仁寺洞伝統婚礼再現行事【2008年】

劇を通して伝統婚礼をお勉強!韓国の伝統公演も一緒に楽しめる無料イベント!

こんにちは!ソウルナビです。仁寺洞(インサドン)といったら韓国の芸術&伝統的な雰囲気を感じられるエリア。今日はその仁寺洞で行われている韓国の「伝統婚礼再現行事」についてご紹介したいと思います。日本では「ジューンブライド」なんていう言葉があるように、6月に結婚をする人が多いですよね。一方、韓国は暑い夏が終わって気候がよくなる、ちょうど今くらいの時期に結婚する人が多いんです。そんな結婚式日和のソウルで、ナビと一緒に韓国の伝統結婚式を見学してみてはいかがですか?!
場所は仁寺洞にある南仁寺ひろば(インサコリア横)。タプコル公園からも近い、ちょっとした広場になっているところです。この伝統婚礼式は朝鮮時代の婚礼を再現したもの。もともと何時間もかかるものを短縮し、分かりやすいように劇仕立てになっています。でも観るだけでは何がなんだか分かりにくそう・・・と思われた方!これは韓国語・英語・日本語でのアナウンスがあるので、どのような場面なのか分かるようになっているんですョ。
仁寺洞伝統婚礼再現行事【2008年】 3人で3ヶ国語のアナウンス!

3人で3ヶ国語のアナウンス!

これは行事開始前の1コマ。なにやら若い男性(右)が緊張した顔で真剣に説明を聞いています。実は、彼が今日の結婚式の主役!公募で選ばれた新郎新婦のうちの新郎。こうして行事のたびに選ばれたカップルが参加できるようになっているんです。新郎さん!今日の行事進行の説明、しっかり聞いてがんばって~!!
会場の雰囲気はこんな感じ。開始前から流れてくるのは韓国の伝統音楽!

◇いよいよ再現スタート!

1. 婚礼前の風習
まずは韓国語で「チュンメジェンイ」と呼ばれる仲人によって、新郎と新婦が出会うところから始まります。会場の左手には新婦の家、右手には新郎の家、という設定。この女性の仲人はその両家を行き来しながら、親を説得して若い2人を引き合わせようとします。新婦の家には「彼は力強くてね~」、新郎の家には「彼女はナイスバディよ~!」なんていうジェスチャーもあってわかりやすい^^
新婦の家

