ありの韓国旅行(2006年9月)

李さんを訪ねて韓国へ~ソウル、仁川、水原、江原道への8日間の旅~

-名前 : あり -年齢 : 24歳 -出身地 : 関東地方在住で、東北地方の生まれです~ -(現在、去年結婚して、今は主婦です) -

今回の旅行は、日本にワーキングホリデーで来ていた女の子、李さんを訪ねる旅でした。8日間李さんのアパートにお世話になりました。
本当は9日間の予定だったのですが、出発日は9月11日で、テロがあった日。アメリカ系航空会社を中心に、飛行機のダイヤが乱れていて、私の便はとうとうこの日飛べずじまいでした。航空会社が用意してくれたホテルに急遽移動することになりました。1人だったので、かなり心細かったです…。
不安でいっぱいでしたが、飛行機は朝、無事に出発しました。 機内食は、海苔巻きとフライドチキンとサトイモの煮付け(どれも若干解凍不足)、というすさまじいメニューをいただきました。

1日目
そしてその日のうちに、ソウルの江南というところに行って髪をきりました。わずか¥2000(2万ウォン?)です。江南は今、ソウルの中の新しいスポットです。明洞より大人な街だと、李さんは教えてくれました。
江南で李さんのお友達の朴さん(女の子)と合流して、焼肉。普通らしいのだけど、卓上コンロの上に直火で鉄板を斜めに乗せて、その上で肉を焼きました。上からサツマイモ、豆腐、肉、キムチの順番に。肉の汁がキムチを美味しく焼くそう。
次にカラオケへ。
驚いたのが日本語のアニメソングの充実っぷり。朴さんは2年間日本の大学に留学していたということで、日本語で普通に会話できました。だからコミュニケーションに困ることはなし。そして日本の歌を歌ってくれました。「オジャパメン」で盛り上がることができました。 カラオケのあと、鶴洞というところにあるチムジルバン、日本で言う健康ランドみたいなところに行きました。お風呂にいろんな種類のお風呂にのんびり浸かったあと、変な部屋で寝ました。何が変かと言うと、ひとつの部屋の中にほこらみたいなのが一列に並んでいて、その中に備え付けの布団を敷いて寝るのです。別にほこらに入らなくても、その上の二階みたいなところに布団を敷いたり(私はここで寝ました)、ほこらの前の適当な床で寝たり…。

2日目
起きると、早速チムジルバン(サウナのような部屋)へ行きました。麻マット?の敷いてある部屋でごろりとするのです。汗だくになります。汗だくになったら隣の零下の部屋でクールダウン。これを何回か繰り返すことによって血行が促進され、体にもいいそうです。ニセモノのドラえもんみたいなのがいました。

いい汗をかけたのでまたお風呂へ。お風呂では、ずっとやってみたかった???(テミリ/あかすり)を!これが非常におもしろかったのです。
おばちゃんはパンツ姿で垢をすってくれるのです。セクシーすぎます。最初見たときはびっくりして、眼のやり場に困りました。確かに風呂だから暑いとは思うけど…。私は李さんから、
「初めては痛いと思う。痛い時は아프(アプァ)だよ」
と教えてもらいました。おばちゃんとは言葉が通じないわりに、なんとなくコミュニケーションがとれたので、うまいこと垢をすってもらえました。私は垢すり台の上でおばちゃんの思うがままでした。ころころ転がされては、ごりごりと垢をこすられ、(そんなに痛くはなかったけどくすぐったくて笑いそうになった)終わりには頭と背中を軽くマッサージしてもらって、つるりとなりました。そう、つるりと。あんましごりごりやるもんだから、皮膚は赤く腫れるのかなって思っていたんだけど、まったくそんなことはなかったのです。 むしろつるつる。感心したな。
ちなみに40分くらいで¥2000(2万ウォン?)でした。
11時くらいにチムジルバンを出発して向かったのが、仁寺洞(インサドン)。ここには外人が考える韓国グッズがたくさんあります。日本の浅草や京都みたいな感じですね。 お昼はプルコギを食べました。辛くないのでおなかに優しい味です。
次に景福宮(キョンボックン)。徒歩で移動しました。仁寺洞から歩いてすぐです。 昔の王様が住んでいたということで、とっても広い!そして建物の色使いがとっても鮮やか。昌徳宮のように入場時間制限されていないので、自分のペースで見ることができました。時間がちょうどよかったみたいで、衛兵交代の儀式も見ることができました。建物を一回りして、さらに国立民俗博物館にも寄りました。
それから学生街の新村へ移動しました。
新村では李さんのお姉さんの旦那さんの後輩さんと合流しました。この人の名前も朴さん(男)。タッカルビをごちそうになりました。この朴さんは日本にとても興味を持っていて、今日本語を勉強中だということで、目をきらきらさせながら私と話をしてくれました。そして話題は漫画へ。朴さんはスラムダンクが大好きで、流浪に剣心が大好きで、ドラゴンボールも大好きだそうです。そりゃ私と一歳しかかわらないので、海の向こうですが、ジャンプ黄金時代を共に生きた人です(笑)。ドラゴンボールでは特にベジータがお気に入りだそうで、ベジータのことを「とても強いけど、弱い男…、だけど好きです」と言っていました。もはや私よりベジータを深く理解しています。朴さんには、漫画の話だけではなく、韓国の徴兵のこととか、歴史の話とかいろいろしてもらいました。かなり勉強になりました。
そうしてやっと、バスで李さんの家(仁川)へ戻ったのです。
この日の夕飯は、李さん行きつけの民俗風居酒屋に連れて行ってもらいました。ここの旦那さん奥さんがいい人で、一回で好きになってしまいました。本場で食べるチジミはとてもおいしかったです。ドンドンジュもおいしかった!ほんのり甘くて微炭酸。ほとんど酒が飲めない私ですが、勇気を持って飲んでよかったな。ほんとに少ししか飲めなかったけど。初めての味でした。あと、酒のお供にどんぐりの粉で作った寒天みたいな食べ物もいただきました。どんぐりって言われなきゃまったくわかりませんでした。どんぐり、幼い頃に舐めたことがあるのですが(笑)、その時に感じた渋みは一切なく、癖のない味でした。

