ソウルを本拠地にするプロ野球チーム『斗山ベアーズ』が韓国シリーズで優勝!2001年以来の優勝にソウルっ子も盛り上がりました!嗚呼、生きていて良かった!!
世界で一番熱い秋を迎えたソウル蚕室野球場
3月末から始まった2015年KBOリーグ。今年も変わらず、私は出張で日本と韓国を行ったりきたりしながら、蚕室野球場に通った。6月にMERSで出張がキャンセルされたことはあったものの、肌寒い春先から、大阪並みに蒸し暑い夏を経て、再び涼しくなった秋まで、斗山ベアーズと共に、笑って、泣いて、食べて、歌って、飲んで、踊って、楽しんだ。そんな今シーズンを振り返っていこう。
ペナントレースでのベアーズは、試合の後半を締めるリリーフ投手が居ない、外国人打者がイマイチ、エースのニッパート投手を含めて外国人投手も不振・・・と言いながらも、最終戦(10/3対KIAタイガース)に勝ったことにより3位でペナントレースを終えた。貯金14での3位である。2015年のセントラルリーグならブッち切りで優勝していたかもしれない勝率だ。三星ライオンズとNCダイノスが強すぎたとも言えるが、戦力の充実度から行くと、まぁ、順当な結果であろう。
最終的にペナントレースは、表のように順位が確定した。いよいよ、血沸き肉踊る『ポストシーズン(秋野球)』のスタートである。
ここで、斗山ベアーズの『秋の大河ドラマ』を語る前に、韓国プロ野球のポストシーズンについて簡単に説明しておこう。
「KBOポストシーズンの仕組み」
ペナントレース終了後、全10チームのうち上位5チームが下記のシステムでポストシーズンゲームを戦い、優勝チームを決定する。
① まず、 公式戦5位と公式戦4位が3戦2勝制のワイルドカード決勝戦(4位チームにアドバンテージ1勝)を行い、
② ①の勝者と公式戦3位が5戦3勝制の準プレーオフを行い、
③ ②の勝者と公式戦2位チームが5戦3勝制によるプレーオフを行い、
④ ③の勝者と公式戦1位チームが7戦4勝制による「韓国シリーズ」を戦い、
韓国シリーズ最終戦に勝ったチームが優勝となる。
日本のように、一部の強豪チームからペナントレース優勝も評価して欲しいという声があり、『ペナントレース優勝』というものも仕組みとしては出来てはいるが、ファンも選手も『韓国シリーズ優勝=本物の優勝』という感覚が身に染みている。なので今でも通常『優勝』といえば『韓国シリーズ優勝』のことを指す。我が斗山ベアーズはペナントレースの順位が3位なので、②のステップから参戦である。
ペナントレース至上主義者からすると、このシステムは『5位チームでも優勝できるなんておかしくないか?』と思うかもしれないが、正直に言って、1位チームが圧倒的に有利なシステムである。ペナントレース最終日から、さほど日を置かずしてポストシーズンが始まるため、日本のポストシーズンとは違って下位チームにはリフレッシュしてから戦う余裕は与えられず、雨が降らなければ1週間に5試合程度のペースで『明日なき戦い』が続くのだ。先発投手は中3、4日でフル回転、チームが劣勢になればエースもブルペン待機である。ペナントレースとは異なり、少々の怪我でも主力選手を外す訳にはいかない。激戦になればなるほど、体力は消耗し、ケガ人も増える。それを1位チームは、温泉にでも浸かりながら、上から眺めて待っているという訳である。もともと、戦力が充実している1位チームはガソリン満タン状態で、ボロボロになりながら這い上がってきた挑戦者を叩けば良いので、2001年以来、ペナントレース1位チームが引っくり返された例はない。王者が有利ではあるものの、挑戦者にも『ほんのわずかながらのチャンス』が残されているという韓国プロ野球のポストシーズンは、なかなかよく出来ている制度だと、私は評価している。
その2001年というのが実は、勝率5割そこそこで3位になった斗山ベアーズが三星ライオンズ相手に下克上を成し遂げた年である。ベアーズファンは半分は冗談、半分は本気で『Again 2001』を口にしながら、ワイルドカード決定戦を勝ち上がった4位ネクセンヒーローズを、ホームである蚕室野球場に迎え撃った。
<準プレーオフ> vs ネクセンヒーローズ
第1戦
2015年 10月10日 – ソウル蚕室野球場
◎ベアーズ(1勝) 4-3 ヒーローズ(1敗)
勝利投手 :イ・ヒョンスン
敗戦投手 : キム・テクヒョン
ホームラン : ネクセン – パク・ドンウォン ( 3回ソロ), パク・ピョンホ ( 6回ソロ)
<日本から応援>
平和な週末。家族で買い物へ行った帰りに、公園で次男と遊んでいる間、スマホで文字中継をチェックしながらソワソワ。ニッパート投手が好投しているものの、打線が5回までゼロ行進。6回以降は点を取っては取られてという展開で、9回に同点に追いつき、延長戦に突入。最後はパク・コンウ外野手のサヨナラヒットで初戦を取った。さぁ、明日は蚕室へ行くぞ!
