みぽりん@そうる.com・第15回「韓国の財テク事情」

第15回「韓国の財テク事情」

最近読者の方から「韓国人主婦はどうやって財テクをするんですか」というご質問を受けたことがあるのですが、数日前にみぽりんが試みた、韓国で一番オーソドックスな財テク方法ご紹介しましょう。
ソウルから南に約30分。静かな住宅地として有名な京畿道盆唐(ブンダン)の空き地に、突如として現れたモデルハウス。その周りに二重三重に折り重なるように集まる人、人、人の群れ。ここで住商複合アパートの分譲抽選のための受付を始めたのはこの日の午前10時でした。以前からここに住商複合アパートが新しく建つというウワサが飛び交っていたので、みぽりんも緊張して新聞の広告に眼を通していましたが、アパート分譲の受付、抽選、契約日などが公布されたのは、モデルハウスがオープンする前々日という忙しさでした。
韓国では基本的に不動産で財テクをするのが一般的な方法です。特にアパートや住商複合アパート(住居と商店街が混ざっている)は転売が簡単で現金化しやすいし、何よりもお値段が2,3ヶ月で何千万ウォンも上がることもあるので人気の高い品目なんです。
この日の分譲軒数は350戸と少ないほうだったのですが、想定競争倍率は100倍だとか80倍だというウワサが飛び交っていました。しかしそんなウワサはものともせずに、受付に必要なお金を準備した私達一行は、午後2時頃受付窓口に行ったのでした。まあ3、4時間くらい待てば受付できるだろうね~と高をくくっていたのですが、これは大変な間違いであることが判明したのです。
こちらはモデルハウスの入口です。が、抽選の為の受付をしてもらうには、裏口からずーーーっと伸びている列に並ばなければならないのです。
こちらが受付の為に並んでいる人たちです。午後2時の段階で、入口付近に陣取っている人達は、既に8時間くらい並んだと言っていました。要するに早朝6時ごろ来たというのです。これからまだ3、4時間くらい並ばないと自分の番にはならないと唸っていました。それだけではなく第一番に来た人は午前2時だったというのです。何度も言いますが、これは抽選の受付の為だけにこれだけ並ばなくちゃならないんですよ。
もちろんみぽりん一行だってこの列の最後尾に並ばなければならないわけなんですが、長蛇の列はなんと1キロ以上にも及び、周囲の畑の中のあぜ道まで伸びていたんです。この日の夜のニュースでは数万人列を作ったと言っていましたが、まんざら嘘ではないでしょう。
さてこのように列を作って受付をしてもらって、その上でやっと抽選があり、抽選に当たったら、やっとアパートを買う権利をもらえるわけですが、この人たちは一体何を目的にしているのでしょうか?それはこのアパートを買う権利をプレミアム(#巷ではピーという)を付けて売ろうというのです。 現在のお値段や入居までにどれくらい値上がりするかを考慮してピーは付くのですが、ソウル市内を中心とした人気エリアの物件は2000万ウォンから5000万ウォンくらい瞬時にピーが付くのが普通なので、これが目当てなんです。 かくいうみぽりんも抽選に当たってプレミアムが付いたら、売り払ってしまう予定でした。
ただし転売できるアパートとできないアパートがあって、もちろん転売できるアパートこそピーが付くのです。そしてこういった専門的なことの情報を交換するのもモデルハウスの周辺なんですが、不動産屋やダミ屋が横行していたのは当然のことです。
列を作って待つのも大変ですが、そこはやっぱり韓国人ですから食べ物が必要。ちゃんとおでんやトッポッキ、ラーメン、コーヒーの屋台が出ていました。寒空の中、何時間も並ぶんですから、口さびしくなっちゃいますよね。
マスクをつけ帽子を被り、長めのダウンジャケットを着て、座布団、毛布、椅子もも持ってきて、長丁場の覚悟がしっかり出来ている人はいいですが、学校に行くような格好で来た人は大変です。おうちに携帯で連絡をとって、必要な品々を持ってきてもらわないといけません。ですから誰もが携帯を手に何やら大声で叫びまくっていました。
一人で何人分も受付が出来るので、大体の人が親戚一同10人分とか受付に来ていました。こんな大変な想いをして受付をして、本当に抽選に当たったらどんなに嬉しいことか。。。そして瞬時にして数千万ウォンのお金が手に入ったどんなにいいか。。。こりゃ福引よりもずっと確率が良いですね。だから福引に走るよりアパートの分譲現場で夜を明かすことを多くの韓国人は選ぶんです。ところでみぽりんはというと、この長蛇の列を見たとたん一気に意欲が落ちてしまい、すごすごと家に帰ってきました。心がけが足りなったようです。ビニールのゴミ袋を上半身に被って夜を明かすくらい、お金の為なら何でもないわ、と、このくらいの意気で臨まなかったら、韓国の財テク市場では生き残っていけないですよ。ああーー

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-11-14

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