脱北者と行く!板門店ツアー【板門店トラベルセンター】

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ソリちゃんの「板門店ツアー」体験レポート!

南北分断の歴史と今を自分の目で再確認!内容充実のJSA見学ツアー!

こんにちは!ソリです。まだまだ寒いソウルですが、今回ソリはソウルを飛び出してツアー体験レポをお届けしたいと思います!行って来たのは「板門店」。板門店は軍事境界線に囲まれた非武装地帯にあり、毎年たくさんの観光客が訪れる観光スポット。2001年に公開された「JSA」という映画(イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、ソン・ガンホ主演)でさらに有名になりましたよね。韓国に遊びにやってくるソリの友達や知り合いも「時間さえあればぜひ行ってみたい!」と言っている場所なんです。ソリも韓国に来る前に絶対に行ってみたいと思っていた場所がここ板門店。初訪韓した2000年に一度訪れたことがありました。月日は流れ、もう一度ちゃんと見学したいな?と思っていたので、今回ツアーに参加することを決定!その様子をさっそくご紹介しますね!
脱北者と一緒
「もう一度しっかり見学したいなぁ」と思ったことがツアー参加の理由だけど、もう一つの大きな理由が「脱北者と行く」というところに興味を持ったこと!今回のツアーには北朝鮮から亡命なさった方も参加するというんです。日本にいるときからテレビを通して脱北者の様子を映像で見たことはあったけれど、実際にお会いする機会なんてないですよね?そんなわけで「いろいろなお話が聞けるのでは?」と興味深く思ったことも大きな理由だったんです。
ツアー当日はここに注意!
このツアーの参加当日に気をつけなければならないことは、パスポートを持参することと、決められた範囲内の服装で参加すること!服装に関してはナビでの紹介ページにある通り、Gパン、Tシャツのまま、運動服、半ズボン、サンダル、ミニスカート・・・等は禁じられているので、規制をチェックしてから参加してくださいね。それでは集合場所である明洞ロッテホテルの「Panmunjom Co-Op Center」へゴー?!
行き方はこの通り!
1.明洞ロッテホテルのロビー前のエスカレーターで2階に上がり

1.明洞ロッテホテルのロビー前のエスカレーターで2階に上がり

2.左に回るようにしてまっすぐ進み

2.左に回るようにしてまっすぐ進み

3.建物の外に出る前、左手にあるガラスドアの場所です。

3.建物の外に出る前、左手にあるガラスドアの場所です。

中はこんな感じ!

中はこんな感じ!


まずはPanmunjom Co-Op Centerで参加受付を!
カウンターでは名前を聞かれて予約内容を確認します。この時パスポートも提示。スタッフの方はみんな日本語が上手?!チェックが終了すると、白いメモ紙にバスとシートの案内、そして今日のツアーの予定時間を書いて渡してくれました。(間違えないようにバスのナンバーまでちゃんと書いてくれましたよ!)ちなみにこの日は10時10分に受付場所集合、10時30分出発、終了時刻(到着時刻)は17時30分予定というスケジュールです。

バスに乗車!
受付場所のセンターからバスが出発する駐車場までは徒歩1?2分ほど。ホテルからの橋を渡ると駐車場の屋上につながっているので先ほどのメモを見ながらバスをチェック!この日の参加者は計27名。受付の時から人がたくさんいて「けっこう多いんだな?」と思っていたら、それでもこれは少ない方なんだそう。参加者は友達、親子、カップルなどさまざま!若い人もご年配の方も同じくらいいらっしゃいました。

オドゥ山統一展望台に向けて出発?!
バスが発車するとすぐにガイドさんが挨拶をして、さっそくガイドスタート!韓国の方ですが、日本語ペラッペラ!乗車後すぐ、そして何度も念を押されたのが「今日のツアー中は絶対にお酒を飲まないでください!」ということ。お酒を飲むことだけでなく、手に持っているだけでもダメだし匂いがするだけでもダメなんだとか。バッグにお酒が入っている方はガイドさんに渡すように言われます。お酒を飲んでそのまま亡命するといったよくない行動を起こしうるからなんだそう。バスでのドリンクを持参する人はお茶やジュースなどをどうぞ!

