韓国の文化~トルチャンチ

子供の無病息災を祈願し、未来をも占う!

アンニョンハセヨ、プサンナビです。ケーキを囲んで、ハッピーバースデイを歌って、ロウソクを吹き消して・・・。ナビもかつて経験した日本での誕生日の一般的な風景です。それでは、韓国の誕生日はどうでしょうか。大豆や小豆などの穀類を入れて炊いたご飯とミヨクッ(わかめスープ)を食べてスタート。さらに、その日3食の内1食は麺を食べなければいけないという習わしもあります。中でも最も重要とされているのが、生まれて最初に迎える誕生日なのです。今回はその誕生日を祝う、韓国の一般家庭の重要イベント「トルチャンチ」についてご紹介して行きましょう。
生死の峠を乗り越えたことを記念する日、それがトル!
「トル」とは、人がこの世に生まれた後、初めて迎える誕生日のことです。 昔まだ医学が発達していなかった頃は、生後1年以内に死ぬ子供たちが多かったそうです。ですから、生後1年目の日に、生死の峠を越した記念すべき日として、「トルチャンチ」を行うことになったそうです。トルチャンチは、王様を始めとしてすべての国民が行なってきているお祭りであり、家族が集って子供の無病息災を祈るそうです。
トルチャンチのケーキは、ススパットッ!
トルを迎えた子供は、新しい服を着て、「ススパットッ」(とうもろこしと小豆が入った餅)と「ペクソルギ」(うるち粉の真っ白な蒸し餅)が盛られた特別なお膳を据えられます。これは、ススパトッの赤い小豆粉と、新鮮できれいな食べ物であるペクソルギが厄を払ってくれるという、韓国の土俗的な風習から来ています。さらに、ススパットッは、子供が10歳になるころまでは、誕生日ごとに与えることが慣例になっているとのこと。韓国の子供の誕生日は、ケーキに替わりにススパットッなんだそうです。
うちの子供の将来は?
このトルチャンチではもう一つの特別なイベントがあります。すなわち子供の将来を占うということ。子供の前に据えられたお膳に、本、鉛筆、木綿糸、お金などを置いて好きに選ばせます。本をつかんだら勉強が出来るようになり、鉛筆をつかんだら有名な作家になり、木綿糸をつかんだら長生きし、お金をつかんだら金持ちになると信じられているようです。「なにそれ?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、結果はどうあれ、子供が健康的に育ち、立派な大人になることを願うという気持ちは、万国共通親たちの共通の願いなのでしょうね。
1歳児へのプレゼントはゴールド
また、トルチャンチで子供にプレゼントを贈るのも大事な習慣。子供の長生きを願って、木綿糸で作った指輪や腕輪を贈るのが通例でした。今日は医学も進歩し、乳児の死亡率も少なくなったのでプレゼントも木綿から金へと変わりました。過保護な気がしないでもありませんが…。
日本と同じように核家族化が進んでも大勢の親族が集まり、子供の将来を祝福してやる習慣があるということはとても羨ましく思います。これは日本の両親にも教えなきゃいけないと密かに心に誓ったプサンナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-01-29

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