まこちゃんのソウル特派員レポート・第3回「まこのソウルで家探し~ソウルでお家を借りるのは大変?!パート2~」

第3回「まこのソウルで家探し~ソウルでお家を借りるのは大変?!パート2~」

久々に登場のまこです。この前は韓国の住宅をご紹介しましたが、今回は引越し手続きについてまこの体験をお話します。
さてさて、引越しを決意したまこ家。1ヵ月後には家を明け渡さなきゃいけないと、慌てて新居探しを開始しました!
まず、最初にしたのは
●どこに住むか。
ソウルに来て1年しか経っていないので、地名を見ても想像がつかないまこ。主人も今まで実家でしか暮らした事がないので良く分からず、とりあえず、まこが住みたい条件を書き出しました。
1.どうせ引越しをするなら主人の会社に近い所。
2.まこ家には車がないので、お買い物に便利な大型スーパーや市場に歩いて行ける所。
3.それに、地下鉄の駅に近い所。
などなど条件を書き出して毎日毎日、地図とにらめっこ。観光案内所からいただいてきたソウルの地図に目印をアチコチつけまくりました。
次に、
●住みたい地域は、どのくらいの資金があればお家を借りられるのか。
お金に糸目をつけなければ、どこにだって引越し出来るのですが、まこ家には資金が無い。それまで住んでいた多世代住宅の広さは18坪。保証金は1,500万ウォン、月の家賃が10万ウォン。月の家賃が8,000円なんて、日本では信じられないですよね。でも、これはソウル市内では破格のお値段でした。ソウル市内と言っても地価が安い地域だったので、この程度の金額で住むことができていたのです。それを実感したのはインターネットで不動産情報を見た時。今の家賃では、ここからの脱出はムリ・・・仕方ないので予算アップです!

ここで、ちょっと韓国で家を借りる時の家賃のシステムをご紹介。賃貸の場合、2通りあります。
1. チョンセ・・・高い保証金を支払う代わりに月の家賃がない制度。保証金は、家を出るときに全額戻ってきます。
2. ウォルセ・・・少ない保証金と月々の家賃を支払う制度。保証金は、家を出るときに全額戻ってきますが、月々の家賃は返ってきません。

この説明を聞けば、チョンセで借りるとお金がかからない!ってことですよね。まさに、その通り。でも、注意しなきゃいけないのは、大家さんがお金を返してくれないという事もあるとか。自分が引越しをしたい時に、次に入る人が決まらないと保証金が戻ってこないなんて事もあるそうです。気をつけましょう。
●どんなタイプのお家に住みたいか。
そりゃもちろん、一軒家やマンションに住みたいと思うのですが、高すぎて借りられない。仕方なく、ヴィラかヨルリン住宅でもいいかとグレードを落としたけれど、それも無理みたい。結局、今までと同じ多世代住宅かオフィステルのワンルーム。それでも今までの資金だけでは到底借りる事はできそうもないので予算追加。保証金と月々の家賃の仕組みは、例えば、チョンセで保証金が7,000万ウォンで借りられる家は、ウォルセで保証金5,000万ウォンと月20万ウォン家賃、あるいは保証金3,000万ウォンと月40万ウォンの家賃または保証金1,000万ウォンと月60万ウォンの家賃という風に保証金の額によって月の家賃がスライドしていきます。でも、最近は、銀行の金利が悪いせいで、月々の家賃が安い所はあまりないし、チョンセの金額が上がっているし、チョンセで貸してくれる大家さんも少なくなってきているみたいです。不動産屋の前にはたくさん貼り紙がしてあり、そこに部屋の広さと金額がいろいろ書いてあります。部屋の見取り図なんてないんですよ。
●地元の不動産屋へ行こう。
日本だったらネットでお部屋の見取り図や写真の情報がいっぱい掲載されていますが、韓国の不動産情報は、いまいち信用性に欠けます。違う家なのに同じ写真や見取り図を載せていたり、金額も不動産屋によってバラバラなので埒が明きません。そこで直接、不動産屋へ行く事に。
日本の不動産屋だと、少し遠い駅の物件でも取り寄せて紹介してくれたりしますが、韓国の不動産屋はそんなことしてくれません。本当に近所の物件だけしか紹介してくれないので、そこに気に入る家がなければ、次の目的地の不動産屋へ直接行かなければなりません。気に入る家が見つかるまで永遠とですよ!

●気になる物件を見に行こう。
不動産屋に行くと、まず希望のタイプの家を伝えると、次にチョンセかウォルセどちらで借りるのか、保証金や家賃はいくら用意できるかと聞かれます。そして、いつ引越しするのかを伝えると、空いている物件か、空く予定の物件を教えてくれます。が、図面もないので、とりあえず下見に。ここで驚くのは、今住んでいる人がいても平気でズカズカと入ったり、留守でも大家さんに鍵を開けてもらってあちこち開けて見たりできること!最初は気が引けましたが、慣れって恐いです。最後のほうは平気で人の家の中をウロウロ、写真まで撮っちゃいました。 
●気に入った物件があったら、その場で仮契約。
物件を見て回って気に入った物件が見つかれば、その場で仮契約です。と、この時に保証金や家賃の交渉をもう一度してみましょう。不動産屋が大家さんに頼んで少し安くしてもらえる可能性大です。仮契約は大体保証金の1%くらいで大丈夫でした。そして引越しの日をちゃんと確認し、あとは引越しの荷造りです。