第2戦
2015年 10月11日 – ソウル蚕室野球場
◎ベアーズ(2勝)3-2 ヒーローズ(2敗)
勝利投手 : チャン・ウォンジュン
敗戦投手 : ハ・ヨンミン
セーブ : イ・ヒョンスン
ホールド : ノ・ギョンウン、ハム・ドクジュ
ホームラン : ネクセン – パク・ドンウォン( 3回ソロ)
<球場へ>
出張のためソウルへ!ついでに野球が見られる!11時発のアシアナ航空1115便で金浦空港に降り立ったのが午後1時過ぎ。そこから地下鉄9号線に乗り、総合運動場駅へ。時計は午後2時半。試合開始は2時だったので、プレイボールには間に合わなかったが、総合運動場交差点裏にあるホテルにチェックインし、トランクを部屋に放り込んで球場へ。表通りであるオリンピック路にまで、場内の歓声が響き渡っていた。やはり、ポストシーズンは盛り上がり方が違う。斗山ベアーズのチョ・ソンイル部長を球場事務所に訪ねてチケットを受け取り、スタンドへ。中央ネイビー席314ブロック395番。席についたと同時に3回裏のベアーズの攻撃が始まった。ネット裏の最上段の席だが、通路にまで人が溢れかえり、一塁からライト側のスタンドは何万もの白いベアーズの旗が打ち振られ、応援の声もいつもより大きい。人が多すぎて、一度座るとトイレや売店に行くのも面倒になる。試合は何度か雨で中断し、気温も低かったものの、無事に勝利!
試合が終わってから、チョ・ソンイル部長とチョ部長の知人2名と私の合計4人で、球場近くの蛸料理店へ(さばきたての蛸を鉄板で炒める料理が名物)。『今週は暖かかったけど、なぜか毎年、ポストシーズンが始まると、それなりに冷え込んでくるよな』『とりあえず、蚕室で2勝できたのは大きい』『今年はチャンスがあるぞ。何とか韓国シリーズまで行けば、今年の三星ライオンズは過去4年のライオンズほどの強さはないからな』『早めにネクセンを片付けたら、投手のやりくりも楽になる』『2013年も惜しいところまで行ったけど、最後はケガ人が多くて負けた。ケガ人が出なければ勝てるチャンスはある』『とりあえず、(韓国シリーズ優勝まで)あと8勝だ』・・・このとき、何気なく『あと8勝』という話が出たのだが、今思えば『なんとなく今年は行けそうだ』という予感が、この時点で関係者やファンの間で漂い始めたのかもしれない。
第3戦
2015年 10月13日 – ソウル木洞野球場
◎ヒーローズ(1勝2敗)5-2 ベアーズ(2勝1敗)
勝利投手 : ベンヘッケン
敗戦投手 : ユ・フィグヮン
セーブ : チョ・サンウ
ホームラン : ネクセン – ソ・ゴンチャン( 3回ソロ), キム・ハソン( 4回ソロ)
<球場へ>
無事に仕事を終え、夕刻、地下鉄を乗り継ぎ、ソウルの西側にある木洞野球場へ。地下鉄の車内から既にベアーズのジャンパーやパーカーを着ている人があちらこちらに居る。地下鉄5号線オモッキョ駅から球場へ続く道は、ネクセンヒーローズのファンよりも、『今日で決める!』と意気込んでやってきたベアーズファンの姿が目立つ。木洞野球場は、2013年4月にベアーズの試合を一度見ているが、そのときはボコボコにされた。昨年は、インチョンアジア大会の香港対韓国の試合をこの球場で見ている。外野の後ろに幹線道路があるため、外野席はなく、内野席も小さい。センターが118メートルという狭いフィールドは、ホームラン製造工場とも言え、ヒーローズのスタメンには当たれば飛ぶタイプのパワーヒッターが並ぶ(ネクセンの主軸打者のパワーは、球場の大きさに関係ないホームランを飛ばす。かつての近鉄バファローズと藤井寺球場の関係みたいなものか。近隣への騒音公害が問題化しているのも藤井寺と同じ)。したがって、信じられないような逆転劇が繰り広げられるのも、この球場の特徴だ。序盤の7点差は、決してセーフティリードとは言えないのが、ネクセンヒーローズの野球である。