五日市で知られる旌善(チョンソン、江原道)で、深まりゆく秋の一日を楽しんできました。
出発は、清涼里駅午前8時10分発のアウラジ行きムグンファ号。前回、太白に行った時と同じく中央線→太白線を走るルートですが、今回乗ったのはO-trainではなく旌善観光列車。旌善で市の立つ2と7の日に1往復運行されます。
ミンドゥン山駅で太白線と別れて旌善線に入り、そのまま北上します。しばらくすると紅葉した山が近づいてきます。
旌善駅には11時58分着。乗客のほとんどがここで下車します。
駅前から市場まで、バス(1200ウォン、T-money使用不可)で5分かからないくらいです。市場に着いてまずは昼食を、ということで注文したのはソウルナビの記事にある旌善の郷土料理・コンドゥレパプ。空腹のうえにさっぱり味なので、幾らでもいけそうです。天高く馬も人も肥える食欲の秋です。
1966年から始まった旌善の五日市はまだ50年足らずの歴史です。しかし、昔ながらの市場の面影をとどめ、郷愁を誘うということから高い人気を得ているそうです。
地元で栽培したナムルなど農産物、薬草、食材、食品を無造作にザルに盛り、その前でアジュモニが売っています。実演販売のコーナーや工芸品、生活雑貨もあります。この日もすごい人出で、狭い通路が混み合っています。
わたしには、ソウル近郊の城南や陵谷の五日市と、雰囲気はそんなに変わらないと感じられたのですが…。
午後1時から、市場内の広場で旌善アリランの公演があります。大勢の人が集まってきて、広場の周りを取り囲んでいます。旌善アリランは、数あるアリランの中でも歴史が最も古く、アリランの嚆矢と言われています。
♫アリラン~アリラン~アラリヨ~~。遠い過去から口承で歌い継がれてきた旌善のアリラン。朗々と歌い上げながらも、哀調を帯びた歌声が地方の素朴な市場に流れていきます。
キム・ギドク監督の映画に、輪廻転生を描いた「春夏秋冬そして春」という作品があります。その中で、監督自ら演じた冬の苦行シーンに重ねて、切々と流れていたあの歌が旌善アリランです。
2時からは、郡庁前の文化芸術会館で旌善アリラン劇・「メナリ」が上演されます。
仙女ときこりの男性との出会い、別れそして再会をミュージカル仕立にしたものです。エンディングはもちろん旌善アリラン。アップテンポな旌善アリランの大合唱が会場を盛り上げます。
入場料5000ウォンですが、五日市などで使用できる5000ウォン分の商品券がもらえます。
帰りは、旌善市外バスターミナルから平昌、横城などを経由して3時間40分、バスに揺られて東ソウルターミナルに戻ってきました。
*五日市やアリラン劇などを見て回る旌善シティツアー(8000ウォン)もあります。
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