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韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の「国境」地帯

こんにちは、ソウルナビです。韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との間には、実は国境はありません。そこにあるのは軍事境界線(休戦ライン)。1950年に勃発した朝鮮戦争は1953年に休戦協定を結んで以来60年以上がたちましたが、いまだ2つの国は休戦したままなのです。これは世界史上で一番長い休戦といわれています。その戦争の最前線である軍事境界線は総延長240kmに及び、東の日本海(東海)から西の黄海(西海)まで朝鮮半島を南北に分断し、南北分断の象徴となっています。その軍事境界線を中心に幅2kmの地帯がDMZ(DeMilitarized Zone・非武装地帯)。この地域では軍の配備は禁止され、一般の民間人も入ることができません。

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この南北分断の象徴であるDMZにて1978年10月、あるトンネルが発見されました。このトンネルは北朝鮮が韓国へ侵入するために掘ったトンネルといわれ、南侵第3トンネルと呼ばれています。地下約75mにあるこのトンネルより1時間で1個師団兵力の輸送が可能と言われています。このトンネル以外にも、いままでに3つのトンネルが発見されました。第1トンネルは偶然に発見されたものですが、第2、第3トンネルは1975年に北朝鮮からの亡命者の証言によって発見されました。第4トンネルは1990年に発見されたものです。現在、発見されているトンネルはこの4つですが、実際には10個くらいトンネルがあるのではないかといわれています。

こんな見所があります。

<第3トンネル、都羅山方面>

■第3トンネル
第3トンネルは北朝鮮が韓国侵攻のために秘密裏に掘り進めていたトンネルです。現在確認されているトンネルは第1トンネルから第4トンネルまでの4つがあります。この第3トンネルは脱北者の証言により韓国が発見したもの。1時間以内に3万人もの武装兵力を通過できるほどの規模。現在、第3トンネルはツアーとして一般の外国人観光客に公開され、でトンネル内にはトロッコに乗り込んで内部へ降りていきます。(当日の状況によっては、徒歩となる場合があります。)

■都羅山駅と都羅展望台
都羅山駅は韓国が管理する韓国最北端の駅で、次の駅は北朝鮮の開城(ケソン)駅。しかし、こちらでは韓国最後の駅ではなく、北へ続く最初の駅と位置づけされ、将来は韓国の鉄道が中国やシベリア鉄道とつながり、都羅山駅から大陸への道が開かれることが期待されています!また、展望台からは北朝鮮の様子を直接自分の目で見ることができます。展望台からの写真撮影も可能ですが、このラインより前に出て写真を撮ってはいけないという黄色のラインが引いてあります。軍人が見ているので、写真撮影のときはラインを越えないよう気をつけましょう。

<鉄原方面>
■漢灘江観光事業所
第2トンネル付近の観光をするため手続きをする場所。事業所前には軍用機や戦車がたくさん展示されています。

■第2トンネル
1時間に3万人もの武装兵力を送り込めるだけでなく、戦車も通過できるほどの巨大なトンネルです。でも頭をぶつけると怪我をする可能性があるため、ヘルメットをかぶり、トンネルの中に入ります。このトンネルは1975年3月19日に韓国軍が発見し、その後トンネル内の確認作業を行っていた兵士8人が亡くなりました。ここには亡くなった兵士を弔う慰霊碑が建てられています。また、入口の横には朝鮮戦争が停戦して何日目かを知らせる表示があります。まだ戦争が終わっていない進行形である現実を痛感させられます。

■月井里駅
もともと鉄原(チョロン)駅と、現在の北朝鮮にある佳谷(カゴク)駅の間にあった簡易駅、月井里(ウォルジョンリ)駅。しかし南北分断により現在は非武装地帯の南方限界線にある韓国最北端の終着駅となっています。また駅には列車の残骸がそのまま残っています。この列車、北朝鮮が前の部分の車両を持っていったため、後ろの部分のみ残っているんだそう。

■鉄原平和展望台
展望台まで50人乗りのモノレールに乗車し、登っていきます。所要時間は3分ほど。展望台の1階には朝鮮戦争の惨状をを伝える映像を見ることができ、第2トンネルや軍のバラックの模型などが展示されています。2階にある展望台からは北朝鮮を眺めることができ、韓国側に広がる鉄原平野も見渡すことができます。

■旧労働党舎
朝鮮戦争の勃発まで、北緯38度線の北側が北朝鮮、南側が韓国でした。こちらは北緯38度線の北側にあり、この建物は朝鮮戦争前までは北朝鮮の労働党舎として利用されていました。現在、建物は近代文化遺産に登録され保存されています。焼け焦げた跡や爆弾の跡、戦車が通り過ぎながら壊した壁など、朝鮮戦争の惨憺たる現状が目の前に広がります。

<非武装地帯内にある村があります>
非武装地帯にはいくつかの村があります。これらの村に暮らす住民は税金を払わなくていいんだそう。そのかわりに24時間軍の監視下にあり、夜12時以降は 家の電気を消さなければならないという決まりがあり、また村の中にはマートがないため、買い物に行く場合は、昼間のうちに行かなければならないという不便 な点もあります。


非武装地帯は逆に人がほとんど入らないために動植物が保存され、皮肉ながらも「動植物のための平和な楽園」になっています。統一された暁にはこの地帯を自然公園として残しておきたい、そんな話もあるようです。1日も早く自然公園となる日を願っています。以上、ソウルナビでした。


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記事登録日:2000-05-14

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2000-05-14

スポット更新日:2012-11-02

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