弘大で伝統酒作りを体験しました!

オシャレ弘大エリアにある隠れ家的スタジオで伝統酒を作ってみよう!

こんにちは、ソウルナビのるみです。世界でもライスワインとして認知度が高まっているマッコリ。日本ではすっかり定着しましたよね。ある日、伝統酒を作るのが流行っているという情報をるみがキャッチ、なんでも伝統料理研究家の若い先生が弘大(ホンデ)エリアで伝統酒作り講座を開いているとのこと。さっそく行ってきました!

まずは伝統酒についてお勉強!

今回お世話になったシム・ハナ先生は、韓国伝統飲食研究所で伝統飲食やペベク(伝統婚礼の供え物など)課程を修了後、韓国伝統酒研究所で企画チーム長をされていたという経歴の持ち主。あのぺ・ヨンジュン氏のフォトエッセイ『韓国の美をめぐる旅』の伝統酒の監修に関わり、ぺ・ヨンジュン氏に説明されたそうですよ!先生は現在、韓国の伝統飲食文化をたくさんの人に広めようと幅広く活動中。「ウリスル自力発電所」というプロジェクト名で、ご自身のスタジオやマッコリバーなどで伝統酒作りの講座を開いています。

先生のスタジオは

先生のスタジオは、新村から歩いて7分ほどの、弘大エリアの静かな通りにあります。「プロジェクトー空間」という名のスタジオでは伝統酒の他にもトック(餅)や伝統酒に合うおつまみ、伝統料理などの講座も開いているそう。中に入るとふわーっとお酒のにおいが。

伝統酒のお勉強~

さて、るみたちはマッコリ作るぞ~と意気込んでいたのですが、先生から今日作るのはマッコリではないんですよ、と前置きが。そしてプリントを渡されてお勉強タイムに。先生から、『マッコリ、濁り酒、トンドン酒。違いってわかりますか?』 え?マッコリは濁り酒でトンドン酒じゃないの?とわかったようなわからないような答えでモゾモゾするるみたち。先生、実はよくわかっておりません・・・というわけで、韓国の伝統酒の基本から種類分けまで、じっくりと説明していただきました。家で醸す酒と書いて家醸酒(カヤンジュ)と呼ばれる伝統酒の基本は、穀物(米)と水と麹を使ったものが基本。米粒がトンドン(プクプク)と浮いてくる様を見てトンドン酒といい、同時にまるで蟻が浮いてくるようにも見えるので 浮蟻酒(プイジュ)とも呼ばれるそう。
前に作ったお酒

前に作ったお酒

もち米を手早くさますための道具。先生の手作り

もち米を手早くさますための道具。先生の手作り

この道具も先生の手作り

この道具も先生の手作り

この浮蟻酒(プイジュ)がベースになり、ヨンス(竹などで作った酒やしょうゆなどを濾すための筒状のざる)で濾したものが清酒になり、そのままザルで濾したものが濁酒で、濾して残ったものにさらに水を加えて「マグ(韓国語で荒々しく、やたらめったらという意味)」「コルダ(濾す)」してできたお酒がマッコリになるのだそう。ついでにこの浮蟻酒(プイジュ)を温めて蒸気を冷やして、つまり蒸溜するとソジュ(焼酎)になるということですが、このあたりはしっかりと勉強しないとこんがらがりますね~。うーん、難しい(涙)。
ヨンスと呼ばれるざる

ヨンスと呼ばれるざる

網の細かさによって違うざる

網の細かさによって違うざる

焼酎を作るときに使うかめ

焼酎を作るときに使うかめ

というわけで、今回私たちが作るのは浮蟻酒(プイジュ)。これをざるで濾して濁り酒を作る、ということになります。正確にはマッコリではないんですね。ただ、この濁り酒に水を加えたものでもマッコリというんだそう。濁り酒のアルコール度数は12パーセント、マッコリの約2倍になります。

いよいよ伝統酒作り!

