ソウルでここだけは行っておきたい、5つの古宮(元王宮)!

ソウルに来たらまず訪れる古宮の周り方やオススメのポイント!

こんにちは、ソウルナビです。初めてのソウル観光で必ず訪れるところといえば、古宮(朝鮮王宮)がありますよね。特に朝早くから開園する王宮は午前観光の定番!古宮とはかつて朝鮮王朝の時代、王様が暮らしたり、王朝政治の舞台になった場所。最近では映画や歴史ドラマなどでもお馴染みですよね。ソウルには大きな古宮が5つあり、よく5大王宮といった名前で呼ばれたりします。でも5つある王宮ののうち、どれから周ればいいの?時間がないときにはどこに行けば?一番のおすすめはどこ?などなど、古宮の特徴を踏まえた周り方をナビがご紹介したいと思います。それではさっそく王宮へ!

ソウルにある古宮は5つ!

ソウルにある古宮は5つ。それぞれに歴史や特徴があります。
景福宮(キョンボックン)
鍾路区世宗路にある李氏朝鮮時代の正宮。ソウル市内にある5大王宮の中でも12万6337坪(416,990平方m)と最も規模が大きく、また建築美に優れた宮殿と評価される古宮。1395年(太祖4年)に創建され、現在は国の史跡第117号に指定されています。中には勤政殿(国宝第223号)、慶会楼(国宝第224号)、慈慶殿(宝物第809号)、慈慶殿十長生煙突(宝物第810号)、交泰殿峨嵋山煙突(宝物第811号)、勤政門と行閣(宝物第812号)、風旗台(宝物第847号)、敬天寺跡十重石塔(国宝第86号)、法泉寺智光国師の玄妙塔(国宝第101号)などなど数多くの文化財があります。また敷地内には国立古宮博物館と国立民俗博物館もあり、ソウルに来たら必ず行っておきたい場所ナンバーワン!元の位置に復元された光化門前も見所で、門の前に王宮守門将の交代式も行われています。

【最寄り駅】地下鉄3号線キョンボックン(景福宮・Gyeongbokgung・327)駅から直結。
★こんな方にオススメ!
-古宮のうち、1つはじっくり見ておきたい!
-駅から近い!
-ついでに周辺を周りたい!
<周辺エリア>
韓屋が多く素敵なお店が多いスポットとしてすっかり有名になった三清洞・北村をはじめ、最近注目の西村(ソチョン)もすぐ近く。光化門の前には世宗大王が輝く光化門広場が広がり、人気スポットの仁寺洞も徒歩圏内。
<内部、周辺スポット>
<ツアー>


○昌徳宮(チャンドックン)
ソウルにある5つの古宮の中の1つ。1997年にはユネスコ世界文化遺産にも登録された、ナビもお気に入りの宮殿です!1405年、正宮である景福宮の離宮として建造された宮殿で、光海君(クァンヘグン・李朝第15代王)以降、約270年に渡って李氏朝鮮王朝の政務が行われた王の御所。全部で約135,000平方mの敷地には13棟の宮殿の建物があり、その北半分を占める後苑(フウォン)には28棟の楼閣があります。こちらの魅力は、一年中たくさんの観覧客が訪れながら、建物や自然の維持管理が行き届いていること。特に豊かな自然をそのまま生かして造った美しい宮殿の庭園、後苑の四季折々の姿はとても見ごたえがあります。2010年5月から見学システムが変わり、以前は自然と建物保存のために1週間のうち1日を除いて決まった時間だけ観覧できるようになっていましたが、現在は敷地内のエリアによって一般観覧(自由観覧)とガイド付きの制限観覧の2タイプに分かれています。王宮の歴史的な雰囲気を味わいたい!雰囲気優先の方ならこちらです。

【最寄り駅】
1)地下鉄3号線アングッ(安国・An-guk・328)駅から徒歩約5分。
2)地下鉄5号線チョンノサンガ(鍾路3街・Jongno-sam(3)ga・534)駅から徒歩約7分。
★こんな方にオススメ!
古宮のうち、1つはじっくり見ておきたい!
古宮の雰囲気に浸りたい。
紅葉を楽しみたい!
ついでに周辺を周りたい!
<周辺エリア>
韓屋が多く素敵なお店が多いスポットとしてすっかり有名になった三清洞・北村はすぐ隣り。人気スポットの仁寺洞も徒歩圏内。
<ツアー>


