京元線DMZトレインに乗って鉄原へ

DMZ一帯が観光できる列車、DMZトレインに乗って江原道は鉄原(チョロン)へ


こんにちは!ソウルナビです。江原道にあってDMZに近い町、鉄原(チョロン)。その鉄原にある白馬高地(ペンマゴジ)駅までソウル駅から運行するのがDMZ観光列車(DMZトレイン)。この列車は1914年、ソウルと江原道元山(ウォンサン、現在は北朝鮮)間を結ぶ京元(キョンウォン)線が開通してちょうど100年後にあたる2014年の8月1日、一日も早く白馬高地駅からさらに北に進みたいという平和の願いを込めて走りだした観光列車です。今回、ナビは白馬高地駅から出発するシティツアー「安保観光」に参加しました。さっそくレポートしたいと思います!

今回のスケジュール

<スケジュール>
08:30 ソウル駅 集合
09:27~11:44 DMZトレインに乗り、ソウル駅から白馬高地駅へ
11:50~12:30 トゥルミマウル(タンチョウヅル村)で昼食
12:40~13:00 労働党舎見学
13:20~13:50 滅共OP見学
14:05~14:15 金剛山電気鉄道線路見学
14:20~14:30 鉄条網の道散策
15:00~15:30 白馬高地戦跡碑観覧
17:45~16:00 白馬高地駅地域特産物店で買い物
16:06~16:43 漣川駅で小休憩
16:50~18:48 漣川駅からソウル駅へ

09:27 DMZトレインに乗車(往路)

9時27分、京元線を走るDMZトレインはソウル駅14番ホームから出発。DMZ トレインはソウル~白馬高地駅間を走る京元線と、ソウル~都羅山(トラサン)間を走る京義線(キョンイソン)の2つあります。同じような時間に出発するので、行き先と出発ホームをよく確認してくださいね。
ソウル駅

ソウル駅

DMAtrain4005に乗ります

DMAtrain4005に乗ります


京元線も京義線どちらも3両編成で1号車は蒸気機関車、2、3号車はムクゲの花と平和をテーマにした絵で飾られているDMZトレイン。列車の外観はいろいろな絵が描いてあり、ちょっとせわしないイメージですが、中も負けていません。原色の風ぐるま模様のシートがドーン、上を見上げれば赤いムクゲの花がバーン、下は蓮の葉と水、車両の壁には世界中の言語で書かれた愛と平和、和合のメッセージ。最初はなんだか落ち着かないけれど、だんだん慣れてきます。車両の中には外国人写真家による南北分断の悲劇を切り取った写真や京元線関連の写真、DMZ付近の大自然の写真などテーマごとの写真があり、見ごたえがあります。
ど派手な車内

ど派手な車内

横を向いたシートもあり

横を向いたシートもあり

写真展示もたくさんあります

写真展示もたくさんあります

目がチカチカしてきます

目がチカチカしてきます

2号車には売店があり、コーヒー、ビールなどドリンク類とお菓子やおつまみを販売しています。スタンプコーナーもあるので記念にぜひ押していきましょう。
売店

売店

スタンプコーナー

スタンプコーナー

旅の思い出に

旅の思い出に

DMZトレイン(京元線)は1日1往復。ソウルから白馬高地駅まで約2時間20分を車内で過ごします。停車駅は議政府(ウィジョンブ)、東豆川(トンドゥチョン)、漢灘江(ハンタンガン)、漣川(ヨンチョン)、新炭里(シンタンンニ)、そして終点の白馬高地。ところどころで乗務員のお姉さんがガイド放送をしてくれるので(韓国語)、旅の雰囲気が盛り上がります。
景色もきれい

景色もきれい

余興でハーモニカを吹いていました

余興でハーモニカを吹いていました

11:50~トゥルミマウル(タンチョウヅル村)でおいしい昼食

白馬高地駅に到着すると、安保観光のバスに乗り込み、まずはトゥルミマウルに向かいます。ここは周辺に住む住民らが共同で運営する体験村のひとつで、地元の野菜とお米を使ったビュッフェスタイルの田舎ごはんを食べることができます。鉄原のお米は五台米(オデサル)と呼ばれ、質の良いブランド米としてとっても有名なんだそう。
“鉄馬は走りたい”の文が

“鉄馬は走りたい”の文が

白馬高地駅

白馬高地駅

観光バスに乗り込みます

観光バスに乗り込みます

トゥルミマウルに立派な建物

トゥルミマウルに立派な建物

キムチたっぷり

キムチたっぷり

野菜のおかずはどれもおいしすぎ!

野菜のおかずはどれもおいしすぎ!

