谷みつのソウル特派員レポート・第9回「韓国のCDについて」

韓国に来てすごく増えたものの一つに、音楽CDと音楽カセットテープがある。 なぜ増えてしまったかというと、日本に比べてとにかく安いから。
CDは、アルバム1枚10000ウォン(約1000円)前後で日本の3分の1ほどの価格だ。また、韓国ではMDやMP3が流行っている中でも、まだまだ音楽テープの人気が根強く、アルバムと同じ内容のカセットテープが5000ウォン前後でCDショップで売られている。(日本でも昔はカセットテープがたくさん売られていたのだけど、今はすっかり見かけませんね)その代わり、といっては何だけど韓国にはシングルCDが売られていない。だから歌手が新曲を出す、ということは、アルバムを出すという事に等しいのである。
韓国のアイドル歌手でアルバムCDが1枚10000ウォン弱。フィーリング・ミュージック、クラッシック音楽、国楽、外国歌手などのCDが一般的に1枚11000~15000ウォン。カセットテープもCD価格に比例した価格で売られている。
去年まではそんなでも無かったけれど、ここ何ヶ月間で日本の音楽家のCDがどどーっと増えてきた。これまでにもでも、世界的に活躍しているYUKI KURAMOTOやRYUICHI SAKAMOTO等のフィーリング・ミュージック系CDは韓国人も絶大の人気があったが、それ以外のポップスも少しづつ人気が出て来ているようだ(注:一般CDショップでの話) ドリームズ・カム・トゥルーや、先日、韓国で公演を成功させたチャゲ&飛鳥のCDも店頭に並びだした。しかし、まだ日本語での歌詞のCDは認められていなくて、歌詞は英語で歌われているらしい。つい最近見つけたCDでは小野リサ、小室哲哉やYOSHIKIの選んだクラッシク特集などあり、そうそう、ゴンチチを見つけた時にはすごく感動したよ……。
国楽のCD、しぶい。

国楽のCD、しぶい。

先に書いた『国楽』は韓国の伝統音楽である。 韓国の伝統楽器には伽耶琴などの琴、プックという太鼓、ピリという縦笛、等など、たくさん種類がある。どの楽器もなんとなく日本の伝統楽器と似通っている。不思議。 音楽の種類は、太鼓や鐘を打ち鳴らす農楽から、琴だけを使ったもの、パンソリという歌と太鼓だけの音楽などほんとに多種多様である。
「シュリ」のサントラ。

「シュリ」のサントラ。

今、私がはまっている物は、日本でもお馴染みの映画『シュリ』の主人公ハン・ソッキュが出ている映画『ウネンナム・チンデ(イチョウの寝台)』のBGMに使われた伽耶琴である。少し寂しい音色だけれど、伽耶琴の音色を聞くとすごく落ち着くことが出来るのだ。少しオススメの音楽。
韓国のポップスで、今流行っているのは、チョ・ソンモの『アシナヨ』にパク・チヨン『ソンインシキ』、流行っているかどうかはわからないけれどソ・テジの歌。ピンクルも活動を開始したのでこれからいろんな所でピンクルの歌を聴く事ができるだろう。
ソ・テジのことはソ・テジが帰韓して初めて知った歌手なのだけど、彼は昔、韓国の音楽界の常識を覆し、歴史を作った人らしい。でも何年か前に引退して、アメリカに行ってたけど、今回、カムバックして、アルバムを発表しに韓国に戻ってきたのだ。ソ・テジが韓国に戻ってきた日、キンポ空港にはファンが何千と人が迎えに集まり一騒動だったとか。引退して何年も経つのにファンがまだ何千人といるところに、ソ・テジのすごさを感じるね……。それに、ソ・テジのファンになり韓国へ留学する日本人ファンも多いらしい。
♪ただ今のBGM、キム・ミンジョン♪

♪ただ今のBGM、キム・ミンジョン♪

1年半以上も韓国に住んでいると、聴く音楽はほとんど韓国の音楽で、持っているCDも半分以上いや、3分の2以上が韓国のCD。ノレバン(カラオケ)で歌う歌ももちろん韓国のポップス。 こりゃ、CDやカセットテープの安さだけが要因じゃないかもね。
こうやって留学生は韓国色に染まってゆくのであった。

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記事登録日:2000-10-11

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