4日目
仁川の家を9時半に出て、明洞へ。明洞はとってもにぎやかで、しかもいろいろなものが若くて、私の存在が若干場違いっぽかったのですが、楽しめました。そしてそのまま徒歩で南大門へ。 ここはでかい市場があって、ミョンドンとはまた違ったにぎやかさがあるのです。売り手も買い手もエナジーでまくりなのです。もう、店っていうか問屋街みたくなっているので、どこの店にも同じような商品がたくさん売られています。アクセサリー、服、食器、造花、…いろいろな商品がエリアごとに分かれて売られているので、買い物がしやすくできています。 南大門では枕を買いました。きっと韓国のいい夢が見られるはず。
で、明洞・南大門見ても時間があったので、明洞駅のひとつ隣にある南山ゴル韓屋村というところへ行きました。公園みたいなところなのですが、敷地内に昔の韓国の家屋が建てられていて、家の外観や内装を覗き見ることができるのです。しかもありがたいことに無料♪でした。この韓屋村の池の前の椅子に座ってぼーっとしていました。徒歩の旅の休憩にはもってこいだと思います。緑もたくさんありますよ。
まだ若干時間が残っていたので、再びミョンドンへ。夕方になってきたので、屋台で何か食べようとしたのです。夕方になると、いつの間にか屋台でいっぱいになっているのです。適当に道を歩いていると、見つけたソフトクリーム屋。無駄に長いソフトクリームを、店頭でぐるぐるまいているのでした。こんなの見てしまって、無性に欲しくなって買うことに。w1000です。そして軽く剣みたいなソフトクリームを手に入れたのです。それを店内で食べることに。南大門で買った枕がかさばって、歩きながら食べるのは難しかったから。ソフトクリームを食べ始めたら凍え始めたので、ホットコーヒーを頼むことに。コピジュセヨ。コーヒー飲んでいたら、通りがかりに店員のおじさんが「どしてひとり…?」とつぶやいていました。私は韓国に来た日に髪を切り、さらに韓国で買った服を着ていたので、私はまんまと韓国人に紛れ込んでいたから、普通は日本人って思われていなかったのだけど、ソフトクリーム頼むときにばれてしまっていたのです…。おじさんは私の目の前の席に座って話しかけてくれました。

