みぽりん@そうる.com・第12回「PTAショック、パート2~『環境美化』とは如何なるものか?」

第12回「PTAショック、パート2~『環境美化』とは如何なるものか?」

韓国の初等学校には「環境美化」という習慣があります。「ファンギョンミファ」なんていうと物々しいですが、簡単に言うと新学期になってクラスを美しく使いよく整えることなのです。私も在韓14年目にして初めて小5の娘の教室の環境美化に参加してみましたが、ホントウに刺激的な体験でした。何が刺激的だったかって?それでは今年の3月にみぽりんが小5の長女のクラスでした環境美化の数々をご紹介してみましょう。

まず最初に教室に必要なものを大量に買い込む。その中には担任の先生の座布団一式、オルガンカバー、電気掃除機、プラスチック4段引き出し、そして韓国人にはなくてはならないインスタントコーヒーミックスとか緑茶、紙コップも含まれています。

山のような買い物を済ませてから。。。

お昼ご飯をお腹いっぱい食べる。この日のメニューはしゃぶしゃぶ。PTA会費で役員がしゃぶしゃぶを食べたなんて知られたら、日本では公費横領だなんて大騒ぎされそうですが、韓国ではこれがなくちゃ誰も働かない。

教室に帰って来てから。。。

不必要なものはどんどん捨てる。

不必要なものはどんどん捨てる。

本棚や掃除箱の位置をセンス良く変える。(#毎年多少変わる)

本棚や掃除箱の位置をセンス良く変える。(#毎年多少変わる)

窓際にお花を飾るのは環境美化の基本。 窓際にお花を飾るのは環境美化の基本。

窓際にお花を飾るのは環境美化の基本。

今年から登場したドアつきロッカー。校長先生万歳!!

今年から登場したドアつきロッカー。校長先生万歳!!

オルガンは弾かなくなってしまったので、コップの消毒機台に変身。

オルガンは弾かなくなってしまったので、コップの消毒機台に変身。

床に露出していた電気コードにカバーを付ける会社帰りのお父さん。

床に露出していた電気コードにカバーを付ける会社帰りのお父さん。

このように細々とした事を沢山したんですが、その中でも一番刺激的だった一部を具体的にご紹介することにしましょう。
教室の前方、黒板の横は、お知らせなどを貼る場所なんですが、これをインテリアし直すことになりました。ところで具体的な意見が出ず困っていたところ、あるアジュマが「美術を専攻した友人がいるから、連れてくるわ。」と言い出したのです。それはいいと大賛成。
その日の午後5時頃から美術の先生の指揮下に、新しくイメージされた図案を作る仕事を始めました。大量に買い込んだ色紙や、厚紙を切ったり貼ったりしたのですが、午後7時に全然見通しが立たないまま解散。

次の日の午後3時に再び教室に集合した私達は、切ったり張ったりを繰り返し、夜ご飯も教室でジャジャンミョンとチャンポンを出前で食べ、夜の10時まで延々作り続けたのでした。学校の守衛さんから、「異常なオモニたち」と大っぴらに悪口を言われる。
出来上がった作品。貼ってみたら、上の字の色が絵に合わないという意見が出て、字を作り直すことに。それにしても小5の教室にしては幼稚なんじゃないかという裏口も飛び交い、一生懸命した割には成果が出ていないようでガッカリする。
さてこの時点で金曜日の夜は終わってしまい、残りは月曜日の午後3時に教室で集合ということになりました。

週明けの月曜日。今日全部終わらなかったらどうしよう、という不安に苦しみながら足取りも重く教室に。教室に着いてみると、上に貼った字の色が問題じゃなくて、フォントが問題のようだという意見が出て、またもや作り直しに。そして午後6時半に何とか作り直して、改めて貼り直しました。ところがこの場所には拡大した地図を張ったほうが良かったね、この作品は教室の後ろ張ろうか、なんて意見が出る始末。ああだこうだと言い続ける一部アジュマを後に、他の役員たちは大急ぎで、教室を後に。
このように5年7組の環境美化は終わったのですが、一番不思議に思ったことは、一部アジュマたちは何でこんなに一生懸命に環境美化に取り組むのかという点です。ただ単に美しいもの好きだからか?はたまた子供たちに対する愛情表現なのか?隣りのクラスとの競争意識からか、先生に褒められたいからか、楽しいからか、暇なのか、、、正確なところは未だに不明です。このリポートを読んで、「私は分かるわ!」という方がいらっしゃったら、是非ともみぽりんに教えてください。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-04-03

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