タンタンのソウル風景イゴッチョッ・第１７回「お引越し−やる気のない不動産アジョッシ編」

下宿での共同生活にほとほと疲れ果てたタンタンは遂に１人暮らしをすることにしました。（下宿生活については前回の「これが現状！韓国での下宿生活」を読んでください～）
実際に１人暮らしするぞ！と決意してからの家探しは実に大変でした。最初は「保証金、月々の家賃（ウォルセ）で格安で綺麗で静かで日の光が燦燦と差し込む部屋」なんていうとんでもない条件で探したのですが、そんな部屋、あるわけないですよね～。電信柱やブロック塀にベタベタ張られている「ワンルームあります！保証金〇〇ウォン、ウォルセ〇〇ウォン」という張り紙を見ては電話。まずは金額的な条件をクリアする家を見ていったのですが・・・これが・・・すごかった！冬のソウルは乾燥してるはずなのに何故か湿気ムンムンの部屋、日の光が全く入らない薄暗い部屋など・・・。住んだら最後、肺病にかかってしまいそうな部屋ばかりでした。実際にひどい住居環境で暮らしていて肺を患った人を知ってるので私の拒否感はかなりのもの。

お金をケチって病気にでもなったら元も子もない！と月々の家賃の予算を１０万ウォンほどアップ。この１０万ウォンの差って本当に大きい！私のイメージにほぼぴったりな部屋があるではないですか！いくつか候補があがった中で最終的には不動産に紹介してもらった部屋に決めちゃいました。実は不動産に行くまで韓国の不動産ってどんな感じなの～？日本人の私が行っても大丈夫なの～？と不安で不安で・・・。でも実際に不動産の入口をくぐった途端、そんな不安もどこへやら。どこの不動産アジョッシも日本人だからといって特にサービスしたり、差別したりすることもなく、普通に応対してくれました。

長い旅路の後、最後に行った不動産のアジョッシは・・・これがなんともやる気のない人でした。部屋を２件見せてもらったのですが、他の不動産アジョッシのように「ほら、いい部屋でしょー？」などと部屋の良さをアピールするでもなくただ黙々と部屋を見せてくれるだけ。２件目で「いいじゃない。ここにしなさい。」とボソッと一言。「アジョッシ、ひょっとしてやる気ない！？」という言葉が喉元まで出かかったけどさすがにそれは飲み込みました。やたらとテンションの低いアジョッシとは対象的に２件目の部屋がすっかり気に入ったタンタンのテンションは最高潮！部屋を求めてあちこち彷徨い歩いた苦労ともこれでおさらば！と思うと嬉しくて嬉しくて笑いが止まりません～。アジョッシに入居したいと言うと「じゃあ、明日、アパートの管理室まで契約金（保証金の一部）を持って午前１０時に来なさい」とのこと。見事、仲介成立したのに嬉しそうな顔をするでもなく相変わらず淡々とした口調のアジョッシ。やっぱやる気ないのかいな？

翌日、契約金を携えて約束の時間にアパートの管理室へ。ところが何と不動産のアジョッシが来てない！何でも「雪が降って道が滑るから行かれない。」とのこと。ぬわに～！？道が滑るから来られないだと～！！！いや～、アジョッシのあのやる気のなさはどうやら筋金入りだったようです。とりあえずアジョッシ抜きで契約金を納め正式契約はまた後日ということでその場を立ち去ったタンタンでした。
（数日後）

いよいよ正式契約の日がやって来ました。不動産のアジョッシに電話で連絡し、アパートの管理室で会いましょうということになったのですが・・・「アジョッシ、来るかな？」と一抹の不安を抱えつつ管理室まで行くと案の定、アジョッシは来てない。（今回の理由は不明）こういう場合って普通、不動産立会いでするんじゃないの～？と思いつつ契約書を交わし、無事、契約成立！アジョッシ、そんなんでいいの～？仲介手数料も引越しが終わってから数日後に「１５万ウォン、払ってください」という連絡が・・・！普通はすぐその場で支払うもののようだけどなんともはや、のんびりとしているお方です。（仲介料１５万ウォンというのはかなり安いらしい。もしかして仕事してないことを認識してるのかな？）

手続きが全て終わり一応お礼をと思い、不動産のアジョッシに電話を入れると「日本語、勉強してます！日本語、難しいですね。ありがとう！！」とこれまでとはうって変わってやたらテンションの高いアジョッシ！仕事を離れると元気になっちゃうタイプの人みたいです～！でもあのやる気のなさが逆にこちらを冷静にしてくれるという利点があったのも事実。お陰で口車に乗せられることもなく自分で納得した上で契約できたしね。もしかしてそれがアジョッシの作戦だったりして！？なにはともあれ、アジョッシ、ありがとう！