昌徳宮・後苑特別観覧

たっぷり徒歩2時間コース!自然と調和した美しい庭園を散策!

こんにちは!ソウルナビです。韓国にある世界文化遺産のうち、ソウル中心部にあるのが李朝の歴代王と王妃、功臣などの位牌を祀った「宗廟(チョンミョ)」、そして景福宮の離宮として建造された李氏朝鮮の宮殿「昌徳宮(チャンドックン)」。この2つは場所的にも寄りやすいし、ソウルの観光スケジュールを立てるときには必ずチェックしたいところ。今年(2010年)5月からは観覧システムが変わりました。以前は自然と建物保存のために、1週間のうち1日を除いて決まった時間だけ観覧できるようになっていましたが、今回からは敷地内のエリアによって一般観覧(自由観覧)、ガイド付きの制限観覧の2タイプに分かれています。一般観覧は基本的に自由観覧ですが、ガイドさんの説明を受けたい場合は言語別(日本語、韓国語、英語、中国語)に決められているので、その時間に合わせて入場すればOK!また今回ナビが行ってきたガイド付きの制限観覧は、決められた時間のみ入場が可能です。くわしい時間帯はその他欄でご確認くださいね。では、さっそくご紹介しましょう!

【後苑特別観覧】


※後苑特別観覧は解説者のガイド付き観覧のみ可能。
コース:涵陽門-演慶堂・善香齋-ウィドゥハム-不老門-芙蓉池-愛蓮池-尊徳亭・ピョムサ-玉流川-タレナム-敦化門
所要時間:2時間
言語:韓国語、英語、日本語、中国語
※時間は基本情報を参照ください。
主なスポットをご紹介。1~9までは自由に観覧できる一般観覧エリア。また10~18までが後苑特別観覧エリアです。位置的には入口から一番遠いのが玉 流川(約1,250m)、その中間あたりに芙蓉池エリア(約640m)、入口に近いところに宮殿エリアがあり。つまり、一番遠い玉流川まで行く後苑特別観 覧は観覧時間も2時間ほどかかり、道も緩やかですが山道のようなところもあります。なので、入口までまた歩いて戻ることも考慮に入れ、興味と体力と時間に 合わせて挑戦してくださいね。また、雨が降ったあとなど足場が悪い場合もあるので、歩きやすい靴・服装で行かれることをオススメします。

1.敦化門(トンファムン) (昌徳宮入口)
2.錦川橋(クムチョンギョ)
3.仁政門(インジョンムン)と仁政殿(インジョンジョン)
4.宣政殿(ソンジョンジョン)
5.御車庫(オチャゴ)
6.熙政堂(ヒジョンダン)
7.大造殿(デジョジョン)
8.楽善斎(ナクソンジェ)
9.誠正閣(ソンジョンカク)または内医院(ネウィウォン)
10.芙蓉池(プヨンジ)と芙蓉亭(プヨンジョン)
11.宙合楼(チュハンヌ)
12.英花堂(ヨンファダン)
13.不老門(プルロムン)
14.寄倣軒(キオホン)と倚斗ハム(ウィドゥハム)
15.愛蓮池(エリョンジ)と愛蓮亭(エリョンジョン)
16.演慶堂(ヨンギョンダン)と善香齋(ソンヒャンジェ)
17.尊徳亭(ソンドクジョン)と貶愚謝(ピョムウサ)
18.玉流川(オンニュチョン)
まずは入口で入場チケットを購入(地図の1番の手前)。
入口すぐ左にあるチケットブースで入場券(一般観覧)を購入します。この券があれば、一般観覧エリアは自由に観覧できます。しかし今回特別観覧に参加しに来たナビ、一般観覧エリアはさらっと見て、後苑特別観覧のチケット売場に向かいます。場所は上の地図でいうと、10番あたりの後苑入口。ここで追加料金を出してチケットを購入しましょう。ちなみに、ナビみたいに後苑特別観覧だけ観たい、という場合も、一般観覧の入場券は必要になります。
次に後苑入口で後苑特別観覧のチケットを購入します(地図の9番の少し上あたり)
こちらは後苑特別観覧用のチケットブースで、ツアーもここからスタートします。このチケットブースを境に、左側が特別観覧用の入口、右側が昌慶宮への連結通路になっています。窓口は二つあり、左側が特別観覧用チケット窓口、右は昌慶宮も一緒に観覧したい方のためのチケット窓口。昌慶宮と昌徳宮は隣り合わせになっているので、一緒に観覧する場合、別々に入場料を買わずにこうして連結通路を通って行くとおトクです。
入口の門をくぐり、まっすぐ進み、

