韓国で唯一、韓国&海外の木彫刻専門の博物館!
こんにちは!ソウルナビです。韓国の伝統的なものに出会える街といえば仁寺洞(インサドン)!ショッピングやグルメはもちろん、ギャラリーや小さな博物館や美術館も点在し、アート心を刺激してくれる街でもあります。今日は、そんな仁寺洞にある博物館「木人博物館(モギンパンムルグァン)」をご紹介しましょう。こちらはあまり振り返ることのなかった先人の文化を後世に伝えてきたいと2006年3月に開館した博物館。朝鮮時代後期から近現代までの韓国、そしてアジア諸国の木彫刻品を約8,000点を所蔵しています。素朴で愛嬌のある木の人形がいっぱいあって、ほっこりするよ!と聞いたナビ、さっそく行ってみたいと思います!
人気観光スポット仁寺洞にあり!
「木人博物館」は、仁寺洞キルから一本入った静かなところにあります。蔦に覆われたレトロな建物は、1955年に建てられたもの。日本風の木造とコンクリート造りの建物がつながっていて新館と本館があり、新館と本館の1階はギャラリーとして、本館の2階は「木人博物館」の展示室として使用されています。
セメント袋が?中の様子は・・・
趣のあるエントランスから中に入ると、まず目につくのが天井。韓国最初のセメント会社の袋が一面に張ってあります。なんでも改築をする際に天井をはがしたら袋が出てきたのでびっくりしたとのこと。とても貴重なものなのでそのままにしてあるんですって。1階のギャラリーは現代美術の作品の展示がメイン。こちらだけを観る場合の入場料はなし。内容は1~2ヶ月のサイクルで変わるそう。
時代を感じさせる階段を上り、2階へ。「木人博物館」の入場料は2階の受付で払うようになっています(※1階で木人博物館の特別企画展が開催されるときは1階で入場料を支払います)。入ってすぐ左に特別展示室ではアジア各国の彫り物がディスプレイされ、ガラスケースの中には不定期で変わるコレクションが飾られています。窓からたっぷりと日差しが降り注ぎ、とても明るい雰囲気。特別展示室の奥が常設展示室になっています。
ところで木人って何?木人とは簡単に説明すると、朝鮮時代から冠婚葬祭で使用されてきた木彫りの工芸品のこと。人間をかたどったものだけでなく、想像上の動物から動植物を模した木彫りまですべてを指しています。儀礼や祭り、年中行事などの非日常的な場で、そして民衆の日常の場で親しまれてきました。学術的な研究が進んでいないため、残っているのも朝鮮時代後期以降に作られたものだと言われています。
それではどんな木人があるのかな?
■輿(こし)を飾る木人
朝鮮時代の後期、主に身分の高い人のお葬式のときに棺を喪輿(サンヨ)という輿にのせて土葬する場所に運んだのですが、その喪輿を飾っていたのが龍首板(ヨンスパン)や木人でした。喪輿の鳥や花、龍などの飾りもとっても色鮮やか!普段はばらして保存されていたので、あちこちに組み立ての目安が描いてあります。近現代になると洋服を着た木人も現れるなど、時代の流れも見ることができます。
■宗教関連の木人
お寺や神堂などで見られる木彫刻品の展示。大きな木の魚は魚板と呼ばれるもの。一日に一度だけ叩いて鳴らすもので、お寺で見たことがある方もいるのでは?また韓国の巫女さんたちを模した木人も。
■日常生活の中で使われた木人伝統的な結婚式のときによく見られるつがいになったカモ(アヒル)の置物や、お餅の型などの展示があります。かわいらしい動物の彫り物もいっぱい!
屋上庭園でほっと一息!
こぢんまりとしたスペースに並ぶ木人を思う存分眺めて楽しんだあとは、2階の受付で無料ドリンク(入場料に含まれています)をいただきましょう。コーヒー、オレンジジュース、緑茶からチョイス。天気がよければ飲み物を持ってそのまま屋上へどうぞ!お地蔵やいろいろな石造彫刻が迎えてくれます。仁寺洞一帯はもちろん、ソウルの街並みを眺めることができ、とても気持ちいい!
いかがでしたか?あの世に行っても寂しくないように、鮮やかな輿に棺を入れて明るく送り出すときのお供だった木人。昔の人々の生活や美意識が反映され、素朴で愛らしく、かわいいものがたくさんありました!静かな通りの路地にある博物館で、仁寺洞散策の一休みなんていかがでしょうか?以上、「木人博物館」からソウルナビがお伝えしました!