みぽりん@そうる.com・第25回「アパートが売れない!」

第25回「アパートが売れない!」

みぽりんは城南市盆唐(ブンダン)区という新興住宅地にある32坪のアパート(3LDK)に住んでいるんですが、築10年で老朽化も激しいし、子供も中学校に上がるので、もうちょっと大きい所に移ることにして、去年新築の4LDKのアパート購入の契約をしたんです。韓国のアパートは売買が日本に比べてずっと楽で、株を売るようにアパートも売れるのが普通だったんです。それで韓国人は銀行に預金するよりは不動産を買うほうがずっといい、そんな風に思っている人が沢山いるんです。
ところが今年に入ってから韓国の不動産市場が急速に悪化してしまい、今までは不動産屋さんにお願いしたら1週間くらいで売れたアパートが、2ヶ月経っても売れないんです。じゃお値段下げたら良いのかって??そうかもしれません。でもみぽりん一家にとっては唯一の財産であるこのアパートのお値段をそう簡単に下げる訳にはいかないじゃないですか。9月、10月、ずっとお客さんを待っていましたが、一向に売れない。新しいアパートの入居は1月末まで。みぽりんは今危機に瀕しています。
このアパートが売れなかったらみぽりんはいったいどうしたらいいんでしょうか?もう購入してしまったアパートの契約の解約は出来ないし、アパートを2つ所有するほどの財力もありません。このアパートを売って入居することを前提に新しい物件の契約をしてしまったんですから、売らないことには埒があかないんです。
ところでみぽりん一家だけがこの苦しみを味わっているかと言うと、そうじゃないんです。実は今、韓国全土の不動産市場が麻痺状態にあるんです。税制の改定をしたところ、売買に掛かる税金額が8倍くらいになってしまって、誰も買わなくなってしまったのです。その上、誰も買わないから値段が下がる。だから売らない。需要と供給のバランスって恐ろしいですね。今年の6月以降不動産のお値段は急降下しているんです。
去年の11月に比べて我が家のお値段は何と1億ウォン(1000万円)くらい下がってしまいました。みぽりんは呆然としてしまって、お仕事をする力が全然わきません。そう・・・韓国の不動産は株とそっくり同じで、投資の対象でもあるんです。だから値段が下がりだしたら誰も買わないんですよね。そして騰がり始めたら不思議と人は買い始めるんです。
こんなに沢山の不動産屋があるのに、どうして売れないのか?こんなに奇麗にインテリアもしてあるのに、どうして買わないのか?そんなことを言い始めたらきりがありませんが、9月は強気だったみぽりんも、最近はすっかり弱気になっています。このストレス・・・経験したことがある人にしかわからないでしょう・・・
きっと市場が良くなるだろうと信じて期待して生きてきましたが、もう全然希望の光が見えません。大幅ディスカウントを前に苦しみもがいています。「えーーい!お金なんてなくても生きていけるわ」と思ったらそれまでですが、お金って本当に大切だと思うんです。韓国は不動産が動かないとお金が動かないといっても過言ではお国柄。今、政府も各種規制を緩和しようと言い始めていますが一度凍りついた市場を溶かすには時間が掛かる・・・この地に根を生やして生きている半韓国人のみぽりんは今崖っぷちです・・・

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-11-15

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