文化駅ソウル284(旧ソウル駅舎)

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旧ソウル駅が「文化駅ソウル284」としてリニューアル!ジャンルを超えた総合文化スペースを隅から隅までご紹介!

こんにちは!ソウルナビです。復元工事を終えて2011年8月9日にオープンした旧ソウル駅が、「文化駅ソウル284」として、1925年完成当時の姿に戻って私たちの前に帰ってきました!「文化駅ソウル284」という名称は、文化・アート交流の中心を担う文化ステーション+史跡第284号という意味で、一般公募で採用されたもの。なので、ナビもこれからは「文化駅ソウル284」と呼ばせてもらいますね!現在は入場料を払うと中に入って自由に見学できるほか、さまざまなイベントが行われることもあるこちら。旧ソウル駅の歴史紹介や復元事業に関する資料展示もありますし、なんといっても建物そのものが見る価値大。場所はソウル駅のすぐお隣。今日はソウルナビが文化駅ソウル284を何倍も楽しめるよう、歴史もちょこちょこ紹介しながら隅々までご案内いたします!それでは、いってみよ!!

ソウルの歴史をちょこっと

1900年7月5日、漢江に初めて〝漢江鉄橋〟が完成し、ソウルの西大門と仁川の済物浦間を走る京仁鉄道が開通、この時作られた南大門停車場がソウル駅の前身です。1905年以降利用客増大のため、竜山駅から分岐していた京義線が南大門駅に連結し、1919年西大門駅が閉鎖。1923年には南大門駅の名称が京城駅(京城は統治時代ソウルの名称です。)に変わりました。
そして1925年、現在の位置に赤レンガの駅舎が新たに建てられました。統治時代、朝鮮戦争などを経て1974年には地下鉄一号線が開通し、ソウルの玄関口としての最盛期を迎えます。しかしその後は、自動車道の発達や自動車台数の増加、江南地域の開発などにより、求心力を急激に失っていきます。2004年には、高速鉄道KTXの開業に伴って新ソウル駅が完成、旧ソウル駅は、駅としての役割を終えました。建物の傷みも目立つようになり、しばらく不遇の時代が続いていましたが、2009年から復元工事が始まり、二年の歳月を経て2011年8月9日に再オープンしました。
文化駅ソウル284事務局提供

文化駅ソウル284事務局提供

こちらは「文化駅ソウル284」の前に立っている銅像。この人は誰?と気になると思いますが、抗日運動家・姜宇奎の銅像です。1919年、現在のソウル駅近くにあった南大門駅で斎藤実・朝鮮総督に向けて爆弾テロを実行した人物。ちなみに兄弟分とも言える東京駅にも、原敬首相暗殺現場や浜口首相遭難現場などの案内板があったりします。
お待たせいたしました!ではでは、中へ入ってみましょう~~^^
ソウル駅というプレートははずされています。

ソウル駅というプレートははずされています。

入り口

入り口

1階

吹き抜けの中央ホールは、昔荷物引き受けカウンターがありました。左右には重厚な印象の石柱があり、重厚な雰囲気に包まれています。
8m×8mのステンドグラス。復元のメインともいえますがレプリカです。カンガンスルレという韓国の伝統ダンスをモチーフにしています。一般公募でステンドグラス職人を選出して製作しました。
オリジナルは、朝鮮戦争時の損傷がひどく、また老朽化も著しかったので原型保存となっています。
この販売コーナーで切符を買われた方も多いと思います。現在は音声ガイドレンタルコーナーになっています。ガイドは韓国語と英語のみ。日本語のサービスを待ちましょう!
ドアやドアノブ、階段など細かいところにも装飾が行き届いています。
ドアノブ

ドアノブ

階段の装飾

階段の装飾

ドアの下方部分

ドアの下方部分

第1.2待合室
以前使われていたシャンデリアを活かしたイ・スギョンのパフォーマンス、〝一番ステキな彫像〟シリーズなどの作品が鑑賞できるスペースになっています。
予備貴賓室
VIPのための食堂兼VIP関係者のためのスペースです。ここでは、オ・インファンの〝BODY-WORD〟なるアート作品が設置されています。窓辺のレトロなソニーのラジカセが目を引きます。
貴賓室
李承晩大統領や朴正煕大統領が、地方出張する際に使われたVIPルームです。中央の暖炉には、〝私たちはみんな旅行者〟というメッセージが。ウ・スンオクの〝待合室〟という作品です。ヘッドフォンがぶらさがっていますが、これはイ・ブルという人の作品。貴賓室や予備室、駅長室などは、今回の復元により初めて一般公開されたものになります。
白と黒のコントラストできれいですね。

