韓国料理食べ合わせ~フグとセリ

相性ばっちり! ― フグとセリ

フグは、韓国では体がぽっちゃり太っていて背びれが短く、歯がするどくとがっている水中に住む豚として、ハドン(河豚)またはカントン(江豚)と呼ばれています。英語では、フグを釣ると音を出しながらお腹をふくらませ、それが丸いボールのように見えるということで「Puffer fish」、「Global fish」と言いますよね。フグに関係のある韓国のことわざをみてみると、恨みで歯をぎしぎし鳴らす様子を「フグが歯ぎしりしているようだ」と言うんですが、これはフグの性格が貪欲で、何にしてもむやみやたらに噛む習性のためについたものだそうです。表現がおもしろいでしょ?
フグの刺身が最高にうまいっていうのはみなさんご存じですよね?韓国のフグ料理店でフグを食べてみたくはありませんか?白いお皿にうすーく切ってのせられたフグのお刺身は、まるでお皿には何にもないように見えたりもします。そのお刺身の味は命とひきかえにしても食べてみる価値あり、とある人は言ったんですが、みなさんもわかるでしょ?フグ通の人達からの耳寄り情報によると、フグの味は秋の終わり頃から春のはじめにかけてが一番いいんだそうです!

フグは、脂肪が0.1%にも満たず、カロリーも低いほう。フグ100g食べても90kcalしかなく、しかも高たんぱくな食べ物なんです。だからフグは、いつも肥満に悩まされている人たちにもいい食べ物で、糖尿病や肝臓疾患を患っている人の食餌療法用としてもオススメだそう。また、脂肪が少なく良質のたんぱく質が多く含まれているので、一杯やった後のヘジャングッ(酔いざましのスープ)として食べたりと、人気があります。
フグを食べると、不思議と体内に蓄積している不要物が消え、耐えられないような冬の寒さも吹っ飛ぶぐらいだといいます。フグひれは、切ったひれを乾かさずにそのまま焼いて食べます。温めた清酒を注いだ杯に、焼いたひれを浮かべ、ふたをしてマッチの火をつけ、青い火が消えたら飲む、見たことがありますよね。フグは刺身もいいですが、乾かして食べても最高ですよ。

参考までに、フグの毒性は青酸カリより10倍以上も強いそうです。毒性が強い時期には、一匹が持つ毒で10人以上の命を奪うとか…。フグ中毒は食後20~30分、いくら遅くても2~3時間後にはあらわれるそうです。10分以内に死亡する人もいる一方、8時間生命を維持すれば、そのあとは回復するということです。みなさんも気をつけましょう。(ってどうすればいいんでしょう?)。

韓国ではふぐの刺身を食べた後は、ポッメウンタン(フグの身、野菜などを辛味をよくきかせて煮込んだ料理)にしてくれるのですが、セリをたっぷりいれて作るんだそう。その理由は、セリを添えると味が調和するだけでなく、解毒効果もある程度期待できるからなんです。韓国でセリは、血をきれいにする食品として知られて来ましたし、昔の文献によると、血圧降下、解熱作用、解毒、日射病などに効くということです。またカルシウム、カリウム、鉄分、ビタミンA・B・Cなどをたくさん含んでいて、独特な香味のもとになる精油成分は頭をすっきりさせ、健康な血液を維持する力を持っているんですって。さらに食欲を増進させ、胃腸の活動をよくし、便秘をなくしてくれたりもします。そういったセリが持っている解毒作用や様々な成分が新陳代謝を促進し、その上、フグの毒に対する抵抗力を向上させてくれるという面で、フグとセリはとっても相性がいいのです。
関連タグ:ふぐ料理フグ料理ポッセリ

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記事登録日:2000-06-19

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