入口の門をくぐり、まっすぐ進み、

右手の橋を渡って、

右手の橋を渡って、

直進します。

直進します。

右手のカフェを越えて、斜め左に進むと、後苑入口。

右手のカフェを越えて、斜め左に進むと、後苑入口。

チケット

チケット

向かって右手は昌慶宮への連結通路(涵陽門)

向かって右手は昌慶宮への連結通路(涵陽門)

<<後苑(フウォン)>>
秘苑(ピウォン)として人々に広く親しまれているこのお庭は、もともと後苑(フウォン)といい、朝鮮第3代王、太宗5年(1405年)昌徳宮の創建時に宮殿の庭園として造られました。ここで王や王妃が余暇を楽しんだり、勉強をしたりしていました。1592年、文禄・慶長の役で大半の庭亭が焼失しましたが、1623年に改修増築され、今の姿を維持しています。この庭園は、韓国伝統の造園技術による自然をそのまま生かした造りになっていて、ソウルにいるとは思えないような美しい豊かな自然に魅せられ、一年中たくさんの観光客が訪れます。
観覧スタート!
宮殿エリアの終わりにある後苑入口からは、少し傾斜のある山道(舗装されている道)を歩きます。ここからは森の中なので、夏の暑い日でも少し冷~んやり。 最後は石の階段を下りると、蓮池の奥に民家のような建物が現れます。
●演慶堂(ヨンギョダン)
朝鮮第23代王、孝明世子が純祖28年(1828)に当時の士大夫(朝鮮時代の上流階級)の家を真似て昌徳宮の中に作った120軒の民家形式の建物です。男性が生活をする舎廊棟(サランチェ)、母屋(アンチェ)、本を保管していた善香斎(ソンヒャンジェ)など男女別の小部屋に分かれています。
舎廊棟(サランチェ)
舎廊棟は男性が生活する棟で、主人が昼間客を迎える舎廊房(サランバン)と夏の板の間、寝室などで構成されています。向かって左側の小さな門は、お客さんが来たとき、奥さんは中に入れないので、ここからちらりと履物の数を確認して、お茶など人数分準備したそう。
中門間行廊棟(チュンムンガンヘンナンチェ)
母屋(アンチェ)と舎廊棟(サランチェ)に通じる中門の左右に並んだ行廊棟(ヘンナンチェ)が中門間行廊棟です。この演慶堂(ヨンギョンダン)の中門間行廊棟の場合は、舎廊棟に出入りする中門は両隣りの行廊棟より屋根が高くなっていて、母屋に通じる中門は、行廊棟と同じ高さになっています。ここにも朝鮮時代の男尊女卑思想が現れています。
善香斎(ソンヒャンジェ)
本を保管する書庫としての役割と共に、図書室としても使われていたところです。
■母屋(アンチェ)
昔はいくら結婚をしても男と女が1つの部屋で寝てはいけないということで、男女別々に部屋が準備されていました。主人が生活するところが舎廊棟(サランチェ)、そして女性が生活するところがここ、母屋(アンチェ)となります。中は、妻の部屋である内房(アンパン)と大きな板の間、嫁の部屋である向房(コンノンバン)、台所、おかずを作るところで構成されています。
●寄倣軒(キオホン)と倚斗ハム(ウィドゥハム)
●芙蓉池(プヨンジ)
もともとここには池がありましたが、空は丸く、地は角張ってるという陰陽五変説に従って、四角い池を地に見立て、空を象徴する丸い島を造ったといわれています。池の水は地下水や雨が降る時には、西の渓谷の水が龍の頭の石像を通して流れて入って来たりもし、池ではタイやフナを育て、船を浮かべて釣りや船こぎを楽しんでいました。
●芙蓉亭(プヨンジョン)
昔は、科挙試験に合格したら、宙合桜(チュハンヌ)へあがって数万巻の本を読み、能力を伸ばせる機会を与えられるといわれ、それをお祝いしていたところです。
●英花堂(ヨンファダン)
こちらは本来、王が家臣と一緒に花見をしたり、詩を詠んだりと風流を楽しむところでしたが、第22代王、正祖(チョンジョ)の時代からは科挙の試験場として使用されました。試験の時は王が試験監督をし、横の庭で受験者たちが科挙の試験を受けたところ。
●宙合楼(チュハンヌ)
