北村の小さな韓屋で天然染色を体験!心に残る自分色の韓国土産を!
こんにちは!ソウルナビです。忙しく歩き回るだけではなく、何かに夢中になりながらゆったり過ごす時間って、旅行のステキな思い出になると思いませんか?例えば、ドラマで見るような、昔ながらの伝統家屋「韓屋(ハノッ)」。今日は実際にこの韓屋に入って、まるでここの家の人のように過ごせる場所を見つけたのでご紹介します!静かで穏やかな時間が流れる北村(プッチョン)で、昔ながらの天然染色が体験できる「イ・ジョンナム染色研究所」。いかめしい名前だけど、いらっしゃるのはあたたかいお姉さまスタッフ。男性でも女性でも似合いそうなスカーフなどを好きな色に染められるので、手に残るお土産もできるってわけ。それでは、さっそく行ってみましょう!
◇◆ 北村の小道にある、手入れの行き届いた居心地のいい韓屋。
地下鉄3号線アングク(安国)駅から北へ上がっていくと、韓屋が連なる北村(プッチョン)があります。ここの小道にあるのが、「イ・ジョンナム天然染色研究所」。こちらは居心地のいい天然染色の研究所兼ギャラリーです。門から覗くと、鮮やかな色の布地が風にそよいでいるのが見えます。このこじんまりとした韓屋には自由にあがることができ、作品見学と染付けの体験ができます。時間のない方も是非あがって優しい時間の流れを感じて欲しい、そんな場所です。実はナビも、ふらふら北村を散歩していて偶然みつけたんですよ。こんな出会いもあったり、おしゃれなカフェなんかもあるってところがさすが北村。
中庭には染料の入ったタライや大きな壷、季節の花々が。屋内の調度品も、時代の流れを感じるものばかり。骨董品と思っていた電話機もちゃんと現役です。
中庭の様子
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植木の中には、染料の原料となる草花も。
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◇◆ 布が染まるまで~染色体験の様子~
イ・ジョンナム先生
実際の染色の風景をご紹介!今日は体験中のところにオジャマさせてもらいます!ご紹介するのは、一番スタンダードな麻のストールのコース。そのほか、ハンカチコースなどもあります。また、100パーセントの綿やシルクならTシャツなども染められるそう。ストールやハンカチ以外を希望する場合は予約時に相談してみてくださいね!
先生と色合いや、染め方(デザイン)を相談
やってみたい色、色の深さ、シボリを入れるか1色染めか、などを相談して色合いとデザインを決めます。好きな色と似合う色って違ったりするもの。教室にあるサンプルを顔に合わせながら考えると、決断がつきやすいですよ。このときに出していただいた梅茶は、さっぱりしていてとっても美味しかったです^^
色のイメージは当日に決めることもできますが、できるだけ体験する3日前までに伝えておきましょう。それは、天然の材料を使った染色なので、染料の準備に時間がかかるため。その場で色を決める場合、時間や材料の関係で、やりたい色ができない可能性があるんです。
☆☆ 色合い決定!! ☆☆
藍色、グラデーションの黄色、緑に決定。下の写真は目標のサンプルと、今回染める麻のスカーフ。こんなに真っ白な麻の布地がどんなふうに染まるのか、とっても楽しみ。
今回染めるのはこちら!真っ白な麻のストール。
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染める前のストールと、完成イメージ
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素材の準備!布地を優しく洗います。
優しくタライの中で探り、麻の布地についているホコリや糸くずを落とします。このホコリ、細かい糸くずをきれいに落とすのが、美しい仕上がりの最初のポイント。きれいな水の中で指先を使って手繰り寄せたり、戻していったり。水がみるみる濁ります。先生からOKが出るまで繰り返します。
いよいよ染色開始!
今回は特別に、染料の準備から見せてもらいます。ただ染料につけるだけと思ったら大間違い。色ごとに、染色の手順が違うんです。今回は藍色、グラデーションの黄色、緑。どの色が一番大変だと思いますか?
○「藍色」は繰り返しと空気との化学変化がキモ!
染料は、藍の葉を発酵されたもの。中庭の隅に、大きな壷に入って常時スタンバイしているのですが、これがなにやら沼のニオイが。発酵のせい??