○徳寿宮(トクスグン)
ソウル市庁の隣りにある古宮。もともとは成宗(ソンジョン・李朝第9代王)の兄である月山大君(ウォルサンテグン)が住んでいた邸宅。しかし文禄・慶長の役が勃発した翌年の1593年、避難先からソウルに戻ってきた宣祖(ソンジョ・李朝第14代王)が月山大君が住んでいたこの邸宅を臨時の王宮として使用。最初は場所の名前が貞陵洞だったことから貞陵洞行宮(行宮=王の臨時宿所)という名前でしたが、これを光海君(クァンヘグン・李朝第15代王)が慶運宮(キョンウングン)と命名、数年間ここで生活したそう。その後1615年に光海君が昌徳宮(チャンドックン)に居場所を移し、その後274年間この王宮は主人不在の状態でした。しかし1897年、高宗(コジョン・李朝第26代王)がこの慶運宮を修理し元の王宮らしい姿に生まれ変わった後、居場所を移し再び王宮として使用されるようになりました。この時から高宗が皇帝として在位した1907年まで、徳寿宮は大韓帝国の波乱万丈な歴史の中心舞台になりました。1904年の大火災でほとんどの殿閣が焼失、1905年には重明殿で日韓保護条約が締結されるなど近代史でも歴史的な場所となりました。高宗の次男である純宗(スンジョン・李朝第27代)が1907年に皇帝に即位し、昌徳宮へ居場所を移したのですが、慶運宮に残った高宗の長寿を願う意味で徳寿宮と命名、以来徳寿宮と呼ばれるようになりました。
とにかく時間がないけど古宮は1つ見ておきたい!そんな時にオススメの古宮。地下鉄駅の目の前にあり、大きさもコンパクト。急げば15分ほどで周ることができます。また入口の大漢門の前では王宮守門将の交代式も行われています。

【最寄り駅】
地下鉄1・2号線シチョン(市庁・City Hall・132/201)駅から徒歩約1分。
★こんな方にオススメ!
時間がないので手軽く周りたい!
駅から近い!
明洞や南大門市場から近い!
ついでに周辺も周りたい!
<周辺エリア>
なんといっても市庁のすぐという好立地!周りのホテルからも近く、明洞からも徒歩圏内。南大門市場からも歩くことができます。
<内部、周辺スポット>


○昌慶宮(チャンギョングン)
1483(成宗14)年に創建され、現在は史跡123号に指定されている古宮。もともと古宮の場所には上王(王の座を譲り渡した先代の王)である太宗(テジョン・李朝第3代王)を住まわせるため、世宗大王(セジョンテワン・李朝第4代王)が1428年に建てた寿康宮(スガングン)がありました。その後、太宗が崩御し、荒れ果てていたものを成宗(ソンジョン・李朝第9代王)が、王の祖母である貞熹王后(チョンヒワンフ:李朝第7代王・世祖のお妃)、生母昭恵王后(ソヘワンフ)、そして養母安順王后(アンスンワンフ:李朝第8代王・睿宗の継妃)の3人の大妃(先王の后妃)を住まわせるために3棟の王宮を改築、拡張することで王宮としての威厳を備えていきました。またこの時に王宮の名前も寿康宮から昌慶宮に変わりました!その後、粛宗(スクチョン)の時代に起きた張禧嬪(チャンヒビン)とその一族が処刑された事件や、英祖(ヨンジョ)の時代に起きた思悼世子(サドセジャ)の死など、すべてここがその舞台に。その後、1909(純宗3)年に殿閣が破壊され、動物園や植物園がオープン。また1911年には博物館も設置、桜の木がたくさん移植され、一般の人のための休憩所となりました。名称も昌慶宮から昌慶苑に変わるなど、王宮の格がガクンと下がった時期でもありました。その後もソウル市民には長い間王宮というより公園として認識されてきましたが、1983年12月から3年間に及ぶ復元工事が行われ、動物園などはソウル市郊外の果川(クァチョン)にあるソウル大公園に移され、1986年8月、ようやく往時の王宮の姿を取り戻しました。
こちらは中心部から少し離れているからせいか、観光客が少なく、ゆっくり周ることができます。かつて公園だった名残りで植物園もあり、公園としても楽しむことができます。入口の目の前にバス停があるので、バスでの移動も楽。

【最寄り駅】
地下鉄4号線ヘファ(恵化・Hyehwa・420)駅から徒歩約15分。
★こんな方にオススメ!
静かに古宮を観覧したい。
植物園など変わった施設も観覧したい。
桜や紅葉を楽しみたい。
<周辺エリア>
すぐ近くには芸術と演劇の街である大学路が。演劇を見がてら立ち寄るのもいいかも。


○慶熙宮(キョンヒグン)
もともと李朝の太祖・李成桂の家があったといわれるところで、塞門安大闕、あるいは塞闕と呼ばれていました。その後は王族の私邸として利用されてきましたが、光海君8年(1616)、ここに王気(王が生まれる兆し)があるということで、これをなくすために別宮を建て、慶徳宮(キョンドックン)としたとか。その後光海君は追放され、英祖36年(1760)に宮の名前を慶煕宮と改称、 東闕である昌徳宮(チャンドングン)に対して西闕と呼ばれました。純祖29年(1829)に火事で大部分が焼失し、1831年に再建されましが、日本統治時代に王宮の建物はなくなり、その場所に1908年、京城中学校(今のソウル高等学校)ができました。正門と興化門は博文寺(のちに新羅ホテル)に移設され、崇政殿は東国(トングッ)大の構内に、その他の建物もあちこちに移設され、復元工事が始まるまで王宮の姿は完全にありませんでした。1987年に学校が移転した後に復元作業が始まり、現在に至っています。
新しく復元された建物が目につきますが、観光客が少ないので静かに観覧できます。また紅葉の季節は木々が美しく、公園としても楽しめます。

