出撃前夜、アリランを歌い沖縄の海に日本人兵士として散っていった特攻兵 卓庚鉉氏の慰霊碑の除幕式
出撃前夜、アリランを歌い沖縄の海に日本人兵士として散っていった特攻兵、卓庚鉉氏の慰霊碑が彼の故郷である慶尚南道泗川市に完成します。その慰霊碑建立につくした黒田福美さんと一緒に日韓の平和と交流を考えるシンポジウムと除幕式が5月10日に行われます。
太平洋戦争が激化し、日本軍の敗色が色濃くなってゆくなか、「一億一心 火の玉」のスローガンを胸に、戦争の狂気に翻弄されながら誰もが「国のために潔く死ぬこと」を願っていた時代。日本統治下の朝鮮半島でも「内鮮一体」の号令のもと、多くの朝鮮の人々が日本の軍人・軍属として駆り出され、若人達はその青春の夢も命も犠牲にしていきました。
戦争を知らず、平和を享受している私達は、改めて平和の意味とその尊さを噛みしめ、二度とあのような悲劇を繰り返さないよう心に誓いたいものです。
「帰郷祈念碑」は日本兵として沖縄に散ったある朝鮮人兵士の慰霊碑ではありますが、同時に多くの犠牲者の冥福を祈るものでもあります。この除幕式とシンポジウムに参加することで、日韓が互いの文化を尊重し、世界へ向けて平和を発信する機会になればと思います。
1.シンポジウム ~「帰郷祈念碑」はいかにして建ったか~
黒田福美さんをはじめ、沖縄県「平和の礎」を建立した元沖縄県知事の大田昌秀先生、「平和の礎」韓国人犠牲者の調査を担当し、今回「帰郷祈念碑」建立の立て役者となった東大客員教授ホン・ジョンピル先生などを迎え、この石碑建立までの仰天秘話や平和発信事業に賭けるみなさんの思いなどを語り合います。
2.「帰郷祈念碑」除幕式朝鮮人兵士の慰霊碑を韓国の地に日本人が建立するとういのは前例がないもの。これには泗川市市長をはじめ地元の多くの方たちの理解と協力がなければ叶わなかったことです。モニュメントはこの主旨に共感した韓国を代表する彫刻家、高承観氏が自ら刻んでくださいました。
※写真は帰郷祈念碑建立実行委員会事務局様からご提供いただきました。
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記事登録日:2008-04-17