臨津江黄布帆船に乗って来ました!

あの臨津江で遊覧船に乗りました!

臨津江といえば軍事境界線に近く、6・25戦争での激戦地として知られる所。当然今も、立入禁止なんだろうと思っていたのに、なんと遊覧船に乗ることができるんだとか。地図を見てみると、かなり奥地・・・でも一度気になってしまったら、行かずにはいられなーーいっ!とバスを乗り継いで行って参りました!

黄布帆船って?
朝鮮時代の運送手段として使われていた船を復元したもので、長さ15m、幅3mほどの小型の帆船です。分断以後50年間に渡って民間人(一般人)の出入りが禁じられていた臨津江が、再び開かれることになりました。この遊覧船のコースは、臨津八景といわれる絶景を観ることができる場所だそうです。
国鉄京義線の金村駅から92番バスに乗り終点のチョクソンターミナルまで、もしくは地下鉄3号線クパバル(旧把搬・Gupabal・320)駅から30番バスに乗り終点のチョクソンターミナルまで行きます。ターミナル内(といっても小さい)にタクシー乗り場があって常に待機しているので、タクシーに乗って船着場まで行きます。料金はだいたい4000~5000ウォンぐらい。
ちょっとした市場を通って、田舎道をどんどん奥へ。本当に遊覧船乗り場なんてあるのかな?と疑心暗鬼になりながらも、タクシーで走ること約5分・・・目立たない看板の指示通り行くと、それらしき建物が見えてきました。どうやらここでチケットを買うようです。簡単な食べ物・飲み物の販売も行っています。8000ウォン(子供は6000ウォン)でチケットを購入し、乗り場へ!
船着場へ行く途中こんなものが!これは上の部分に爆弾を仕掛け、爆弾が爆発すると、一番上に乗っている大きな石が落ちて侵入できなくなるという仕掛けです。こんなにのどかな所でも、まだ休戦状態なんだということを思い知らされます。すぐ横には落下用の石(?)の保管倉庫もありました。
いよいよ帆船へ乗り込みます。天井いっぱいにぶら下がっている救命胴衣を着用して、約6km、40分の旅へ!奥の方にはなぜかステージが・・・!!団体客などで予約すると歌い手さんがやって来て歌のサービスもあるようです。
・・・のどかです。当たり前ですが、何もありません。船長兼ガイドのおじさんがマイクで説明をしてくれます(現在、韓国語のみ)。向かって右側はヨンチョン郡、左側が坡州市です。ヨンチョンは平野、坡州は森が多いのが特徴だそうで、川を挟んで左右が全く別の地形になっています。
岸でパラソルを立ててピクニック(?)に来ている人もちらほら見かけます。
ヨンチョン側のウォンダン里絶壁と、北朝鮮から水が流れてきているという滝。今の時期は水量が少なく、梅雨時にはかなりの水量になるそうです。
右側の森のようになっている部分がホロコルソン(ソン:城の意味)と呼ばれる、高句麗時代の城の跡地。現在、復元もされておらずそのままの荒地になってしまっているとか・・・もったいないですね。
20分程経過すると、これ以上は先に行くことはできないという地点に。ここでUターンをして戻ります。ちなみに、ずーーと先の左の方に見えるのは米軍の訓練所だそうで、もちろん立入禁止区域。右の先に見えるのが、高浪浦ヨウルモクと呼ばれる、早瀬の狭くなった部分で、浅瀬になっていて、深さは50cm程。その昔、北朝鮮からのスパイはここから侵入してきたのだそう。
チャジャン里絶壁はウォンダン里絶壁と共に臨津江絶壁と呼ばれ、60万年前に形成されたという玄武岩地帯に臨津江が流れ、その侵食現象によって作られた高さ10m程のもので、大小の赤黒い複数の突起が美しく広がっています。下の部分にある穴も自然に出来たもので、戦争中はこの穴の中に隠れたりもしたそうです。
約20mの絶壁にうっすらと文字のようなものが見えます。真書体(チンソチェ)の第一人者であるミス・ホモクによって、朝鮮時代後期に書かれたものといわれています。
亀の形をしているという、コブッバウィ。亀に見えるような、見えないような・・・これ以外にも青龍バウィなどがあるのですが、岩に慣れていない私には難しく、解読不可能でした。
一見、普通の原っぱかと思いきや、ここでは漢方(韓国では韓方)の材料になる植物が、よく育つそうで、いろいろな種類が植えられているのだとか。
「カップルなら前に出てタイタニックするのもいいよ」と船長さん。何のことかと思ったら、帆船の前に出れるようになっているので、そこでタイタニックごっこをとのこと。
ということで、私も船長さんとタイタニック♪(BGMはセリーヌディオン)
以前にキム・ヒソンが出演した時代劇のラストシーンを撮ったそうです。船長さんにそのシーンを再現してもらいました。
このような感じで、臨津江斗只里船着場~高浪浦ヨウルモク(Uターン地点)という約40分のコースでした。現在は残念ながら韓国語のみの説明になっていますが、日本語での説明も計画中だそうです。

見所があるような、ないような臨津江黄布帆船ツアーでしたが、人工のものが一切なく、のんびりと自然を眺めて癒されました。 しかーし!ソウルからはるばるやって来たのに、これで帰るのはもったいない!でも自然以外に何もないここでは、食事ぐらいしか思いつかず・・・ 臨津江といえば、ナマズ、ウナギ!船着場からちょっと歩きますが、川魚料理専門の食堂が集まるメウンタンマウルと呼ばれる所があります。といってもソウルの繁華街のように集まっているわけではなく、数件あるだけですが・・・。 川魚だけに、上手く調理しないと生臭さが気になるんですよね。そこで船長さんにオススメの食堂を聞いて行ってみました。
「ミンムルコギマウル(031-958-5377)」。ウナギを食べようと行ったのですが、あいにくこの日は団体の予約が入っているので、1時間待ってくれとのこと・・・時間がないので今回は諦めて他へ行くことにしましたが、次回は必ずここで食べてみたいと思います。お値段は各店で違いますが、ウナギ定食で1万~3万ウォンぐらい。臨津江で捕れた天然ウナギになると時価。ウナギ以外にもナマズやチャムゲ(川でとれるカニ)、黄色いフグと書くファンボクなどの料理があります。
ソウルの中心部から約2時間、往復で4時間と、この黄布帆船だけのために行くのもなぁという気がしなくもありません。同じ坡州市にある統一展望台などと組み合わせるといいのではないかと思います。また在ソウルの皆さんには週末のドライブにいかがでしょうか。
料金
一般:8000ウォン、小学生まで、65歳以上:6000ウォン、30人以上は10%団体割引
運航時間
11:00から1時間置きに8回(冬期は7回)、約40分所要。週末・祝日は30分間隔。
*天候などにより時間が変更される場合もあります
住所:京畿道 坡州市(パジュシ)積城面(チョクソンミョン)斗只里(トゥジリ)215-5 トゥジナル
電話:031-958-2557
日本語:不可
関連タグ:遊覧船臨津江イムジンガン

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-06-23

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