谷みつのソウル特派員レポート・第15回「街がざわつき始めている。」

街がざわつき始めている。
そう、今年もあの日が迫って来ているからだ……。
2月14日。そう、あのバレンタインデーが!!!
韓国のバレンタインデーも日本のそれとおなじく、女性が男性にチョコレートをプレゼントする。しかし、似通ったイベントを行う日韓(韓日)バレンタインデーだけれど、箱を開けるとこれビックリ。
2月に入ると、ファンシーショップや花屋にスーパー、この日まではいたって普通で合った店先までにもカゴが積み上げられ始める。このカゴ、パステル色の布にくるまれ、持ち手にまでもかわいいリボンか掛けられていおり、もしコウノトリが赤ちゃんを運んでくるのならこんなカゴに入れて運んでくるのかも、と思わせるほどのフリフリぐわいである。 このカゴ、一体何に使うかというと――バレンタインデーの日、かわいい彼女がこのフリフリ・カゴにチョコレートを山のように詰めて、愛する彼にプレゼントするのだ。(義理ではこんな事できません)
チョコレートはというと、このフリフリ・カゴの横に、何十という種類のチロル・チョコ大のチョコレートが山積みにして売られている。このチョコレート達の姿をどこかで見た事があると思ったら、日本のデパートの地下で、飴やゼリーと一緒に回っているチョコレートによく似ているのだ。去年、試しに食べてみたけれど、味も結構似ていた。
このチョコレートを、けっこう大きなカゴいっぱいにしようと思ったら、買う量も半端じゃない。買うわ買うわ。1年分のチョコレートではないかと思われるほどみんな大量に購入しているのだ。大きさがチロル・チョコ大なので、1個の値段はそう高くはないけれど、あれだけ買えば結構な出費でしょうに。
でも、こんなに女の子が一生懸命にバレンタインデーの準備をしても、こんなフリフリ・カゴと大量のチョコレートを、男の子は喜んで貰ってくれるのかしら???と、去年、私は心配していたのだが、それはホントに杞憂に終わった。
2月14日の前週の土日から14日にかけて、ソウルいや多分韓国のいたるところで、このフリフリ・カゴを持って歩くカップルを発見する事が出来るのだが、フリフリ・カゴを貰った男性の嬉しそうな、誇らしそうな顔といったら……。軍服姿の彼も、サラリーマンの彼も、もちろん大学生の彼も片手にはフリフリ・カゴ、片手には彼女の手をしっかり握って冬のソウルの雪を溶かしながら歩いている。フリフリ・カゴが運んできたのは『深い深い愛』だったのね(涙・涙)
ただ二つ、お姉さんが気になるのは、あの大量のチョコレート、ホントに彼は食べてくれるのかしら? それと、バレンタインデーの後、あのフリフリ・カゴの行方は……。
まっ、御幸せに。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2001-02-12

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