白と黒のコントラストできれいですね。

廊下にも何気なくアート作品が。

廊下にも何気なくアート作品が。

駅のホームが見えますね。
3等待合室
昔一般乗客が使用していた待合室です。こちらは多目的スペースになっていて、現在は写真展が開かれていました。このスペースは、作品保護のため写真撮影禁止ですのでお気をつけください。

野外休憩所
昔、国軍旅行将兵案内所と呼ばれ、軍関係の施設があったところです。
さらに奥にはRTO(米軍関係の施設)公演スペースがあり、毎週土曜日は国内インディーバンドのライブが行われています。
ここは、最小限の整備にとどめてあって、むき出しの配管や朽ちた壁なんかがそのままなのだそうです。ライブ以外の日は中は見れないようです。

それでは2階にまいりましょう!

2階

化粧室と理髪室
復元事業の資料コーナーになっています。
赤レンガの壁や、木組みなどから時間の流れが感じられます。
どの部分に使われた窓枠でしょうか。

どの部分に使われた窓枠でしょうか。

造りがよくわかりますね。

造りがよくわかりますね。

電気系統

電気系統

ソウル駅は、東京駅によく似ているので辰野金吾が設計したとおもわれがちですが、違います。設計者の一人である東京帝国大学教授・塚本靖が辰野金吾の弟子だったため、人々に誤って伝わっているようです。それと、建築家ゲオルグ・デ・ラランデ。彼は、朝鮮総督府庁舎や、神戸にある風見鶏の館の設計者として有名です。本当のところ、駅舎は誰が設計者なのか確実にはわかっていないのだそうです。
きれいなレリーフ。

きれいなレリーフ。

実際に使用されていたシャンデリア。

実際に使用されていたシャンデリア。

どの部分だったのでしょうか。

どの部分だったのでしょうか。

準備室・配膳室(写真はエレベーターのみ)
地下にあった調理室から、運搬用の簡易エレベーターで料理を受け取り、こちらから大食堂へと運ばれました。
地下の調理室は非公開で、事務所として使われているそうです。
大食堂
洋食レストランの代名詞とも言えるソウル駅グリルがあった場所です。詩人の李箱や、小説家朴泰遠などのモダニストが、食事を楽しんだ場所としても有名です。当時、壁の木板一枚一枚にレリーフが貼ってありましたが、今は一部になっています。天井及び壁面はもともとテラコッタ色でしたが、重い印象を受けるということで白色に塗り替えられました。すっきりしたのはいいのですが、韓国の伝統とアールデコが絶妙にミックスした文様が一部にしか残っていないのは、個人的に残念に思います。
オリジナルの色。

オリジナルの色。

どこからか、食事を楽しむざわめきが聞こえてきそうです。

どこからか、食事を楽しむざわめきが聞こえてきそうです。

韓のレリーフが並びます。

韓のレリーフが並びます。

氷川丸の食堂にもどこか似ている雰囲気。

氷川丸の食堂にもどこか似ている雰囲気。

蔓のように見えるのは、実は電線です。

蔓のように見えるのは、実は電線です。

他、待合室、会議室、事務室、予備室などがあり、展示場として、また事務局として使用されています。
ノ・ジェウン〝あやしい乗客〟というアート作品。\n\n

ノ・ジェウン〝あやしい乗客〟というアート作品。\n\n

これもアート作品。

これもアート作品。


文化駅ソウル284事務局提供

文化駅ソウル284事務局提供

◎開館オープン記念イベント実施中!
2011年8月11日から半年間は、開館を記念した〝カウントダウン”というアートプロジェクトが進行中です。
この〝カウントダウン”プロジェクトには、旧ソウル駅が単なるキレイになった歴史的建造物としてではなく、複合文化スペースへと生まれ変われるよう、橋渡し的な意味合いがこめられているのだそう。駅舎内には、韓国を代表する35名の現代アーティストのアート作品があちこちディスプレイされ、インディーバンドのライブ、トークショーやパフォーマンス、関連映画上映ながどさまざまなイベントが行われています。
イベントの詳細内容はこちらになります。

いかがでしたか?ナビの横で30年ぶりにソウル駅を見に来たというご年配の方がいたり、建築的興味から細かいところを写真に収め続けて回る人、アート作品を意欲的に鑑賞する人、観光客、デートを楽しむカップルなどいろいろな人がいたりして、それぞれが「文化駅ソウル284」を楽しんでいました。また現在、この空間をさらに活用していこうと各業界からかなり有名な方たちが参加し、ディレクターとしてアイディアを出しあっているそうです。今はその準備段階で、何となくまとまりなく座りが悪いかもしれませんが、今後どんなふうに変化していくのか楽しみですね。以上、建築物担当ソウルナビがお伝えしました!

記事登録日:2011-10-07

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2011-10-07

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