私たちの目の前には冷ましたもち米4キロが。よく洗って水に浸したあと、蒸したもの。
そして麹が500グラム。黄味を帯びたこの麹の原料は麦。この麹も先生の手作りだそう!そして湯ざましを3リットル。この3つをよく混ぜ合わせます。

固い麹も次第に柔らかくなり、全体がネチャネチャしてきました。部屋はなんとなく納豆の匂いが。麹ともち米がだんだん粘ってきます、よく混ぜて混ぜて!
けっこう手の疲れる作業でしたが、はい、ではこれをかめに入れて終わりです!え、これで終わりですか?と拍子抜け。この混ぜ合わせの過程で、桑の実や覆盆子(ポップンジャ)などを入れたりすれば、その味の濁り酒ができるんだそう。
お疲れ様でした、と高麗人参を加えたお酒を先生は出してくださいました。まったく同じ材料でも作るたびに味が違う、と以前醸した浮蟻酒(プイジュ)もいただきました。
そしてお土産にとヨンスで濾した清酒を下さったのですが、このお酒はアルコール度16度。このお酒が本当に香ばしくてナッツや桃などの味がしましたよ!3週間後以降にまた来てくださいね!ということでその日は終了。
前に仕込んだお花の香りのするお酒

前に仕込んだお花の香りのするお酒

先生のオリジナルシールを貼って

先生のオリジナルシールを貼って

そして1ヶ月後、マイ伝統酒とご対面

スケジュールの関係で、伝統酒とのご対面は一ヶ月後になりました。先生よろしくお願いします!
とってもいい具合にできあがってますよ!とかめのふたをあけてくれました。
濾す作業のセッティング済み

濾す作業のセッティング済み

いい具合にできています

いい具合にできています

いい匂いー

いい匂いー

お酒の匂いがふわーっと香ります。それにしても不思議ですね、もち米と麹と水だけでできてしまうなんて。

では、取り出しましょう!とザルに開けます。そしてギュッギュッと手で押して濾していきます。この作業もなかなか疲れる疲れる~。けれどもタライに溜まっていく黄味を帯びた乳白色の液体は本当にキレイ!自分たちで作ったというのもあって感激もひとしお。そしてしぼりたてをさっそく試飲しました。
ざるで濾します!

ざるで濾します!

こういう感じでさっとすくって・・

こういう感じでさっとすくって・・

友人とみちんもギュッギュッ

友人とみちんもギュッギュッ

『こんなにおいしいのは初めてかも…』

甘すぎず辛すぎず、まさに果物の香りが、そう桃ですね!桃の柔らかい香りが口の中に広がります。自分で作ったというのも手伝ってベタ惚れの一品です。新鮮だからというのが一番でしょう、あらかじめ用意したプラスチックボトルになみなみとついで終了!防腐剤や甘味料が入っていないため、2~3週間で飲み切ってくださいとのことでした。
残った搾りかすはいわゆる酒粕になるわけですが、韓国ではチャメ(まくわうり)やキュウリなどの粕漬けを作ったり、豚肉の熟成に使ったりするそうです。ただ、粕漬けそのものの料理は韓国ではあまり発達していないのだそうで、多くは畑や果樹園の肥料として利用されるようです。
先生は、このお酒に合うおつまみについて少し講義をしてくれました。豆腐そのまま、三つ葉やもやしをさっとゆでて軽く味つけをしたナムルなどさっぱりしたものがオススメだとか。チヂミのようながっつりとした油ものより、お酒の味をより深く楽しむには野菜のナムルが一番だとのこと。それもごま油やにんにくで強めに味付けしたものではなく、さらっとしたシンプルなものを合わせて欲しいとのこと。うーん、通好みですね!ほろ酔い気分でスタジオを後にしたソウルナビのるみでした。

<コース案内>
先生のスタジオでの講座は自分の関心度によってコース選択が可能。一日(2時間))X2ヶ月コースがあります。

1.一日コース 伝統酒作り体験
受講料:3万ウォン
※3週間後に来られない方はすでに作り済みのものをお土産にできます

2.2ヶ月(8週間)コース
受講料:要問い合わせ
開講日:奇数月の第1週
内容:酒とは/酒の発酵剤/トンドン酒作り/ミッスル(酒母)作り/トッスル(醪)作り/応用酒作り/ソジュ(焼酎)作り/酒に合うつまみ学

マッコリバー『無名家(ムミョンチブ)』
弘大(上水駅より徒歩2分)にあるマッコリバー『無名家(ムミョンチブ)』というところでも教室を開いているそうです。
開講日:毎週土曜日14時より。5週コース
時間:2時間
受講料:12万ウォン
*2011年11月現在

プロジェクト空間への行き方 
地下鉄2号線新村駅出口7番を出て、道なりにまっすぐに写真のコンビニが見えたら右折、100メートルほどいった右側に見えます。
出口を出たらそのまま道なりに

出口を出たらそのまま道なりに

派出所が右手に見えてきます

派出所が右手に見えてきます

他のコンビニになってます

他のコンビニになってます

その他情報

メール:8738755@naver.com (韓国語あるいは簡単な英語)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-12-02

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