西生浦倭城(蔚山)

ソセンポウェソン서생포왜성

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加藤清正が残した蔚山の遺構 

アンニョンハセヨ、プサンナビです。今日は海雲台の先、機張郡を越えて蔚山市に入ったところにある西生浦倭城(ソセンポウェソン)の紹介です。まず、倭城については、以前、プサンナビでも子城台(チャソンデ)を紹介しましたのでおさらいしてみましょう。
倭城のおさらい
豊臣秀吉が朝鮮半島を侵略しようとして起こした「文禄・慶長の役
(韓国の呼び名は壬辰倭乱<イムジンウェラン>)」の際に、戦略の根拠地の確保、連絡の拠点、攻撃への防衛のために築造された城のことを言い、蔚山広域市から全羅南道順天市(スンチョンシ)までの間に、倭城の跡が全部で30以上もあると言われています。これらの倭城から戦国期に発展した日本の築城技術を知ることができるため、歴史好きの間では大きな関心、研究対象にもなっています。

城造りの名人、加藤清正が築いた名城
ちょっと倭城のおさらいをしましたが、西生浦倭城は韓国に残る数ある倭城の中でも、石垣の保存状態がもっともよいことで知られています。そしてなんといっても、天下の名城『熊本城』を築いた、城造りの名人、加藤清正によって造られたというのもポイント。

当時は海から兵力、兵糧を城内に搬入できる重要な拠点として、軍事的には大変重要な役割を担っていたそうです。1592年の7月から建設が始まった西生浦倭城は45960坪という広大な規模にもかかわらず、その翌年には完成したと伝えられています。
本丸、二の丸、三の丸を備える、典型的な日本式の城郭で、小山の麓に位置する三の丸から、約15度の角度で頂の本丸まで石垣が続いています。現在、三の丸は集落になっており当時の様子はあまり残っていませんが、西側の城郭はそのまま残り、山頂まで続いていく様子が見て取れます。このような形式は登り石垣といわれ、日本の城の中ではほとんど見られない石垣だそうで、研究対象としても非常に価値が高いのだとか。
三の丸跡
現在は42世帯が居住する集落になっている三の丸跡。西側の登り石垣やいくつかの城壁が残る以外はほとんどその形跡が残っていません。また、三の丸の中に掘られていた井戸は、現在も水が枯れることがなく、農業用水として使われているそうです。
登り石垣

登り石垣

南門跡

南門跡

東門跡 東門跡

東門跡

二の丸跡
三の丸から急な坂道を登っていき、崩壊した何箇所かの石垣を通り過ぎると、2の丸の入り口が現れます。
二の丸の入り口 二の丸の入り口

二の丸の入り口

本丸跡
当時作られたのか、観光用に整備されたのか定かではありませんが、石が敷かれた階段を登っていくと、いよいよ本丸の入り口です。中に入るとあまりに見事な城壁に驚くことでしょう。石垣は迷路のように入り組み、実戦に備えた城であったことがよくわかります。そして、桜もたくさん植えられていて、地元の花見所としても人気が高いとか。
本丸の虎口

本丸の虎口

鎮下の海を見下ろす

鎮下の海を見下ろす

将軍水(井戸の跡)

将軍水(井戸の跡)

北門跡

北門跡

西門跡

西門跡

本丸内の説明書き全文
西生浦倭城

西生浦倭城

蔚山広域市 文化財資料 第8号
蔚山広域市 蔚州郡 西生面 西生里 711

この城は壬辰倭乱(文禄の役)の初期、1592年(宣祖25年)7月から1593年(宣祖26年)にかけて倭軍の将帥加藤清正が監督し、石で築いた16世紀末の典型的な日本式の城である。 標高200mの山頂に本丸、山の中腹に二の丸、山の麓に三の丸を築いた。城壁の高さは6m、傾斜は15度であり、城の全体の形は長方形である。本丸には将軍の居所である天守閣と井戸である将軍水があった。 1594年(宣祖27年)僧侶四溟大師が4回もこちらに来て平和交渉をしたが、失敗した。1598年(宣祖31年)明の麻貴将軍の援助で城を奪った。1年後、倭寇との戦争で戦死した53名の忠臣のために蒼表堂を建てたが、日本帝国時代に壊され現在は跡もない。『西生浦鎮城図(1872年作成)』を見ると、この城の一部が国家の鎮城として使われていたことがわかる

おまけ
緩やかな曲線が美しい鎮海海水浴場は、人の多すぎる釜山の海水浴場を避けた釜山市民がよく遊びに行く海水浴場だそうです。
釜山からちょっと離れますが、歴史に関心がある方なら、西生浦倭城は必見だと思うナビです。ベストシーズンは桜の花開く早春ですが、海水浴場が楽しい夏もなかなかいいかもしれません。以上、プサンナビがお送りしました。

記事登録日:2004-04-09

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関連タグ: 加藤清正 遺構

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スポット登録日:2004-04-09

スポット更新日:2012-01-05

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