)>, <マノン (1974)>, <マイヤリング(うたかたの恋)(1977)>, <パゴダの王子(1989)>, <ユダの木(1992)> などがあり、作品の中では <ロミオとジュリエット(1965)>が最も有名である。