【最寄り駅】
1)地下鉄5号線ソデムン(西大門・Seodaemun・532)駅から徒歩約10分。
2)地下鉄5号線クァンファムン(光化門・Gwanghwamun・533)駅から徒歩約10分。
★こんな方にオススメ!
静かに古宮を観覧したい。
歴史博物館やNANTAのあとに立ち寄りたい。
紅葉を楽しみたい。
<周辺エリア>
メインストリートの鍾路や光化門広場から歩いて行くことができ、隣りにはソウル歴史博物館が。セットで観覧するのが良いかも。 
<内部、周辺スポット>
現代美術館の別館もあります。

周る時のポイント!

無料の日本語ツアーを利用しよう!
説明なんてなくてもいい!自分のペースでゆっくり周りたい!という方もいらっしゃいますが、やっぱり説明がある方が、古宮についてより理解を得られるはず!

定休日にご注意!
月曜日は昌徳宮、昌慶宮、徳寿宮、慶煕宮がお休み。また火曜日は景福宮がお休み。
月曜日に古宮の観覧を予定している方は、景福宮にでかけましょう。もし間違って他の古宮に行ってしまったら、景福宮に移動しましょう。
また、もし火曜日に景福宮に行ってしまったら、昌徳宮に移動しましょう。

1枚のチケットで古宮を観覧できる! 
1枚のチケットで5ヶ所(景福宮、昌徳宮(後苑含む)、昌慶宮、徳寿宮、宗廟)を見学することができるチケットがあります。価格は10,000ウォン(※2012年4月現在)。有効期限:1ヶ月です。ちなみに1ヶ所でも使用した場合は払い戻しできません。

古宮をはしごしよう!

古宮を1つだけでなく、2つも3つも周りたい!そんなかたもいらっしゃいますよね。それでは、それぞれの古宮間の時間をお知らせしましょう。

①景福宮->昌徳宮
東門を出て、栗谷路を東へ。仁寺洞の入口の前を通り過ぎ、そのまま進むと左手に敦化門が見えます。徒歩約20分。

②昌徳宮->昌慶宮
敦化門を出て、左へ、坂を登り、やがて下り坂になります。次の十字路をみちなりに左に曲がると、左手に入口があります。徒歩約15分。
※現在は坂道ですが、トンネル化する工事が進められています。

③景福宮->徳寿宮
光化門を出て、光化門広場をまっすぐ。光化門十字路にぶつかったら、右手に渡り、すぐ左の横断歩道を渡り、東和免税店の前を越え、コリアナホテルの前を過ぎ、さらにまっすぐ進むと、右手にあります。徒歩20分。

④景福宮->慶熙宮
光化門を出て、光化門広場をまっすぐ。光化門十字路にぶつかったら、右手に渡り、そのまままっすぐ進むと右手にあります。徒歩20分。

⑤徳寿宮->慶煕宮
大漢門を出てすぐ右にある徳寿宮トルダムキルを進み、交差点にぶつかったら横断歩道を渡ったら右へ。そのまま坂を降りていくと、左手に入口があります。徒歩約15分。

もし歩いてすべて周るならば、昌慶宮->(15分)昌徳宮->(20分)景福宮->(20分)徳寿宮->(15分)慶熙宮というコースが考えられます。

王宮ではないけれど、ゆかりのあるこちらも

王宮以外にも、ソウルであれば元王族の私邸である雲峴宮や、王の霊を祀る宗廟などでも王朝の雰囲気を味わうことができます。また南山コル韓屋村には当時の貴族の邸宅が移築され、王朝の雰囲気を味わうことができます。

守門将交代式と旧正月と秋夕はポイント!

景福宮と徳寿宮の前では、王宮の警護隊にあたる王宮守門将の交代式が行われています。色鮮やかな服に色鮮かやな旗が交差する姿はいつ見ても見応えあり。また交代式の合間には守門将が実際に門の前に立ち、現在の王宮をしっかり警護しています。
また旧正月と秋夕の両名節、各古宮では民俗遊びイベントが行われます。お店のお休みが多いソウルも、古宮はにぎやかだったりします。、韓服を着ていくと入場が無料になるイベントもあり、チマチョゴリなどの民族衣装を数多くみかけます。
<景福宮>
<徳寿宮>
いかがでしたか?せっかくソウルにいらしたら、古宮に是非足を運んでみてくださいね。特に歴史好きの人ならきっと満足されるはず!映画やドラマと同じようにかつて王家の人々や王に仕える人たちが闊歩した同じ場所に立ってみると、また感慨もひとしおかも?以上、今年の名節も古宮には出かけるつもりのソウルナビでした。


関連タグ:王宮古宮朝鮮王朝宮殿

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-09-13

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