谷みつのソウル特派員レポート・第5回「合い言葉は『パッビンス』」

「これが梅雨?!」という日々が、ソウルでは続いている。
梅雨だと言うのに雨は降らず、日中の最高気温は30度以上、ひどい時には最高気温が33度以上の日々なのだ。夜も午前3時まで24度という熱帯夜が何日か続いた。
台風の影響で久しぶりに雨が降っても、1日と続かず、すぐに暑い夏の日差しが ; ; ;。
ということで、今回はこの暑さにぴったりな食べ物を御紹介。
ソウルで夏の風物詩、といえばやっぱり「パッピンス」。
「パッピンス」は日本でいう『かき氷』に値する食べ物である。でも、かき氷の上に乗っている内容が、決して日本ではお目にかかれない物が多い。
まず、ある氷にあんこがかかっているところは日本『かき氷』と似ているけれど、ミカンやパイナップルなどの缶詰類、赤や黄色のゼリー、小さな白い餅、ミルク、ナタデココ(無い店もときたまある)が氷の上にかけられ、値段の高いお店ではスイカなどの果物やアイスクリームまでも乗っているのだ。 甘そうに思われるかもしれないが、思ったよりも甘くはなく、程よい舌かげんである。
「パッピンス」の食べ方は、混ぜて混ぜて混ぜて、食べる。
『ビビンパップ』を食べるが如く。
混ぜて食べると美味しい、そうである。
私は、混ぜて食べるよりも、氷の山を少しづづ崩して食べたいのに、韓国人の友達は「混ぜて食べなきゃ美味しくない」と言って私の「パッピンス」を混ぜようとする。混ぜようとする友達と、それを阻止する私。
「混ぜた方が美味しいかな」と思いながらも、意地でも混ぜずに食べてしまう……。
この「パッピンス」、なんとファーストフード店にもあるのだ。
日本のファーストフード店に夏だからといって「宇治金」や「いちご」かき氷があるだろうか ? !
「ロッ○リア」にも「ケン○ッキー・フライドチキン」にも、『テリ○キ・バーガー』や『ピリ○ラ・チキン』のとなりに「パッピンス」のメニューが掲げられているのだ。
その上、今の季節、これらファーストフードにはハンバーガーを食べに行く客よりも、「パッピンス」を食べに来る客のほうが多いほどだ。なんたって、ほとんどのファーストフード店で、日本かき氷と同じ大きさぐらいの「パッピンス」が1500ウォン(約150円)で食べれちゃうのだ。食べなきゃソン。
ということで、ソウルの暑い日々、私は「パッピンス」を食べて暑さをしのいでいる。今年の最高記録は4日連続「パッピンス」。
「パッピンス」を食べている時だけ、ソウルの夏が暑くてよかったな、と思える今日この頃でした。

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皆さんも、ソウルへおいでたらぜひパッピンスを食べてみて下さい。
「パッピンス、ハナ・チュセヨ(パッピンスを一つ下さい)」
あなたを涼しい世界に御連れします。

※おまけ
ソウル市内にある某ケーキ屋さん(Mゴ)には、普通の「パッピンス」とラズベリーの「パッピンス」がある。 ラズベリーの「パッピンス」は餡子(あんこ)の代わりにラズベリーのソースや、イチゴソースがかかっていて、甘酸っぱくてこれまた美味しい。 このお店はケーキもさる事ながら「パッピンス」類もなかなかおいしいのである。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-07-13

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