今日の試合はどうなるのか。ベアーズの先発投手は、『アナと雪の女王』に出てくる『オラフ』にますます似てきた左腕エース、ユ・フィグヮン。今季は18勝もしたエース投手だが、9月から調子が下がり気味で、ポストシーズンもローテーションの3番手に配置された。対するヒーローズは昨年20勝したKBOリーグを代表する外国人左腕投手ベンヘッケン。この球場名物の1リットルのペットボトル入りビールを飲みながら、ヤンニョムチキンをつまんでいるうちに、コツコツとヒーローズ打線が得点を重ね、緩急と絶妙のコントロールでベンヘッケン投手がベアーズ打者を料理していく。結局、2-5で敗戦。シリーズの成績は2勝1敗となった。来季、ネクセンヒーローズは、木洞野球場から韓国初のドーム球場『コチョク洞スカイドーム』へ移転される予定になっているため、私の木洞野球場での観戦も、この日が最後だっただけに悔しい。生涯、木洞野球場でベアーズの勝利を見ることが出来なくなった・・・嗚呼!
第4戦
2015年10月14日 – ソウル木洞野球場
◎ベアーズ(3勝1敗)11-9 ヒーローズ(1勝3敗)
勝利投手 : オ・ヒョンテク
敗戦投手 : チョ・サンウ
セーブ : イ・ヒョンスン
ホームラン : ネクセン – パク・ピョンホ ( 5回ソロ)
<ホテルに帰るまでやきもき>
今日勝てば、プレーオフ進出!球場へ行き、この目で見届けたいところだが、この日は、仕事関係の方々と食事へ。サンギョプサル、テジカルビに焼酎。店にはテレビがなく、心の奥からテレパシーを送って応援。食事会が終わって、ホテルに帰るまでの地下鉄車内で、だれか中継を見ている人は居ないか探してみるが、たまたま巡り合わせが悪いのか、私の近くには居なかった。降車駅に近づいたころ、遠くから『今日は、結構、がんばったんじゃないの。まぁ、蚕室の第5戦になったらホームの斗山が有利じゃない?』『いや、こうなったらネクセンだろ、打線も当たってきたし』『おいおい、点差が縮まってきたぞ』『まぁ、ここまでだろ。さすがに逆転はないよ』・・・という学生風の男性二人の会話が細切れに聞こえてきた。どっちが、勝っているのか、この会話だけではわからない。ホテルに着くや、テレビのスイッチを入れた。画面には9回裏ネクセンヒーローズの攻撃が映されていた。既に2アウト。ジャケットを脱いでハンガーに掛け、再び画面に目をやると、ベアーズの抑えイ・ヒョンスン投手が3つ目のアウトを取ったところだった。どうも、ベアーズが勝ったらしい。ただ、アナウンサーと解説者の興奮具合が少しおかしい。程なくして、ハイライト映像が流れてきて、だんだんと事態が飲み込めてきた。6回まで、ベアーズはダブルプレーの山を築き、その間にヒーローズが9点を挙げた。7回が始まる時点で2-9とヒーローズがリードしていたのだが、そこからベアーズが9点を取って逆転したらしい。昨日、こんな試合が見られたら良かったのに・・・と思いながらも、プレーオフ進出が嬉しくて、夜中までスポーツニュースのハシゴをした。翌日、帰国の飛行機でもらったスポーツ新聞も熟読。今年の秋は幸せだ。
奇跡の逆転勝ちを伝えるスポーツ新聞
<プレーオフ> vs NCダイノス
第1戦
2015年 10月18日 - 馬山総合運動場野球場
◎ベアーズ(1勝)7-0 ダイノス(1敗)
勝利投手 : ニッパート
敗戦投手 : ハッカー
ホームラン : 斗山 – ミン・ビョンホン( 3回ソロ、7回3ラン), ホン・ソンフン( 4回ソロ)
<日本から応援>
ベアーズファンから『ニヌニム』として崇められるニッパート投手(韓国語では神様をハヌニムというので、ニッパート+神様の造語がニックネームになっている)。さすが神様と呼ばれるエースである。単に勝つだけではなく、お疲れ気味のブルペンに休養を与え、NCダイノス打線の試合勘が戻らぬうちに、サッサ、サッサと完封勝ち。あと6勝だ!