脱北者の方の紹介
ガイドさんから簡単な注意事項の説明があったあと、次は今日ご一緒してくれる「脱北者」ウォン・ソンエさんのご紹介。ウォンさんは北朝鮮なまりのまま、自分の名前や北朝鮮で住んでいた場所、2005年6月に夫と息子とともに船で亡命してきたことなどを簡単に話してくれました(ガイドさんがしっかり通訳してくださいます)。「脱北者」という慣れない響きにやっぱりいくらか緊張していたソリでしたが、こうしてバスの中で初めてお会いしたウォンさんは、穏やかでさわやかな雰囲気。北朝鮮ではアナウンサーをしていらっしゃったんだそうですよ。

そのあとは朝鮮戦争を中心とした韓国の歴史や、途中からバスの窓越しに見える有刺鉄線の意味などについてガイドさんが詳しく説明。今回脱北者の方が参加されていることもあり、脱北者についての話もたくさん盛り込まれていました。たとえば北から亡命してきた脱北者の人に韓国政府が支給する「定着金」など、さまざまな援助についての話など。その一方で就職難などから生活に馴染めず苦労をしている脱北者の現状についての話もあって盛りだくさん。途中に挨拶を挟んだとはいえ、気づいたら出発してからの40分間、ガイドさんはずっとしゃべりっぱなしでした?!「バスの中では寝ていればいいや」と思っていた方、こんな感じでガイドしてもらえるので前日は睡眠をしっかりとってきたほうがツアーを満喫できると思いますよ?。

オドゥ山統一展望台に到着!
ロッテホテルを出てから50分ほどで最初の目的地、オドゥ山統一展望台に到着しました!外に出ると・・・濃霧が・・・周りが真っ白でよく見えません。今朝家を出るときには雨が降っていたので嫌な予感がしていたのですが、やっぱり霧が出ていました(涙)。「今年に入ってから初めてですね、こんな濃霧」とはガイドさん。「なんでよりによって今日なのっ!」・・・とここで文句を言ってもしょうがないですけどね。ここに到着してまずはじめにしたのが全員による集合写真撮影。写真を撮ったら展望台の中へ!ここは入口と出口が違うので、必ずガイドさんと行動するように言われます。指示どおり2列になって行動!

最初は展望室から!
階段を上がって展望室に行くと、映画館のような席がズラリ。そこに座ると前にあるテレビから映像が流れ出し、展望台近くの北朝鮮地域の様子や生活の説明を聞くことができます(言語は選択できるようで、ソリ達の一行は日本語で)。内容は住居から農業の様子、自然環境に関してなど興味深いものばかり。北朝鮮はこの展望台(韓国側)から見える範囲は良い暮らしをしているように見せるため良い建物を建てたことや、その一方で燃料不足や飢えがある状況を説明。最後は統一実現を願うということで結ばれていました。映像が終わると前にある模型を使ってガイドさんが今いる場所、そして北朝鮮との距離についてなどを説明してくれます。

統一展示室へ移動!
丸い地形図を囲みながら、ここでも地理や位置関係についての説明を受けました。ここで脱北者ウォンさんのふるさとも確認。やはり話で聞くだけよりも、地図を見ながらの方がわかりやすい!

リアルな話を聞ける貴重な機会
次に行ったのが「北朝鮮展示室・生活体験コーナー」。このコーナーは北朝鮮の衣・食・住をはじめとした生活全般、経済、軍事、政治、文化などを図や実物の展示をもとに見学できるスペース。そしてここは今回のツアーの中でソリがかなりの醍醐味を感じたところ!なぜなら、北朝鮮に実際住んでいらした方から直接ナマの話を聞くことができるんですから!ここは「衣類」「教育」・・・というように展示項目が分けられているのですが、そこに一つ一つ足をとめながらみんなでウォンさんの話を聞くという流れ。
実は以前に一度このオドゥ山統一展望台に来たことがあったソリ。展示内容も見たことがあったけど、ウォンさんの話を聞きながら見学するとすごくわかりやすいな?としみじみ思っちゃいました。そして何より話がリアルで興味深い!たとえば金日成が亡くなった時の話。彼の死後1ヶ月は哀悼の期間として学校も授業が休みでみんな泣いて過ごしたそう。ウォンさんも涙がかれるまで毎日泣きつづけ、死を受けとめられない人は心臓発作で死んでしまった人もいたんだとか。また衣類の展示のところでは「どんなに食に困るほど貧しくても、(金正日の誕生日など)重要な行事のときに着るためしっかりしたきれいな服を庶民も一着は持っている」という話を聞いたりして、新鮮な話の連続。
学校の教室と家の中を再現したスペースでも、それに関するウォンさんのお話は止まりません。テレビのチャンネル数の話など、誰が聞いても身近な内容ばかり。ソリ同様、周りの人たちも話に聞き入っていましたよ?!

