谷みつのソウル特派員レポート・第6回「こんな所に、日本のマンガが!」

「花より男子」。韓国語でも「花より男子」。

「花より男子」。韓国語でも「花より男子」。

テレビが故障して、2週間以上が過ぎた。
やっぱり、20000ウォンの中古テレビはなんぼなんでも安すぎたのだろうか。 買って1ヵ月も経たないうちに、電源のチャンネルを回しても、うんともすんともいわなくなってしまったのだ。(ちなみに、このテレビ、チャンネルをガチャガチャ回すテレビ。今時、日本では無いだろうな……。)
テレビが無くなると一気に時間が増え、というか時間を持て余し、ラジオを聞くようになった。でも、少したつとそれも何か物足りなくなり、そこで思い浮かんだモノが『マンガ』であった。
韓国には、レンタルビデオ・ショップのようにレンタルマンガ・ショップなる物が存在する。レンタルマンガ・ショップとして独立している物もあれば、私のよく行くビデオショップのように、ビデオと一緒にマンガもレンタルしている店もある。 私が行ったところでは、マンガ1冊 1泊2日 300ウォン(約30円)。延滞料1日100ウォン。(ちなみにビデオは 新作1泊2日500ウォン。大学の近くなので安い。住宅街になると1泊2日2000ウォン弱。)
「ドラエモン」。フォントもなんとなく似ているような。

「ドラエモン」。フォントもなんとなく似ているような。

マンガがビデオのように壁一面にズラーと並んでいる。 と、ここまでは何も無かったのだけれど、ズラーと並んでいるマンガを見て驚いた。マンガのほとんどが、韓国のマンガではなく、日本のマンガだったのだ。 『花より男子』『おたんこナース』『スラムダンク』『ドラえもん』 韓国には、日本のマンガが多いとは聞いていたが、こんなにあったとは。 題名は韓国的に直されてはいるが、マンガ内容は一緒。ただ登場人物が韓国語を喋っているところが違うだけだ。
さっそく鈴木由美子の『カンナさん、大成功です』を借りて帰った。
『カンナさん、大成功です』は韓国の題名だと『美人は大変!』。マンガの内容は、やっぱり日本的なのだけれど、自動販売機で「おしるこ」を買って飲むシーンが「シッケ(韓国の甘酒)」になっていたり、ところどころに韓国の雰囲気が漂ってとてもおもしろい。韓国人の友人に見せると、彼女も涙を流しながら笑っていた。
韓国でも、日本のマンガは大人気。 夕方には『カードキャプター・さくら(韓国版では「さくら」ではなく「チェリー」)』や『ドラゴンボール』に『クレヨンしんちゃん』などなどが放映されている。昔から日本のマンガは韓国でも放映されていたそうで、『キャンディー・キャンディー』は今30代の人たちもよく知っているマンガだそうである。 けれど、こうやって日本のマンガ本が社会的に認知されてからは未だ日が浅いそうだ。つい最近まで海賊版が出回っていたという。それが今では大型書店にも日本のマンガが堂々と翻訳され韓国のマンガと肩を並べ、人気を博すようになった。本当に日本の文化が開放されつつあるのだな、とつくづく感じた。
そう言えば、昔、香港に旅行した時、広東語の『稲中卓球部』を見て、ビックリした事を思い出した。この驚きの広東語『稲中卓球部』は今も大事に私の本棚に飾ってある。 今度は、韓国語の日本マンガを何か買って帰ろうかな……。

※今回のお・ま・け

※私が今はまっている「辛いセウカン」(韓国版かっぱ○○せん)です。
一度食べたらやめられない。ホント。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-08-01

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