と、なるはずなのですが、まこ家はこれが大変でした。主人は、「引越し先は、すぐに見つかるよ。」なんて余裕で構えていたんですが、引越し期限1ヶ月前の土日、3つの駅に行き、合計9ヶ所の物件を見て回ったのですが気に入る物件がなく、翌週の土日に今日こそは物件を見つけるぞ!と意気込んで行ったものの、4つの駅を回って10ヶ所見てもお手ごろの物件がないじゃないですか!?あと3週間も残ってないのに、これは大変!と翌日から、まこが一人でソウルの街を徘徊する羽目になり、毎晩地図を広げては翌朝から現地へ行き、不動産屋に飛び込みカタコトの韓国語で説明し、物件を覗かせてもらい、気に入ったものがあれば夕方主人を呼び出し夜8時や9時まで血眼になって探しまくりました。

不動産屋に入ると韓国語がおかしいので、最初はみんな怪訝な顔。次に韓国人じゃないと分かると、みんなそっけない態度。それから日本人だと分かると、ちょっと高めの物件を勧め、主人が韓国人だと分かるとなんとか普通に交渉してくれました。(本当に普通だったのかは疑問ですが。)
そんなこんなで「もう、このままじゃ引越し先がないかも。」と諦めかけていた引越し期限2週間前。オフィステルに的を絞って不動産屋めぐり。だけど案の定、冷たくあしらわれ、断られ続け、最後の最後に入った不動産屋。「すみません。このくらいの値段で再来週入れる部屋はありますか。」と下手に聞いてみると、不動産屋のおば様「あるわよ~!」と即回答!自分でも耳を疑ってしまうくらいビックリしました。気に入る物件もなく、断り続けられてきたまこにとって天使のようなおば様の一言。

さっそく部屋を見せてもらうと、これがなんとも眺めが良い!私は一目で気にいってしまい、翌日、主人を連れて不動産屋へ。主人はオフィステルが嫌だったのですが、背に腹は変えられず渋々OKしてくれました。
●引越しはドタバタです。
さてさてお家も見つかって荷造り頑張らなくては!なんて思っていましたが・・・主人がネットで見つけて何件か電話をして見つけた引越し業者は、日本で言う『楽々パック』みたいなものでした。だから、何も準備しなくてOK!と、言われても不安だったのですが、これが本当に大丈夫でした。
ただ、業者は問題があった時に、きちんと対応してもらえるように少し高くても名の知れた所にお願いしたほうが良さそうです。

引越し当日は、貴重品とパソコンだけ自分で確保。あとは業者にお任せです。冷蔵庫の中身までそのままで大丈夫でしたよ。朝8時、韓国名物(?)のクレーンで荷物を窓から運び出し、大きなゴミまで処分してくれ、引越し先へ出発。しかし・・・私と主人は保証金を返してもらうために不動産屋へ。そうなんです。引越し当日でないと保証金を返してもらえないのです。お金がたくさんあればいいのですが、それがないと次のお家に入れない!ところが、まこ家が返してもらう保証金は、次に入る人がお金を持ってくるまで受け取れない。この日、10時に約束したのに、来たのは12時。もちろん、まこ家の引越し先にも保証金を待っている前の住人がいる『保証金の玉突き状態』な訳です。

スタートでつまずくと次から次へと遅れ・・・まこ家も約束の時間より2時間遅刻。待ち構えていたおば様から文句を散々言われながらも保証金を支払って契約完了!とりあえず、大急ぎで床を拭きまくりました。韓国では出て行くときにゴミは処分するものの、ピカピカに掃除なんてしません。前の人の引越し業者の靴跡があちこちに残っています。急かすおじ様達を横目にゴシゴシ磨きまくりました。それからは、先に到着していた引越し業者のおじ様達の再登場!あれよあれよという間に家具を設置し、洋服からお皿から冷凍庫の中まで何もテキパキと収納してくれます。ちょっと口でも挟もうものなら「任せておきなさい。専門家だから。」と全てお任せの楽々パック。もちろん、後で入れ替えたりしましたけれど・・・ドタバタと引越し完了です。

●オフィステルって快適だった。
以前からワンルームに抵抗のあったまこですが・・・これが住んでみると、なかなか快適です。
まこ家の新居は、築2年で15階建てのオフィステル。まだまだ新しいので、部屋もとても綺麗だし、洗濯機・冷蔵庫・洋服タンス・下駄箱など収納も抜群。冬はオンドルを少しつけるだけで暖かさが持続。更に、まこ家大望のクーラーも完備されていて、この夏はペットボトルを抱いて寝なくて済んでいます。それに、シャワーのお湯もジャージャー出るし、トイレが詰まる心配もありません。おまけに、まこ家は14階で前に建物がなく眺めが良いのです。さすがに漢江は見えませんが、向こうのほうの山が綺麗に見えて季節を感じられます。 
1階にはコンビニ・パン屋・食堂もあります。契約した不動産屋も1階に入っていて、困った事があると、すぐ相談しに行ったり、近所のことも随分教えてもらっています。警備室は24時間警備員さんがいて安心。そこでは宅配便などもきちんと預かってくれるので、とても便利です。駐車場も1ヶ月3万5千ウォンと安め。残念ながら屋上には何もないのですが、地下にフィットネスルームがあり、住人は無料で利用可能。本当に至れり尽くせりです。ちょっと風通りが悪いのと、壁が薄いのか隣の部屋のテレビの音がよく聞こえるのが玉に瑕ですが、なかなかどうして快適に暮らしております。みなさんも一度、韓国のオフィステルで過ごしてみてはいかがですか。 

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-08-27

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