午後の見学に備えてしっかりランチ!
これで展望台の見学は終了!10分ほどバスに乗り、ランチの食べられる食堂へ向かいます?。メニューはプルコギ定食!これは参加費に含まれているので、他に飲み物や別の料理を注文しない限り追加料金を払う必要はナシ。「何名様ですか?」とガイドさんがグループごとに聞いてくれて席を割り当ててくれます。ちょうどお腹が空いてきたころだったので「待ってましたぁ!」とガッツリ食べちゃいました。甘辛い味付けが特徴のこのプルコギなら辛いものが苦手な人でも安心して食べられますよね♪
食事を終えて一休みしようかな?と思いながら辺りをぐる?っと見回すと、ウォンさんもお食事を終えて休憩していらっしゃいました。そこでウォンさんのテーブルに行って話を伺うことに!レストランに着く前のバスの中でガイドさんが「ウォンさんに質問があったらどうぞ聞いてください」と言ってくれていたけれど、そのときは何も考えがまとまっていなくて。脱北者の人は板門店までは一緒に行けないそうで、ここが最後のチャンス。ソリが聞いたのは、さっき展望台で話してくださった内容についての質問など(もちろんプライバシーやエチケットに違反しない内容)。全体に向かってお話してくださったときよりもさらに詳しく、そして親近感を感じる雰囲気で話してくださったウォンさん。内容もいろいろ勉強になることばかり。これ、すごく貴重な経験だなぁとしみじみ思っちゃいました。

いよいよJSAに向けて出発!
ウォンさんとはレストランでお別れをし、いよいよ板門店に向かってバスが出発?!ここでガイドさんから注意事項が。お酒を飲まない、写真撮影禁止、携帯電話を切る…といったことから、板門店では北朝鮮側に向かって指をささない、軍人の真似をしない、2列で移動する、といった緊張感の走る項目も。過去にあった事例を説明し、「走ることも厳禁ですよ!もしも走ったら、冗談でなく(亡命かと思われて)撃たれてしまいますよ」なんていうさらに緊張する発言も。そうそう、写真についても撮っていいと指示のあった場所でのみ撮れるのですが、ソリが6年前に参加したときには禁止されているゾーンでバスの中から写真を撮った人がいました。すると軍人がバスの中に入ってきてガイドさんといろいろ言い合うことになったり、しばしバスは動かなったりで大変なことに。もちろんフィルムも没収!とにかくすごく怖かった記憶があります。自分が来ている場所を考えて、ルールはしっかり守りたいものですよね。
途中「統一の関門」という部分でバスが停まり、入ってきた軍人にパスポートを提示してチェックを受けます。ガラス窓越しに外を見ると映画で見たようなアーミー柄のトラックがすぐ横に停まっていたり、勤務中の軍人達があちらこちらに見えます。さらにバスで少し進み、途中でバスから一旦降りて荷物点検もしました。外に出ると軍事訓練の銃音が聞こえてきたりしてちょっと緊張。さらにバスは進み、途中駐車場で下車して今度はUNのバスに乗り換え!このバスの中ではガイドさんも立ってガイドができないんだそう。窓から目に入ってくる景色と合わせて、そんなところからもJSAにやってきたことを実感!

ブリーフィングセンターで板門店の歴史をチェック!
バスが停まったのは「ブリーフィングセンター」。建物の中に入ると渡されたのが緑色の「ゲストバッチ」と「訪問者宣言書」。このゲストバッチは「万一戦争が起きても私は軍と関係ありません」ということを示すものだそう。衿など服の上方に目立つように身に着けなければなりません。そして訪問者宣言書は「万一戦争が起きても訪問者の安全保障はできず韓米ともに責任を負わない」ということなどを承認し、日付とサインを記入。配られたのでエンピツでサインしたけど、これエンピツなんかでいいのかな!?^^;そのあとはスライドを見ながらガイドさんの説明を聞きます。内容は南北分断や板門店の関連事件(ポプラ事件など)の歴史など。終了後は外にある国連加盟国の旗の前で2度目の集合写真撮影がありました?。

いよいよ板門店(JSA)へ!
またUNのバスに乗り、いよいよ向かうのは板門店!板門店は1953年朝鮮戦争の休戦協定が調印されたところで、北緯38度の軍事境界線(休戦ライン)を中心に南北各2kmにわたって設けられている非武装地帯の真ん中にあるところ。休戦以来南北会談の窓口となっているところで、行事がなければ本会議場にも入ることが可!ここではカメラ、ビデオなど決まったものしか持って行くことができないとガイドさんから説明されました。水やカサなんかもそれぞれ爆弾や武器に思われるので持ち込み禁止なんだそう。

まずは本会議場から!
ここは朝鮮戦争の休戦協定会議が行われた場所。板門店といえばこの会議場のイメージがありますよね。二列になって静かに行動して会議場の中へ!「うわっ、テレビで見たところだ!」な?んて小声で興奮する声がソリの後ろで飛び交います。真ん中にある大きなテーブルの左側には、サングラスをかけて人形のように固まった憲兵が警備中。その前にある国連の旗から向こう側が北朝鮮で、その話を聞いた時点でソリの立っているところは北朝鮮領域でした!この中では写真を撮ることもOK。ガイドさんの説明が終わるや否やみんな一斉にカメラを取り出して写真タイム!ソリも憲兵さんと写真を撮りましたが、警備の仕事中である軍人の横に一方的に並んで写真を撮るのって不思議ですよね・・・。なんというか、にっこりピース♪なんていう気持ちには全然なれなくて、終始緊張のままパチリ。ちなみにこの会議上の窓越しから外を撮ることも可能だそうですよ!