じゃがいもの煮物

じゃがいもの煮物

唐辛子と葉の醤油漬け

唐辛子と葉の醤油漬け

いただきます

いただきます

ごはんは3杯食べてしまいました

ごはんは3杯食べてしまいました

12:40~ 労働党舎見学

お昼を食べたらさっそく安保観光のハイライトとも言える労働党舎へ。1946年に完成した朝鮮労働党鉄原郡の党舎で、かつて38度線に沿って朝鮮半島が分割されたとき、北側となった鉄原に北朝鮮は共産独裁政権の強化と地域住民の統制を目的として建てました。鉄筋コンクリートとレンガを組み合わせた3階建ての建物は1950年に勃発した朝鮮戦争の際激しい爆撃を受け、現在は堅固な建物は外壁のみが残っています。ガイドさんが、ここに一旦入ってしまったら生きて帰れなかったんです、というので一気に寒気が!
ガイドさんの案内を聞きながら

ガイドさんの案内を聞きながら

草花が生えています

草花が生えています

落書きをするなんて~

落書きをするなんて~

13:20~ 滅共OP見学

滅共OPってなんだろうとよくわからないまま急な坂道を登っていきました。牧歌的な風景が広がっているものの“白骨”“骨肉之情”となんだかものものしい漢字が。OPはオブザベーションポスト(observation post)の略で、北朝鮮の不審な動きを監視している観測所のこと。滅共は反共産主義を意味します。広報室で観測所に関する映像を見ました。滅共OPは1985年11月に設置され、ソウルからは約89km離れたところに位置。その15km先に北朝鮮があります。朝鮮戦争のとき、観測所のある地帯は熾烈な戦いが繰り広げられ、鉄の三角地帯と呼ばれていたそう。映像鑑賞が終わるとカーテンがさっとひかれて、目の前に美しい自然が目の前に。目と鼻の先に北朝鮮があります。
※撮影禁止なので写真はありません~
生きても白骨、死んでも白骨とかいてあります

生きても白骨、死んでも白骨とかいてあります

このカーテンがあけると素晴らしい景色が広がっています

このカーテンがあけると素晴らしい景色が広がっています

建物脇から撮った景色(韓国側)

建物脇から撮った景色(韓国側)

14:05~金剛山電気鉄道線路見学

1924年から1944年まで、鉄原から内金剛駅まで走っていた電気鉄道の橋梁を見学します。鉄原駅から7番目の駅、亭淵(チョンソン)駅がかつてあった場所で説明を聞き、橋梁を往復します。北朝鮮の金剛山まで90km、近いようで遠い、近いようで遠いですね。
ここに駅があったのですね~

ここに駅があったのですね~

電線の跡でしょうか

電線の跡でしょうか

橋の先はこのように立ち入り禁止

橋の先はこのように立ち入り禁止

14:20~14:30 鉄条網の道散策

有刺鉄線のついたフェンスが長く続くエリアにやってきました。
写真は控えてということで看板を

写真は控えてということで看板を

すばらしい自然が広がっていますが撮影は不可

すばらしい自然が広がっていますが撮影は不可

15:00~15:30 白馬高地戦績地観覧

白馬高地(ペンマコジ)は朝鮮戦争の激戦地となった場所。1952年10月6日から10日間にわたって戦闘が繰り広げられ、約30万発もの砲弾が炸裂し、395高地と呼ばれた山の形が変わるほどだったとか。その形がまるで白い馬が寝そべっているように見えたので白馬高地と名づけられたそう(他にもいろいろな説がありますが)。白馬高地はDMZエリア内にあり、白馬高地戦績地は慰霊碑のある場所。白馬の像と慰霊碑の間に小さな展示館があり、軍人さんが一通り説明してくれました。
白馬の像がありました

白馬の像がありました

展示館を見学

展示館を見学

遺物の展示

遺物の展示

17:45~16:00 白馬高地駅地域特産物店で買い物

バスに揺られて再び白馬高地駅に戻ってきました。駅には鉄原の特産物販売店があり、列車の出発までお買い物を楽しめます。
ゆでとうもろこしやお餅を買う人多し

ゆでとうもろこしやお餅を買う人多し

五台米もいっぱいありました

五台米もいっぱいありました

~16:50 漣川駅で小休憩

16:06に白馬高地駅を出発した観光列車は漣川駅で給水塔やミニ市場見学のため十数分間とまります。漣川駅は京元線の中間地点。当時走っていた蒸気機関車の給水地として円筒型と箱型の給水塔が作られました。二つとも登録文化財に指定され、駅前は公園になっています。公園内では地元の方が農産物やお餅などの軽食を販売しています。
漣川駅に到着

漣川駅に到着

昔活躍した給水塔を眺め

昔活躍した給水塔を眺め

こちらの給水施設

こちらの給水施設

ミニ市場をひやかします

ミニ市場をひやかします

いっぱい買ってって~

いっぱい買ってって~

北緯38度より北に位置していたことを示す看板

北緯38度より北に位置していたことを示す看板

16:50~18:48 漣川駅~ソウル駅へ

漣川駅からソウル駅まで約2時間。その間に車内ではミニクイズなどレクリエーションタイムがあります。韓国語で問題がわかる方は挑戦してみると旅の思い出になるかも?この日は到着予定時間より約13分遅れてソウル駅に着きました。

いかがでしたか?DMZ観光列車、はじめはそのインテリアに驚きましたが平和への願いが込められた列車に乗って南北分断の現場に行き、改めて平和について考える、良い旅行となりました。自然豊かな鉄原は一見平和そのものですが、戦争は終わっていないという現実を今回のツアーで知ることができました。皆さんも機会があれば是非DMZ観光列車(DMZトレイン)に乗って鉄原を訪れてみてくださいね。以上、ソウルナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-10-07

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