【おじさん】「どしてひとり?」
【私】「韓国人の友達の家に遊びにきた」
【おじさん】「ひとりでこわくない?」
【私】「ケンチャンナヨ」
そしたらおっさんは指で角を作って鬼の顔を。「おっさんはやさしいじゃない(にやり)」みたいなことを言ったらおっさんもにやり。少し会話して、おっさんに「モシッソヨ」って言ったらまたにやりとしてくれました。ああ、いい人だったな。
ミョンドンから帰ってきて、この日はこれで終わったと思いました。
そしたら李さんに電話がかかってきて、李さんの友達と食事をすることに!
登場したのはノさん。ポッサムと冷麺をいただきました。ノさんは「酒は人生の友達」ってハッハッハと笑う豪快な人でした。まさに豪傑。酒が似合う人です。焼酎一気飲み。一人で瓶を開けてしまいました。李さんに電話する前にも飲んでたそうなのに!ノさんは韓国語しか話せなくて、私は幼児以下の韓国語の言語能力なので、李さんに通訳してもらいながらコミュニケーションしたのですが、とても面白かったです。だって生のとんでもなく辛いらしい唐辛子を普通にかじる。私には辛すぎるということで、かじることを許されなかった唐辛子をうまいと言ってかじる。そのとんでもない辛さがたまらないのだそうです。なのに、わさびやからしのような鼻に来る辛さは苦手なんだそうな。