八角亭に上って360度を見回す!
今度は八角亭に上って上からJSAを見ることに。北朝鮮側の建物「板門閣」もよく見えるし、そこに立っている北側の兵士もしっかり見えます。この「板門閣」の建物の窓から人が動いているのを見ることもできるそうですが、反対に私達も常に向こう側から見られているそう!そのためここでも指さしは厳禁とのこと。さっき行ってきた本会議場の建物もすぐ近く。致命傷を負わないように&すぐにピストル応戦できるようにと建物に身を半分隠しながら警備する軍人の姿もしっかり見えます。あたりはし?んとしていてとっても静か。その静けさがこの場所の緊張感を表しているような気もしました。天気がよければ北朝鮮側の風景や、韓国に対抗して高さ160mの位置に翻る北朝鮮の国旗などを見られるはずだったのですが、霧のため視界不良。お天気の良い時に行かれる方はチェックしてみてくださいね。
八角亭の見学を終え、バスに乗って第三警備所に行く道では本会議所のすぐ横を通過!こんな近距離で写真を撮れちゃいました。

今度は第三警備所へ!
バスに乗ってすぐに着いたのが第三警備所。ガイドさんから旧板門店の位置や北朝鮮のキジョンドン村(兵隊以外一般人は住んでいないとされる村)の場所について説明を受けながら見学。写真では真っ白ですが、景色はかすかに見えました。天気がよければしっかり見えるはず!そして近くの芝にあるプラカードのような軍事国境線の標識を見ることもできました。ここでも軍人さんとの写真撮影がOK。写真のように、腕を回してもらっている人もいましたよ。

バスの窓からさらに見学!
バスに乗り込むと、バスの窓から「ポプラ事件の石碑」と「帰らざる橋」を見学。この「帰らざる橋」とは、1953年の朝鮮戦争休戦後に戦争捕虜が交換された場所。その時捕虜たちは北か南、どちらか1つを選ぶと2度と戻ることが出来ず、「帰らざる橋」という名前がついたそう。実際に見てみると普通の橋のような気がしてしまうけど、橋の名前からしてもすごく重たい意味のある橋ですよね。今日の霧のせいか向こう(北)側が霧ではっきり見えなくなっていて、なんだか胸が痛くなりました。

最後は売店で記念品を!
今日のツアーの中で唯一記念品などを買う時間をとられていたのがここのおみやげ屋さん。北朝鮮のお酒や「JSA」の文字が入ったTシャツ・ジャンパーなどから韓国伝統工芸品、アクセサリーなどいろいろ販売!JSA関連のグッズは板門店に来たという思い出の品になりそうですね。ソウルでは見かける機会が少ない北朝鮮のお酒がやっぱり売れ筋みたい。お店のスタッフさんはブランデーが一番人気と言っていましたョ。

見学終了!ソウルへ?
これで全ての見学プログラムが終了!バスに乗ってソウルへと向かいます。このバスの中では今日のツアーの中で2回撮った集合写真がミニアルバムとなったものを販売!写真2枚、そしてそのうちの一枚が本会議場をバックにした合成写真となって計3枚。板門店に関する説明も載っているアルバムで24,000ウォンでした。おみやげ同様、記念になりそうですね。

渋滞がなかったため、ロッテホテル前についたのは予定より早い17時ちょっと前くらいだったかな?無事に戻ってきました!帰りのバスの中でもずっと思っていたことだけど、今回のツアーは本当に盛りだくさんの内容でした!この機会を通して、普段の暮らしの中ではつい忘れてしまいがちな南北分断の緊張感を改めて感じることができたし、いろいろと見学して勉強できたのがすごく貴重な経験となりました。ソリはオドゥ山統一展望台も板門店も両方行ったことがあったにもかかわらず、ガイドさんのおかげで前回よりさらに充実した時間を過ごせて大満足。夕方には終わるツアーだし、終了後はそのままソウルの夜を楽しめるので、ソウルリピーターの方もビギナーの方も時間の都合が合えばぜひ参加されてみてはいかがですか?以上、ソリがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日 :2006-02-21

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