済州道民俗自然史博物館(済州島)

チェジュドミンソッジャヨンサパンムルグァン제주도민속자연사박물관

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済州市内にある博物館!ここに行けば、済州の自然と民俗の歴史が早分かり!

こんにちは!ナビです。今日は済州島(チェジュド)にある済州道民俗自然史博物館をご紹介しましょう。こちらは1984年に開館した済州市内にある博物館。島固有の民俗遺物と自然史の資料約32000点を収集し、調査・研究する一方、その一部を展示して島の歴史を今に伝えています。館内は海洋生物と地質岩石、動植物などの歴史を立体的に紹介する自然史展示室 、そして済州に住む人々の生活、食事、文化など分かりやすく紹介する2つの民俗展示室があり、野外には昔からさまざまな用途に使われてきた済州島固有の火山石を展示した野外展示場が広がっています。ではさっそく中へご案内しましょう!

○自然史展示室

こちらは大きく海洋生物生態館、地質岩石展示館、陸上生態館に分類され、各コーナーにはさまざまな模型や剥製などが展示されています。
<海洋生物生態館>
入口すぐのところにあるのが、水族館にやってきたような大きな海底模型。ガラス張りになっていて、その向こうに済州島沿岸で採集される魚介類が350点ほど展示されています。横に長くて目立つ魚は全長4.5mという巨大な魚、サンガルチ(リュウグウノツカイ)。そのほか、コレサンオ(ジンベイザメ)、今でも済州グルメの代表的な食材として使われるチョンボッ(アワビ)、オクトム(甘鯛)、キオジンオ(ソデイカ)なども。
<地質岩石展示場>
海洋生物生態館のすぐ横に広がっているのが、地質岩石展示館。まずは約120万年前から始まったとされる済州島の形成過程を5段階に分けて紹介。また火山島としての済州の紹介コーナーでは、死火山が多い済州の火山が噴火する場面や化石、そして済州の観光地として知られる萬丈窟(マンジャングル)の縮小模型なども展示されています。
<陸上生態館>
こちらは通路の両側に動植物の標本が展示され、済州の生態系がとても分かりやすく紹介されています。漢拏山のキノコ類、済州の特産品として知られるミカン、昆虫、動物の骨格などその数約560点。中でも最後の方に出てきた熊にはナビもびっくり。

○民俗展示室

民俗展示室は大きく第1、第2展示室に分かれ、展示品は全部で約2380点。特に第1展示室は今でも韓国に伝わる旧正月、秋夕などの名節や法事の料理、祭り、厄除け、昔の庶民の生活などが模型などで紹介され、ソウルにある民俗村とはちょっぴり違う済州ならではの慣習、風習が分かる興味深い展示室になっています。

<第1民俗展示室>
済州島が変遷してきた歴史を紹介するコーナー、そして済州に住む人々の生活・文化コーナーに分かれています。中央は1~2階が吹き抜けになっていて、帆のついた船や、テウという網釣り用の船の模型が高く伸びています。また1階には民家を再現したものなども展示されています。
昔から水が貴重だった済州。水汲みは大切かつ欠かせない仕事で、いつも女性が行っていたそう。実はナビもこの水瓶だけ担いだことがあるんですが、これだけでもかなりの重さ。これに水が入り、さらに歩くとなると、かなりの重労働だったのでは…と思ってしまうところ。この女性が水汲みしている姿は、博物館の入口前に石像があるほか、あのトルハルバン(おじいちゃんの石像)と同じぐらい島のあちこちで見かけることができますョ。
出産祈願、特に跡継ぎの男の子を望むために、その象徴としての唐辛子をぶら下げたりするのは韓国どこでも同じよう。
旧正月や秋夕など、今でも韓国で行われる行事。その時のお供え料理ですが、済州はソウルと少し違い、メインのテーブルの両側に2つのテーブルを置くのが昔からの風習だとか。その他、冠婚葬祭の儀式も紹介されています。
済州島で昔から食べられてきた料理がズラリ。やはり四方を海に囲まれた済州ならではの、海の幸を使った料理が目につきます。もちろん、ナムルやキムチ、煮物やスープなどお馴染みの韓国料理もありますが、済州固有の家庭料理も多いよう。ソウルで見かけない料理についてスタッフに聞いてみると、済州では今でも一般家庭でよく食べられている料理なんだそう。
衣装や道具が飾ってありますが、気になったのは韓国の大河ドラマでよく出てくる黒いノッポ帽。横には製作課程の説明だけでなく当時の写真なども展示され、よく見てみると、あの帽子の材料は馬の尻尾だとのこと。足の短い済州土俗の馬の長~いしっぽを使って、細かく編みこんだものだとか。ちなみに、この帽子も庶民の女性たちが作っていたそうですよ。
巫堂(ムーダン)によるグッ(祈りの儀式)のお祭りは今でも済州で行われているとか。

巫堂(ムーダン)によるグッ(祈りの儀式)のお祭りは今でも済州で行われているとか。

力仕事には必ず女性が。ほんとに済州の女性は力持ちで働きモノの方が多いよう。

力仕事には必ず女性が。ほんとに済州の女性は力持ちで働きモノの方が多いよう。

<第2民俗展示室>
こちらは済州の生活の様子が紹介されています。もともと火山帯だった島は岩が多く、農業には向かない土地だったそう。そんな中で工夫して稲作をする様子や狩猟、そして海女の様子もこちらで紹介されています。特に済州には今でもたくさんの海女の方がいらっしゃったり、狩猟場があったり、その生活の一部が残っているような気がします。ただ時の流れを感じさせられるのは服装。海女の方たちも昔は布で作った短パンとターバン?!のようなものを巻いて潜っていたようですね。

○野外展示場

博物館の外にでると、自然の中にさまざまな形をした火山石や岩石が並んでいます。特に石物展示場には昔から済州の人々の生活の中で使われてきた特色のある生活道具を展示。守り神の役割を果たした顔型の石、豆・麦などの穀物を挽くための臼、そして貴重な水を運ぶ石の水瓶など、小さいものから特大サイズまで大きさ・用途・形の違うさまざまな石が100点ほど並んでいます。またトンテジ(糞豚)といわれる黒豚は昔から済州の土俗豚として有名ですが、こちらにホンモノのトンテジ君もいました。もともとトンテジとはその名前の通り、トイレのすぐ後ろに豚小屋があり、排泄物を餌にしている豚のこと。その昔のトイレ&豚小屋を再現したところもありますョ。
いかがでしたか?こちらは市内にあって場所的に行きやすいだけでなく、多くの資料をもとに済州の歴史や文化が分かりやすく紹介していて、とても興味深い博物館でした。地元でも学習の場として利用されているらしく、地元の学生さんたちがたくさん訪れていましたよ。ナビは博物館のスタッフの方の説明を伺いながらまわったんですが、館内は模型や剥製などが多く分かりやすいものの、説明を受けながら回るともっと興味深い発見がたくさんあるかもしれません。以上、ナビでした。

記事登録日:2008-06-19

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スポット登録日:2008-06-19

スポット更新日:2012-06-11

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