ここは国の将来を担う人材を育てるために学問を研究し、本を出版していた2階建ての楼閣です。下の階は宮中図書館の役割を果たし、上の階は読書や議論、瞑想と思索の場としても利用されました。ここはところどころ典型的な朝鮮時代の楼閣建築が施されていて、特に丸い柱と四角い柱をちょうどよく組み合わせた建築構造は、天と空の調和を成した理を象徴しているといわれています。
体験イベントに遭遇?!
こちらで美しい景色を前に10分ほど休憩します。みなさんトイレに行ったり、売店で飲み物やおみやげなんかを買ったりすることもできます。さて、のどが渇いたのでお茶でもと売店の方に行こうとしたら、なにやら向こうの方から皇子?!が歩いてこられるではありませんか?!この光景は朝鮮時代にタイムスリップしたかのようです。よくよく聞いて見ると、体験イベントで一般の学生たちがやっているとか。写真撮影タイムもあり、韓国の伝統衣装が周りの景色と調和して、特別な写真が撮れました。これはサプライズなイベントでした(偶然出くわしたイベントなので、いつもはないようです)。
●不老門(プルロムン)
この門はちょっと特別な門。王の長寿を願って建てられたもので、今でもこの門をくぐった人は、長生きするといわれています。みなさんもぜひくぐって行ってくださいね。
●愛蓮池(エリョンジ)
芙蓉池から約100mほど離れたところにある愛蓮池(エリョンジ)。芙蓉池にも似た美しい蓮池です。ここで王と王妃がデートを楽しまれたと思われるデートスポットでもあるそう。
池の端にある東屋「愛蓮亭(エリョンジョン)」は粛宗18年(1692年)に建てられたそう。
尊徳亭(ソンドクジョン)貶愚謝(ピョムウサ)
さらに150mほど進むと、尊徳亭(ソンドクジョン)エリアに到着します。こちらは尊徳亭、貶愚謝、観覧亭、勝在亭の4つの東屋が2つの池の周りに建てられ、特に秋の紅葉時には美しい景色が楽しめるところ。中でも尊徳亭は現在(2010年6月)工事中ですが、もっとも古く、仁祖22年(1644年)に建てられたもの。屋根の軒が2重になっていて、天井には清竜と黄竜が描かれ、その下には正祖が書いた文書が掛かっています。
少し上ったところにある東屋でしばし休憩したあと、最後のクライマックス?!玉流川へと向かいます。
●玉流川(オンニュチョン)
玉流川とは昌徳宮の後苑北部の奥深いところにあり、入口の敦化門からは一番遠い約1.250m離れています。李氏朝鮮16代王の仁祖14年(1636年)に岩を削って作られた泉。歴代の王・王妃はここで井戸の水を飲んだり、風流遊びに興じていたとか。特に岩のU字型の堀に流れる水に杯を浮かべ、その杯が自分の前に流れて来るまでに詩を詠むという曲水宴を楽しんだそう。周りには遥逢亭(ソヨジョン)、太極亭(テクッジョン)、翠寒亭(チハンジョン)などの5つの東屋が建ち並び、その当時の雰囲気がなんとなく伝わってきます。
王も稲作をココで楽しんだとか。

王も稲作をココで楽しんだとか。

昌徳宮・後苑特別観覧 ピウォン ビウォン秘苑 奥には調理場があったそう。

奥には調理場があったそう。

●サルナシ
樹齢約650年と推定される木。
イブキ(天然記念物 第194号)
このイブキは樹齢が約750年と推定され、老木であるだけでなく、幹がくねくねと曲がった珍しい姿をしています。そして、中央に見えるのは首をかしげている龍、また奥にはサルが見えると・・・。
これで昌徳宮・後苑特別観覧コース終了!お疲れ様でした~!美しい自然の中の宮殿、昌徳宮の見学コースは上りあり、下りありの2時間歩いて回るちょっぴりハードなコースでした。でも久しぶりに運動になったし、森林浴にもなったし、とっても興味深かったです。皆さんも、自然豊かな都会の庭園を散歩してみませんか?以上、ソウルナビでした。

その他情報

<後苑特別観覧>
大人:5,000ウォン(19歳以上)
小人:2,500ウォン(7-18歳)
※子供、高齢者割引などはなし。障害者やその保護者は無料
(2012年4月現在)
関連タグ:ピウォンビウォン秘苑

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-06-15

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