現地のグルメな友人のお薦めで行ってみました。
暑い夏の日、扇風機が廻っているだけの狭い店内、テーブルの上にあるガスコンロで煮立てて食べるキムチチゲは、地獄のよう。
異様にすっぱいキムチに、塊のまま転がっている固い豚肉、美味に欠けたスープ、固い豆腐と、今まで食べた中でも、ひと際まずいキムチチゲでした。
しかし。
軟弱になって均一化が進んでしまったソウルの食堂で、ここまで野蛮というか、原点に立ち返ったようなキムチチゲは珍しいかもしれません。
お店も古く狭く汚くで、神経質な人、新大久保辺りの韓国料理が本場の味だと勘違いしている人には絶対だめでしょう。
でも、韓国の家庭の味、普通の味とは、こういうものではなかったんじゃない?と改めて思い起こさせてくれるお店です。
くそ暑い昼下がり、薄汚い裏路地にあるにもかかわらず老若男女がひっきりなしに訪れる風景。
名店というものは決して味だけの問題ではないこと、日本人に都合のいい味ではないことを、はっきりと伝えてくれる稀有なお店なのかもしれません。
お値段はかなり安いといえますが、量があるので、ちょっと覚悟した方がいいと思います。
日本人観光客にとって都合のいいイメージで糊塗されてしまうことを否定しているような、良くも悪くも純韓国的なお店だと思います。
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