新婦の家

新郎の家

新郎の家

チュンメイジェンイ

チュンメイジェンイ

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結局新郎の家で結婚式をすることに。新郎側はサジュ(四柱:生年月日と生まれた時間によって運勢を占う資料)の書類を箱に入れて新婦側に送ります。そして、新婦の家からは結婚式の日取りが決めた書類を送り、新郎側が受け取ります。
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仁寺洞伝統婚礼再現行事【2008年】
次に新郎側は新婦側にイェムル(礼物)を送ります。結婚の前日に送られるこの礼物とは、采緞(チェダン)と呼ばれる青や赤色のチマチョゴリ用の織物のこと。それと一緒に婚書(ホンソ)と呼ばれる書状を箱の中に入れ、新婦側に送ります。家によっては絹織物や布団などを入れることもあったんだそう。
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仁寺洞伝統婚礼再現行事【2008年】
突然、「ハム サシオ~!(箱<函>買ってください~)」と威勢のよい声が!先ほどせっせと詰めた箱を結婚前に新婦側に届ける役目をする、「ハムジンアビ」と呼ばれる男の人たちの声でした。彼らは踊りながら新婦の家に近づきます。少しずつ進みながら「お金をくれ」だとか「酒をくれ」などと要求するので、新婦側は彼らにお酒をふるまったりお金をやったりしながら家まで来てもらうんです。最後は新婦側がそのハム(函)を買う、というおもしろい風習なんです。この劇でも新婦の母親や仲人が一生懸命彼らにお酒や餅をふるまいます。ハムジンアビは「もっとくれ!もっとくれ!」のジェスチャー!
仲人が踊りながら観客にもお餅を分けてくれる一幕も!ラッキーな人は味見できますョ。見に行ったときはアピールして食べさせてもらってくださいね♪ こうして函は無事に新婦の家に届けられました~!
2. 奠雁礼(チョンアンネ)
さぁ、ここからが婚礼の当日です!キロギ(雁)を受け取った新郎は、それを新婦の家に捧げに行きます。雁は一度縁を結ぶと生涯かけて相手との縁を大切にする、と言われている鳥。新郎はしっかり礼をして新婦の家に雁を渡し、新婦の母親はそれを受け取ります。これによって、新郎は新婦への永遠の愛を新婦の母親に誓うんですって。このあと新郎新婦の2人はそれぞれ式の行われる場所へ。極度の緊張のためか、新郎も新婦も動きがぎこちないのがほほえましい^^(観客がたくさんいるので無理もないですよね~)
3. 交拝礼(キョベレ)
式場には婚礼のために用意されたテーブルが置かれ、その上にはナツメなどをはじめとした食品が並べられています。そのテーブルの東側に新郎、西側に新婦が立ちます。新郎にも新婦にも付き添いの女性が2人、両サイドにピッタリ。この付き添いの人に手伝ってもらいながら、新郎・新婦はそれぞれ手を洗います。
そのあとは新郎新婦のチョルというおじぎ。まずは新婦側がチョルを2回。う~ん、身動きが大変そう!新婦が倒れてしまわないように、このときも横の二人がしっかりと支えます。そのあとは新郎がチョルを1回。新郎は地面に頭と手をつけるチョルです。続いて新婦がまた2回、そして新郎が1回チョルをしてこの儀式は終了。
4. 合根礼 (ハッグンレ)
日本には三々九度というしきたりがありますよね。この結婚式でもお酒を飲んで夫婦が一つになり、一緒に生きていくことを誓います。それぞれ3回お酒を飲み、3杯目は杯を交換して飲みます。
5. 成婚礼(ソンホンネ)
最後に式の進行役の人が成婚宣言をし、新郎新婦がお辞儀をしてあいさつ。このあと新郎新婦は初夜を過ごすべく、新婦の家へと帰ります。これで伝統婚礼の再現は終了!

◇祝賀公演を写真でチェック!

再現儀式の終了後は祝賀公演ということで、ブチェチュム(扇の踊り)とサムルノリ(民俗打楽器を使った演奏)の2つの公演を見せてくれました!

<ブチェチュム(扇の踊り)>
9人の女性が見せてくれた扇の舞。こんなに近くで見られたのはこの日が初めて!踊り手の方の優雅な動きを細かなところまで観察できますョ!
<サムルノリ(民俗打楽器を使った演奏)>
韓国の伝統公演として有名なのがサムルノリ。彼らにとっては会場がちょっと狭いかな?でも元気いっぱい動きながらの公演。サムルノリのリズムに会場もノリノリ!終了後は盛大な拍手が会場いっぱいに!
いかがでしたか?韓国にきておいしい物を食べたり、観光名所で楽しんだりする機会はあっても、結婚式について知る機会ってなかなかないですよね。伝統婚礼式なんて難しそう・・・なんて思ってしまいがちですが、それを劇にして見せてくれるのでとってもわかりやすい!しかも日本語でアナウンスをしてくれる上に、最後に近くで文化公演まで見られるなんてもう至れり尽くせり♪(おまけに無料ですヨ)この伝統婚礼再現は11月の27日(日)まで、毎週木・金・土・日に行っているので、仁寺洞での観光といっしょにぜひこの行事も楽しんでくださいね!以上、ソウルナビでした。
■伝統婚礼再現行事
催行日:2008年3月~10月までの毎週木・金・土曜日
時間:14:00~15:30
場所:仁寺洞 南仁寺ひろば(インサコリア横)
HP(韓国語):http://www.fpcp.or.kr/

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-04-01

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