5日目
この日も李さんが仕事の間、またソウル探検。
今回は本屋と市場。 本屋はとても大きな本屋に行きました。チョンガの地下鉄の駅と直結しているところです。便利だし、面白い空間でした。漫画コーナーには日本の漫画がたくさんあって、さすがにおどろきました。私が小学校時代の漫画、「天使なんかじゃない」まであったのですから。恐るべしNANA効果です。
次に行ったのは薬令市場と京東市場。この二つの市場は、2月に初めて韓国に来たときも行きたかった場所だったのですが、2泊3日という時間の中で時間が取れず、断念したところ。ソウルナビで調べたら、ちょうど薬令市場がお祭りの期間だということで、わくわくしながら行ってみたらこれまたすごかった。まさに名前のごとく、道の両脇にはずら~っと漢方のお店が連なっているのだけど、見ているだけで興奮ですよ。そして鼻に入ってくる薬のにおい。もう、この市場にいるときはずっと感じ続けました。そして地元の人に紛れ込んで試飲。お茶?とてもまずくてびっくりしました。でもきっと体にはいいのでしょう。各漢方の効能を知っていたら、いくつか買って帰りたかったです。相場もしらなければ、効能、使い方も、何にも私は知りませんでした…。探検していたら、いつの間にか隣の京東市場に入っていました。この市場はたくさんの食料品が売っていて、まるで台所の中を歩いているような気分に。南大門よりも庶民の市場っていう感じがしました。生鮮食品が中心で、豚足とかすごかったです。ザ・足。おなじみ唐辛子もたくさんありました。それから初めて犬の肉も見ました。毛しか剥がされていない状態だったので、形でわかりました。
李さんとは電車の駅で待ち合わせして、一緒に水原(スウォン)に。この街には世界文化遺産の水原華城があるのです。この街は李さんの先輩の朴さん(ドラゴンボール好きな人とはまた違う人。…これで朴さん3人目)に案内してもらいました。このとき初めて韓国の乗用車に乗りました。朴さんに城の主要なところに連れて行ってもらっては説明してもらうのを何度か繰り返してもらいました。城、城壁がぐるりとあって、一部を見ると小さな万里の長城みたいな感じです。ガイドブックには、全部徒歩でまわると3時間くらいかかると書いてあったので、朴さんに車で案内してもらって本当に助かりました。城で一番興奮してしまったのが、要塞の部分です。外から攻めてくる敵を迎え撃つところに感動しました。石壁に、弓を打つ用の穴が等間隔にあって、城壁を登ってくる兵隊に熱湯を流して攻撃する穴があって。国こそ違いますが、三国志・水滸伝の世界でした。それから、楽しめたのが弓打ち体験。本当に、昔の人はこれでよく人を殺せたな、って感心してしまったくらいくらい難しかったです。
そして朴さんにおいしいタクトリタン(鳥のぶつ切りの辛いスープ)のお店に連れて行ってもらいました。まず、朴さんが店に予約の電話を。それまで生きている鳥を捕まえて殺すことからクッキングが始まるということで…。予約しないと時間がかかるそうです。で、この鍋、とってもおいしかった~。肉がびっくりするくらいに柔らかいの!こんなやわらかい鶏肉初めて食べました。薬膳鍋、だそうで、スープの中にはナツメや木の根っこみたいなの、バラの茎みたいにとげがいっぱいある枝みたいなのまで、いろいろ入っていました。
6日目
この旅一番の遠出、江原道(カンウォンドウ)へ向かいました。韓国の鉄道が開催している日帰りツアーに、李さんが申し込んでくれたのです。市場に行ってそば粉チジミ?みたいなものを食べたり、そば粉もちみたいなのを食べたり、そばを食べたり。そばが特産品だそうです。食べ物で一番驚いたのがとうもろこし。見た目は日本で食べているとうもろこしと変わりないのですが、ここで食べたとうもろこしは食感がまるで餅。歯にくっつくねばっこさ。これはもう、びっくりした。次に行ったのが昔金の採掘をしていた場所。洞窟です!ここでは30分くらい洞窟探検をしました。もちろん遊歩道や明かりがしっかりあって、要所要所には説明書きもありました。よくこんな穴を掘ったものだと関心しながら、洞窟を進みました。途中、採掘風景や生活風景の再現があったりして勉強になりました。で、最後にでた巨大鍾乳洞みたいなもの、東南アジア最大だそうです。大自然の神秘、みたいなタイトルがついていました。ほんとにすごかった~~~~~~~。そのあと劇観賞。アリランです。言葉はわからないのだけど、それまで楽しく生活していた人々が、太平洋戦争で殺されまくって、次に始まった南北戦争で別れてしまう、という話。李さんいわく、この地が両方の戦争の激戦地だったそうで、他の地方のアリランよりも恨みが強いそうです。これもまた、勉強になりました。
7日目
お土産用の食品を求め、仁川の大型スーパーに行きました。Eマートです。レジの仕組みをよくわかっていなく、レジ袋が有料だということもわかっていなかったので、慌てました。後ろのおばちゃんに教えてもらいました。韓国のレジは、買い物かごから自分で商品を台の上に並べるみたいですね。スーパーと映画館が連結していたので、本当はそのまま映画を観たかったのだけど、荷物が多すぎるので断念しました。大量のお土産(食料品)を買い込んで、でかい袋を持って地下鉄の駅を目指していたら、おじさんとおじいさんの境目くらいの人(以下ジェントルマン)に韓国語で話しかけられました。ここで、袋の片方を持ってくれ、一緒に地下鉄へ向かう階段を下りました。さらに、どこまで行くの?みたいなことを聞かれ、富平(プピョン)ですって言ったら、同じ方面だったみたいで、またまた荷物を半分持ってくれて一緒に電車のホームに。そのときまたジェントルマンが話しかけてくれたのですが、ハングル理解できなくておろおろしていたら「japanese?」って聞いてくれて。もちろんyesですよね。そのまま、電車の中でもつたない英語を駆使して会話することに。なんで仁川にいるのかとか説明したり。で、この旅行中たくさんの韓国人に親切にしてもらって、そしてあなたに出会いました(こんなに上手じゃないけど…)って英語で言って、기뻐요(うれしいです)って言ったらにっこりしてくれて、私もごきげんに。知ってる英単語、韓単語を駆使しながらコミュニケーションをとることができました。ジェントルがそろそろ降りますみたいなことを言い、さらにI like you って耳元でささやいてくれ、握手してくれました。こんなとこ日本ですら体験したことがなかったので驚きました。ちょっと韓国ドラマの中に入り込んだ気分になりました。
8日目
帰国を翌日に控えた日なので、事実上のラスト韓国の日。仁川においしい貝の店があるということで、李さんが連れて行ってくれました。焼肉の代わりに焼き貝です!もちろんソースはコチュジャン!目の前は海という絶好のロケーションで、おいしい貝。なんとも贅沢な時間でした。それから釣り人に接近してきました。ボラが大量に釣れていました。
夜は李さんの友達のノさん・ヤンさんと最後の晩餐。韓国の刺身、フェをご馳走してくれました。コチュジャンに付けて食べる刺身は初めてだったけど、そのおいしさに感動!続いてカラオケ、さらに食堂でチャジャンミョン、おまけにおしゃれなバーにも!素敵なナイトライフを堪能しました。
帰国してきて、飛行機を降りた時、韓国という国が、片道2時間半という距離にあって本当によかったと思いました。この8日間を振り返ると、すぐには思い出せないくらいたくさんの出来事がありました。こんなに1人で外国を歩いたのは初めてで、時に万引きと誤解され警備員に捕まえられた(この店に入る前の店で買ったペーパーバックのタグを店員が清算の際に取ってくれなかったため。レシートを見せて解決)というトラブルもありましたが、出会った人々にたくさんの親切をいただき、毎日が感動の連続でした。特に李さんには、韓国料理を作ってもらったり、通訳をしてもらったり、ツアーを申し込んでくれたり、と、お世話になりっぱなしでした。 「この人のようになりたい」と思える人にたくさん出会えて、私はとっても幸せです。願わくば、また明日にでも韓国に行きたい気分です…。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-05-28

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