第2戦
2015年10月19日 - 馬山総合運動場野球場
◎ダイノス(1勝1敗)2-1 ベアーズ(1勝1敗)
勝利投手 : スチュアート
敗戦投手 : ハム・ドクジュ
ホームラン : 斗山 – オ・ジェウォン( 8回ソロ)
<日本から応援>
NCダイノス先発のスチュアート投手から点が取れそうな雰囲気がないまま、8回表を迎えたが、ここで主将のオ・ジェウォン選手のソロホームランが飛び出し、ひょっとしたら・・・と思わせたが、8回裏に『しょうもないミス』で逆転負け。まぁ、こんな日もある。救いはNC打線の試合感覚が戻っていないことか。
第3戦
2015年10月21日 – ソウル蚕室野球場
◎ダイノス(2勝1敗)16-2 ベアーズ(1勝2敗)
勝利投手 : ソン・ミンハン 敗戦投手 : ユ・フィグヮン ホールド : イ・ミンホ
ホームラン : NC – チェ・ジェウォン( 9回ソロ), ノ・ジンヒョク( 9回2ラン)
<球場へ>
今月二度目の出張でソウルへ。翌日はプサンへ行く予定になっており、第4戦は韓国に居ながらも球場にはいけない。今シーズン最後の観戦。ここまで韓国での生観戦成績は9勝6敗。なんとか二桁勝利を・・・と思ったが、『オラフ』ユ・フィグヮン投手の調子がイマイチ。終盤は若手リリーフ投手がボコボコにされ、終わってみれば2-16。8回から帰宅するファンも続出したが、私は最後まで見届けた。第2戦まで寝ていたテイムズ、ナ・ソンボムといったNCダイノスの主軸打者を完全に起こしてしまった。ホテルに帰って、嫁はんにカカオトークで報告したら『家族を放って球場に行くからや』とチクリ。ア痛タタタ。スポーツニュースは一切見ないで寝る。
さぁ、今日も応援すんで~
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終盤、NC打線にボコボコにされた
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私も、こんな顔に・・・
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厳しい現実を伝えるスコアボード
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第4戦
2015年10月22日 – ソウル蚕室野球場
◎ベアーズ(2勝2敗)7-0 ダイノス(2勝2敗)
勝利投手 : ニッパート
敗戦投手 : ハッカー
<プサンから応援>
昼間はアニャン市にある取引先を訪問し、夕方に飛行機でプサンへ行き上司と合流。取引先の社長(LGツインズのファン)から『斗山はどないや?今日はワシもニッパートが好投するように応援するわ』と激励される。プサン金海空港近くの食堂で上司とテジクッパと焼酎。食堂はテレビがあったが、女主人がドラマを見ていたので『野球に変えて』とは言いづらく・・・(ソウルで食事しているときは、よく『斗山の試合に変えて』と頼むのだが、プサンはNCの本拠地である馬山に近いこともあって、何となく気が引けた)。ホテルに帰って、すぐさまテレビをON。8回裏の攻撃が始まるところで、スコアは4-0。そこから3点を追加。神様ニッパート投手がNC打線を完璧に抑え、ミン・ビョンホン選手、ホ・ギョンミン選手が活躍したらしい。とりあえず2015年終戦は回避。良かった、良かった。あと5勝!
