クル / 牡蠣

カキ/ 굴


秋から冬と熱々の鍋が恋しくなる季節、旬の料理が海の牛乳ともいわれる栄養満点の「クル(牡蠣)」。日本ならカキ鍋や牡蠣フライが頭に浮かぶと思いますが、韓国にもカキを使った料理がたくさんあるんです。専門店に行くとさまざまなカキ料理が楽しめるし、またレストランでもさまざまなカキ入りメニューを楽しむことができます。

クル(牡蠣)


牡蠣は韓国語で「굴(クル)」。漢字語では「モリョ(牡蠣)」または「ソックァ(石花)」。もっとも一般的なのが「クル」。クルは韓国でも「パダエウユ(海の牛乳)」といわれ、栄養豊富な食材として知られています。脳や筋肉の活動エネルギーとなるグリコーゲンを多く含み、ビタミンA、B、C、ナイアシン、ミネラル、たんぱく質もたっぷり。さらに亜鉛や鉄分、銅も含み、骨づくりや貧血予防にも良いとか。この栄養満点の牡蠣がもっとも美味しい季節が秋から冬にかけて。 また牡蠣の産地といえば有名なのが慶尚南道(キョンサンナムド)にあるトンヨン(統営)。ここでは全国の70%の牡蠣を生産しているとか。牡蠣の専門店にも「トンヨン産の牡蠣を使った・・・」などのPRをよく見かけます。そんな牡蠣を使った料理といえば、屋台や食堂の冬期限定メニューの「生ガキ」もありますが、キムチやクッパ、チヂミにスジェビにビビンバ・・・など、さまざまな料理にクルが使われます。牡蠣がメインのものもあれば、料理の味に深みをもたせるために牡蠣を使うことも。

<クルクッパッ(牡蠣のクッパ)>


クッパの中では比較的新しいメニュー。韓国のあるお宅で二日酔いの朝、旦那さまのために牡蠣入りのクッパッを作っていたものがはじまりとか。クルクッパッは弱った体に栄養補給&アルコールを飛ばしてくれる最適のヘジャングッ(酔い冷ましスープ)として、お店のメインメニューでもあると同時に人気メニュー。

<クルソッパッ(牡蠣の釜飯)・トゥッペギクルビビンバ(石焼カキビビンバ)>


牡蠣入りの石釜飯。日本の釜飯のようにシンプルな味付けで、辛い料理が苦手な方にもオススメ。炊き上がったご飯に醤油ベースの調味ソースあるいはコチュジャン(唐辛子味噌)などを掛け、混ぜていただきます。牡蠣の香りと味を楽しめる一品。お店によって牡蠣とモヤシなどを入れたシンプルなものもあれば、エビなどを入れた海鮮釜飯タイプのお店も。

<クルチュッ(牡蠣粥)>


韓国の朝ご飯の定番メニュー、チュッ(お粥)。胃にもやさしく消化のいいヘルシーなお粥は、旅先で疲れた胃を元気にしてくれます。お粥には山菜や海産物を使ったものがいろいろありますが、クルチュッ(牡蠣粥)もお粥専門店に行くと必ずといっていいほど扱っているメニュー。いくつかのシーフードと一緒にカキが入った海鮮粥もありますが、カキだけ入っているお粥もあり。これもカキ好きにオススメ。

<クルスンドゥブ(牡蠣入りのおぼろ豆腐チゲ)>


おぼろ豆腐入りのピリ辛のチゲ、スンドゥブ。食堂に行けばキムチチゲ、テンジャンチゲと並びよくおいてあるメニュー。スンドゥブチゲの専門チェーン店もたくさんあり、店によっては豚肉入りや牛肉入り、海鮮入りのスンドゥブのほか、牡蠣入りのスンドゥブを扱っているところも。カキの濃厚なスープが味わえる一品。

<クルチャンポン(牡蠣チャンポン)>


日本のちゃんぽんと同じく中華料理屋さんで扱っているメニューながら、韓国のチャンポンはスープの真っ赤っかな辛いスープが基本の、韓国式にアレンジされたチャンポン。クルチャンポン(牡蠣チャンポン)はカキ入りのチャンポンのこと。カキが入ることによってスープも濃厚に。ふつうチャンポンといえばイカやアサリなどの海鮮が入っているところが多いけれど、冷凍モノがほとんど。クルチャンポンはしっかり生の牡蠣入りの場合が多く、味付けも薄味のところが多いよう。

<クルポッサム(牡蠣のポッサム)>


ゆでて軟らかく脂も適度に落ちた豚肉をスライスし、ポッサムキムチとニンニク、青とおがらしなどをサンチュや塩水にさらした白菜などに包んで食べる料理、ポッサム。そのポッサムに牡蠣、豚の替わりに牡蠣を使うのがクルポッサム。お店によって牡蠣だけのところもあれば、同じお皿に牡蠣と豚肉スライスが一緒にでてくるところも。牡蠣だけを味わってもいいけれど、豚肉と牡蠣を一緒に食べてもまた美味。

<クルジョン>


カキをチヂミを作るときのタネにつけてたっぷりの油で焼いたもの。シンプルながらもカキの美味しさを味わえる一品。醤油に刻んだ唐辛子や唐辛子粉を入れたソースにつけていただきます。これは韓国の伝統酒、トンドン酒やマッコルリのおかずにぴったり。

<クルパジョン(海鮮パジョン)>


ネギ入りのお好み焼き、パジョン(チヂミ)。これにクル(カキ)が入ったバージョンがクルパジョン。お店によってヘムルパジョン(海鮮チヂミ)ともいい、ほとんどの場合はカキだけでなく、イカやエビなども一緒に入っている場合が多いです。こちらも酒、特にドンドンジュやマッコリなどの伝統酒などには定番おつまみ。またはクッパッ専門店でクッパッやビビンバを注文して、追加で一つ頼んでみんなでつまんでも良し。

<センクル(生牡蠣)>


牡蠣のおいしさを味わうにはそのまま食べるのが1番!夏はちょっと恐いけれど、冬はそのまま「セン(生)」でつるっといただきたい。ソウルの海鮮料理専門店に行くと、冬期限定で「センクル(生牡蠣)」というメニューがありますが、新鮮な牡蠣を楽しむにはやっぱり水産市場が一番。ノリャンジン水産市場に行けば市場で選んだ魚介類をその場で調理してくれるお店があり。他の魚介類は鍋にしてもらい、カキは生で!

<クルタンス(牡蠣揚げの甘酢あんかけ)>


韓国の中華屋さんに行くと必ずあるメニュー、タンスユッ。日本でいう酢豚のことで、豚肉に衣をつけて揚げたものに甘酢あんを掛けたもの。味は日本よりも甘めで豚肉も小さく衣の分厚いところが多く、中華料理店の人気メニュー。豚肉の替わりにカキを使ったタンスユッのカキ版がクルタンス。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-05-14

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