みぽりんの芸術の秋。
こんにちは、皆様!みぽりんです。 芸術の秋。落ち葉を踏みしめながらソウル市内に出かけてきました。 今日ご紹介するアートは、「ロダンギャラリー」と「ホアムギャラリー」で開かれている「イー・ウファン_出会いを求めて」展です。 | イー・ウファンという芸術家をご存知の方いらっしゃるでしょうか?韓国で生まれ育ち、ソウル大学美術学部を中退してから日本に留学し、日本大学哲学科を卒業して画壇にデビューした、画家兼彫刻家兼美術評論家兼理論家なんです。現在は多摩美術大学の教授をされながら鎌倉市にご在住とのこと。日本と韓国の両国で教育を受け、アジアを代表する芸術家になり、世界各国の有名美術館に作品は展示されている。そんな韓国と日本の現代美術の先駆者的役割をされた方の、韓国国内初の大型回顧展です。 | それではまずは「ホアムギャラリー」に展示されているアートからご紹介しましょう。こちらは年代ごとに展示されていて、作風の変化が手に取るようにわかるので、美術に関心がある人はこちらへどうぞ。 「現象と知覚A」60年代後半 石とメジャーが三角を成しています。これはナンじゃろう??この???から始まるのがアートなのですが、石とは自然。メジャーは人工。そしてこの二つとの出会いを通して宇宙を感じるのです。 | 「点から、線から」70年代 宇宙をあえて表現すると、点と線になるのです。全てのものは点から始まり、線になっていく。。。この点と線シリーズによって、イー・ウファンの世界は動き出すのです。 | 「風と共に」80年代 動き出した点と線は風になってヒューヒューと舞い上がっていきます。 | *90年代になると「関係項」シリーズ(彫刻)と「調應」シリーズ(絵画)の二通りで表現されるようになります。 | 「関係項」シリーズ 90年代 石は自然、鉄板は人工を表します。世界は自然と人工の二つの関係によって構成されているので、これだけで世界が表現できるというのですね。 | 「調應」シリーズ 90年代 大きなキャンバスに描かれた点。描かれた所と描かれていない所の関係が重要で、点の存在によって余白が一層美しく見える。 | さてこれで一階の展示物は終わりです。日本の枯山水のような雰囲気もあり、韓国絵画のダイナミックさも感じられ、日韓両国の文化が交差しているということをしみじみと感じてしまいました。 2階はドローイングなど小型の作品が目白押し。そして日韓両国で刊行されたイー・ウファンの著作が展示されています。 ホアムギャラリーとロダンギャラリーは双子ギャラリーなので、この日も一枚の入場券で両方を見ることができました。ロダンギャラリーは小さいですが建物自体がとってもおシャレなので、展示作品がぐっとはえて見えます。暇つぶしにちょこっと寄って行こうという人にはこちらがオススメです。 「知覚と現象B」 入り口のすぐ横、綿の山がふかふかしていました。綿(人工)に囲まれた石(自然)。これも一つの世界なの? | 「現象と知覚B] ロダンギャラリーの象徴とも言うべき「地獄門」の前に展示してあって、インパクトがありました。特に石(自然)の下のガラス(人工)が割れているのに注目。 | 「調應」シリーズ シリーズになっていて、何枚も同じ題材で描かれています。 | 「関係項」シリーズ ここいらへんから家族で作品との関係を考えてみることに。 | 「関係項」シリーズ 積極的に作品に溶け込んで見ました。これは第三の芸術だと思いませんか? | 副題が「_出会いを求めて」なんだから、作品と観客が出会ってもいいんじゃないかしらなどど勝手に解釈して楽しんで見ました。一部の作品はロダンギャラリーの中庭に展示してありましたが、外に出して木や空と一緒に見ると一層面白いです。 | このように哲学が込められた作品は、理屈っぽい人には相性が良いらしく、うちの夫は大変感銘を受けていました。シンプルな世界観がたまらなく心地良いんだそうです。一方単純この上ない子供達は、「大きな紙にね、点がどーーんとあってね、それから石がごろごろあった。」と感想を述べていました。哲学に眼を開くのはまだ遠い先の話のようですね。そして私はイー・ウファンの作品の中に日本と韓国の2つの文化を発見して、とっても不思議な気持ちがしました。こうやって文化が行ったり来たりしながら、新しい文化が生まれてくるのでしょうか。韓国人が日本で作ったアートを、日本人が韓国で見る。日本国内で見るのとは趣がずいぶんと違うと思いますので、是非お越しくださいね!それではまた~~
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記事登録日:2003-11-04