第5戦
2015年10月24日 – 馬山総合運動場野球場
◎ベアーズ(3勝2敗)6-4 ダイノス(2勝3敗)
勝利投手 : チャン・ウォンジュン
敗戦投手 : スチュアート
セーブ : イ・ヒョンスン
ホームラン : 斗山 – ヤン・ウィジ( 4回ソロ) NC – チ・ソクフン( 6回ソロ)
<日本から応援>
23日に日本に帰って、この日は、自宅に両親を呼んで母の誕生日パーティー。ケーキを食べながらも、片目では戦況確認。0-2とリードされたものの、5回に逆転。追い上げられてヒヤヒヤしたものの、切り札イ・ヒョンスン投手を7回から突っ込んで逃げ切り。さぁ、韓国シリーズだ!あと4勝!
さぁ、韓国シリーズだ!
<韓国シリーズ> vs 三星ライオンズ
(残念だった『賭博問題』)
今年もペナントレースで1位となり、我が斗山ベアーズも散々、痛い目に遭わせた王者、三星ライオンズであったが、韓国シリーズを前に、主力投手3名が、昨年、マカオで違法賭博をしていたのではという疑いで捜査対象になっていることが表面化。刑事事件になる前に、三星ライオンズ球団は、当該3選手を韓国シリーズに出場させないことを決めた。そのせいで、三星ライオンズは、先発エース、最強中継ぎ、ベテランクローザーを欠いて韓国シリーズを戦わなければならなくなった。
第1戦
2015年10月26日 – テグ市民運動場野球場
◎ライオンズ(1勝)9-8 ベアーズ(1敗)
勝利投手 : ペク・ジョンヒョン
敗戦投手 : イ・ヒョンスン
セーブ : チャ・ウチャン
ホームラン : 斗山 – ホ・ギョンミン( 1回ソロ) 三星 – パク・ソクミン( 4回ソロ), ナバロ( 7回3ラン)
<日本から応援>
投手が3人くらい欠けても、ペナントレースで5勝11敗だった相手である。投手は抜けても、野手はそのまんま。楽して勝てる相手ではない・・・ところが、フタを開けたら、2回までに5点リード。先発『オラフ』が不安定ながらも7回開始時点で8-4。嗚呼、それなのに。昨年の韓国シリーズMVPのナバロ選手の3ランは良いとして、切り札イ・ヒョンスン投手を突っ込んだのに、エラーまで飛び出し5失点。痛すぎる逆転負け。やはり百獣の王には勝てないのか。
第2戦
2015年10月27日 - テグ市民運動場野球場
◎ベアーズ(1勝1敗)6-1 ライオンズ(1勝1敗)
勝利投手 : ニッパート
敗戦投手 : チャン・ウォンサム
<日本から応援>
前日は、痛い敗戦だったが、今日は『神様、ニッパート様』が降臨する日である。百獣の王も神様にはかなうまい。予定調和でライオンを料理。なんて、書いているものの、怖くてテレビの前に近寄ったり離れたりしながら観戦。とりあえず、勝って良かった。さぁ、あと3勝だ!
第3戦
2015年10月29日 – ソウル蚕室野球場
◎ベアーズ(2勝1敗)5-1 ライオンズ(1勝2敗)
勝利投手 : チャン・ウォンジュン
敗戦投手 : クレイド
<日本から応援>
今季、FAでロッテジャイアンツからやってきた先発のチャン・ウォンジュン投手。初回こそ1失点したものの、その後は、のらりくらりとライオンズ打線を料理していく。雨天中断を挟んで、流れをつかんだベアーズは、4回にパク・コンウ選手の2点適時打で逆転、その後も敵失などで追加点。最後はイ・ヒョンスン投手が締めて、対戦成績を2勝1敗とした。さぁ、あと2勝!