染料を手で大きく混ぜてから、ストールをはじからゆっくり入れていきます。布地が表面の空気に触れないようにやわやわと泳がせながら染料を十分染み込ませます。
引き上げてスグに広げて振り、空気にさらします。緑っぽかったのが、みるみる藍色に!不思議~!十分色が変化したら干して、いったん乾燥。これを気に入りの色になるまで繰り返します。3回もすると、だいぶ濃い紺色に。コレくらいの色がいいと先生に事前に伝えておけば、引き上げるタイミングなど、しっかりアドバイスもらえますよ。
○「黄色」はたまねぎベース。
黄色の染料は何から作ると思いますか?なんと玉ねぎの皮。鍋でコトコト煮出しています。これにミョウバン(明るい黄色)と鉄分(暗い黄色)を吸わせてグラデーションを入れるんだそう。
まず、玉ねぎの皮の煮だし汁につけてベースの色をいれます。これで全体的に薄い黄色に。煮出し汁が熱湯なので、熱くてしんどい・・・そんなときは、スプーンでまぜまぜしてもいいそう。取り出して絞り、きれいな水で一旦洗浄します。
一定の幅で折り返してたたみ、折った辺だけを鉄とミョウバンにそれぞれ漬けます。先生の頭の中では計算されていたのでしょう。広げてみるとちゃんと縞模様が!このファジーなカンジが、手染めらしくていいですね。あとは広げて乾かせば完成!!
○「緑」は藍色+玉ねぎの皮の黄色。
最初に藍色で染め、洗い、いったん乾かしてから玉ねぎの黄色を入れると緑色に!それぞれの色で染め、洗いを繰り返すので、一番時間がかかりました~
濡れた状態で見ると、ダークグリーンですが、乾くとはっきりした緑色に。苦労の甲斐があって、絶妙なグリーンに染まりました。ご本人にもとってもお似合い^^
手前からグリーン、ふつうの藍(2回染め)、濃いめの藍(3回染め)
完成品はコチラ!
仲間同士で一緒に楽しんで、それぞれ個性にあったストールができあがり。いかがですか~??
黄色のグラデーション
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藍と黄色から生まれた、グリーン!
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日本の男性陣も、最近はワカモノに限らずストールを使いこなす方が多いですよね。コチラで用意してくれるストールはハリがあって、男性でも巻きスカーフとして使いやすそう。むしろ男性の方がはまっちゃうかも?!
◇◆ 体験は事前に申込を!
見学は、開館時間内ならいつでも自由にOKだそうですが、染色体験は予約が必須です。少人数で行うため、直前だと希望の時間が取れないことも。2,3週間前に予約をしておくのが安心だそう。とはいえ、直前に思いついた場合も、あきらめずに一応は相談してみてくださいね!また、今回は染物をご紹介しましたが、別のお部屋では野花の刺繍や洋服作りなどお裁縫教室も開催されています。そちらもリクエストがあれば体験OKだそうですよ。
※「染色体験」の申込方法はページの一番下の「備考欄」にあります。
自分で染めた布に刺繍するというのもアリ。
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草花の刺繍
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このときは、アプチマ(エプロン)を借りちゃいました~
☆染色体験のときはここにご注意☆
染色体験に行くなら気をつけたほうがいいかな~ってポイント。服や靴は色がついても問題がない素材、色合いのもので行きましょう。自分で染料を混ぜたりゆすいだりするので、知らず知らず染料が飛んで服につきます。また、中庭の水場にしゃがみこんでの作業もあるので、動きやすい服がいいですよ。
いかがでしたか?風情ある韓屋の中庭で昔ながらの染色体験。手を使って水に、布に触れながらする作業は子供時代に戻った気分で、ナビもとっても楽しかったです。染めたスカーフやハンカチがステキなお土産になるのはもちろん、伝統家屋で過ごすゆったりとした時間が何よりの思い出になりそう。また、好きな色を選べるので、お友達同士や、夫婦、カップルの旅行の記念にもよさそうです。時間のない方は敷地内の見学だけでもOKだそうなので、是非たずねて見てくださいね。以上、ソウルナビがお伝えしました。