第4戦
2015年10月30日 – ソウル蚕室野球場
◎ベアーズ(3勝1敗)4-3 ライオンズ(1勝3敗)
勝利投手 : ノ・ギョンウン
敗戦投手 : フィガロ
セーブ : イ・ヒョンスン
<京橋の日本料理店から応援>
この日は、仕事関係で食事へ。文字中継を見ながらそわそわ。初回に敵失で2点を先制するも、先発イ・ヒョンホ投手がピリッとせず、2回途中で降板。昨シーズンから不調が続くノ・ギョンウン投手へスイッチ。直感的に『今日はアカン!』と思ったベアーズファンも多かったのだが、『醜いアヒルの子』だったノ・ギョンウン投手が大変身!2回から7回途中まで5回2/3、92球を無失点の快投。その間に、打線も第1戦で抑えられたチャ・ウチャン投手を相手に逆転に成功。9回表は1死満塁のピンチを招くも、好守で守り切って、韓国シリーズ優勝に王手をかけた。さぁ、あと1勝!2013年にも3勝1敗で王手をかけた経験はあるが、この時は3連敗を喫した。第5戦は地元ソウルでの試合ということもあり、キム・テヒョン監督も『エースのニッパートもブルペンに待機させる。明日は総力戦で勝ちに行く』とインタビューで公言。いよいよクライマックスへ!
第5戦
2015年10月31日 – ソウル蚕室野球場
◎ベアーズ(4勝1敗)13-2 ライオンズ(1勝4敗)
勝利投手 : ユ・フィグヮン
敗戦投手 : チャン・ウォンサム
ホームラン : 斗山 – チョン・スビン( 7回3ラン)
<近鉄電車、鶴橋駅前から応援>
この日は、朝から電車好きの息子たちを連れて、近鉄電車の五位堂検車区で行われる『きんてつ鉄道まつり』へ。午後2時、ソウルでは運命の第5戦がスタート。子供と踏切や行先表示板のアトラクションで遊びながらも、文字中継をチラチラ。序盤からリードを広げていくものの、長年、優勝と縁がなかったベアーズファンは、『また、ひっくり返されるんちゃうか・・・』との不安が消えない。嫁はんに、近鉄沿線に来たのだから、帰りは鶴橋で韓国料理を食べに行こうと提案し、5時頃に韓国料理店へ。スマホを文字中継からテレビ中継に切り替えたところで、チョン・スビン選手の3ランホームランが飛び出し、12-2。投手は『オラフ』ユ・フィグヮン投手~神様ニッパート投手~守護神イ・ヒョンスン投手と繋いで勝利!!斗山ベアーズが2001年以来の韓国シリーズ優勝を成し遂げた。第1戦でバントの際に左手に投球が当たり、人差し指を6針縫って第2戦は欠場したものの、第3戦以降は指名打者で出場を続けたチョン・スビン選手。今シーズン終了時に兵役に行く予定だったのを、もう一年先延ばしにして、ポストシーズンに全力を注いできただけあって、この韓国シリーズはケガにも負けず大活躍。韓国シリーズMVPにも選ばれた。
韓国シリーズが終わって、しばらくは雲の上を歩いているような感覚に襲われた。『でも、ペナントレースは3位のチームでしょ?』『三星ライオンズがハンデをくれなきゃ負けていた(三星が勝手にコケた)』なんて声も聞こえてくるが、『優勝は、優勝じゃ!何か文句あっか!』という気分である。日本やメジャーリーグでも、私が長年応援してきたチームが優勝したという経験はあるが、今回の2015年のベアーズの韓国シリーズ制覇は、一段と感慨深い。ベアーズは90年代末から応援しているが、特に2012年からソウルと大阪を仕事で行き来しながら、会社の売上を伸ばしつつ、蚕室野球場に通ってベアーズの応援を続けてきた甲斐があった。チョ・ソンイル部長をはじめとする斗山ベアーズの選手、スタッフ、ファンに感謝したい。もっとも、ソウル出張中は、家族からすると父親が遠くへ行っているわけで、寂しい思いもさせてきた。嫁はん、息子たちにも感謝、感謝である。
さてと、優勝記念グッズは何を買おうか。
<おまけ>
11/28に行われた優勝記念『ベアーズファンフェスト』も多くのファンが詰めかけた。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2015-11-30