白スープインスタントラーメン、韓国での仁義なき戦い!

最近韓国では白いスープのインスタントラーメン商品が次々と大ヒット。熾烈な(?)白いスープ競争が繰り広げられているようですよ。ナビが5つの白スープラーメンを食べ比べしてみました!

こんにちは、ソウルナビです!韓国旅行のお土産を買うお店としてみなさんの間でもおなじみのスーパー「eマート」で、最近とても面白い広告を見つけました。「白いスープラーメン 春秋戦国時代」というコピーの下には、白いスープのインスタントラーメンが5種類。韓国白いスープ界の重鎮「長崎ちゃんぽん」は含まれていませんが、何やら激しいバトルが始まっている・・そんな気がしました! 白いスープのインスタントラーメンは、日本でも買い求める方が結構いるとかいないとか。というわけで今回はナビ、計5種類の食べ比べに挑戦!ナビ友と一緒にカップで「コッコ麺」「キス麺」「長崎ちゃんぽん」、ナビ一人で袋の「イーラーメン」「鶏ウンハン麺」の5種類を食べ比べをしてみました。白いスープにまつわるエトセトラをからめながら結果報告いたします!

激戦!白いスープ商品

韓国では赤いスープがラーメンという常識(!?)があったのですが、白いスープのインスタントラーメン登場により、業界に激震が走ります。そしてどの企業もブームに乗れとばかりに、次々と白いスープ商品を世に送り出すようになりました。今では大型スーパーのインスタントラーメンコーナーには、白いスープ商品が目立つように並んでいます。インスタントラーメンと言えば農心(ノンシム)の「辛ラーメン」でしたが、赤い色のパッケージはなりをひそめています。ちなみに、ちょっと前には「辛ラーメンブラック」が鳴り物入りで販売されましたが、今では姿を消してしまいました。発売のタイミングが悪かったのでしょうか…。

ブームの火付け役「コッコ麺」、ネーミングで受けた「長崎ちゃんぽん」、ユチョンの「キス麺」


■コッコミョン(コッコ麺)
八道(パルト)の「コッコ麺」が2011年8月に発売され、韓国で「白いスープのインスタントラーメンブーム」が沸き起こりました。「コッコ麺」はTVの人気バラエティ番組「男子の資格」の中で、オリジナルラーメンを作って競い合い、優勝に輝いたラーメンは商品化されるというコーナーから生まれました。このラーメンバトルには番組のレギュラーメンバーも参加していたのですが、ビッグお笑いタレントのイ・ギョング考案の鶏ダシをきかせたオリジナルラーメンが優勝してしまいます。それが「コッコ麺」。イ・ギョングのネームバリューによる宣伝効果が何よりも大きかったのですが、さっぱりとした味わいとシンプルさが受け、発売当時は品切れが続出。コッコ麺を探してお店をはしごする人もいたとかいないとか。「コッコ麺」の前にも、もちろん白いスープのラーメンがありましたが、白いけど赤いのと同じくらい辛い鶏ガラスープというスタイルが新鮮だったのではないでしょうか。
商品名:꼬꼬면 왕컵(コッコ麺 キングカップ) 
販売元:八道(パルト)
値段:1,300ウォン(定価)
重量:105g
カロリー:455kcal
スープ:鶏がらベースの青唐辛子の爽やかな辛味のきいたスープ。あっさりめ。スープ粉末の色が今回の種類の中で一番色が濃い。
麺:コシあり
その他:薬味の量が一番少ない。鶏肉と思われる(ささみ?むね肉?)薬味と確認できるものは一つだけだったような・・ 
評価:
ナビ・・口に入れたとたん鶏ガラスープの味が広がる感じ。とにかく辛い!麺がこしがあるというよりはちょっとひっかかる感じのぼそつきが・・・でもなんだかスルスルいってしまう・・。弾力はある麺かな。
ナビ友・・麺はちょっとぼそついた感じ。まあ塩ラーメンという感じで食べられるかな。

■ナガサキチャンポン(長崎ちゃんぽん)
2年の研究を経て、三養(サミャン)から2011年7月に「長崎ちゃんぽん」が発売されました。たまたまだったのかどうかはわかりませんが、ちょうど「コッコ麺」と同時期。その競争効果で人々の関心が集まり、白いスープブームが巻き起こったのかもしれません。ちなみに韓国にもチャンポンという料理がもともとありますが、スープの色は真っ赤っ赤。
「日本の長崎ちゃんぽんはスープが白いです。白いチャンポンもいかがでしょうか、韓国人の口に合うようにアレンジしています」というのがコンセプト。本場長崎ちゃんぽんのスープは豚骨と鶏ガラベースですが、こちらのチャンポンは豚骨と海産物ベース。韓国人にとっては「白いチャンポンもあるのか」、日本人にとっては「あの長崎ちゃんぽんが韓国でインスタントで出たのか」という興味から購入へ。韓国人にとっては長崎ちゃんぽんの認識がちょっと違う方向へ。そして日本人はただ驚くわけですよ・・その辛さに。これのどこが長崎ちゃんぽんなの!?と驚くわけですよ・・・
商品名:나가사끼 짬뽕 큰컵(長崎ちゃんぽん 大きいカップ)
発売元:三養(サミャン)食品
値段:1,300ウォン(定価)
重量:105g
カロリー:450kcal
スープ:豚骨と海産物のダブルベース。赤唐辛子の辛味があり白濁している。粉末は黄色よりもオレンジっぽい。
麺:麺は若干太め。こしがあるというよりもっちりした感じ。
その他:薬味はキャベツ、きくらげ、タコ、ねぎなど。
評価:
ナビ・・辛いは辛いけれどコッコ麺に比べれば甘い感じ。キャベツの甘さに安心する。スープがにごってるなあ。ちょっとぼやけた味がしないでもない。 とりあえず長崎ちゃんぽんではない(笑) 
ナビ友・・スープに甘味を感じる。このスープの味は・・ホンハプ(ムール貝)っぽい。海の味がする。(今回の中で)一番おいしいと思う。

■キスミョン(キス麺)
ラーメンシェア3位だったオットゥギ(オットゥギは起きあがりこぼしという意味)は、八道、つまり韓国ヤクルトの「コッコ麺」の大ヒットによりその座を奪われてしまいました。というわけでオットゥギはJYJのユチョンを起用して「キス麺(鶏糸麺)」で2011年11月、白いスープ戦争に殴り込み(?)をかけます。オットゥギは、実は2005年くらいにかつてダイエット麺として低カロリーの 「キス麺(鶏糸麺)」 を販売していたことがありました。名前は同じですが商品は別物。けれども白い鶏がらだしのスープ=なんとなく体によさそうというイメージ、そして発音がキス(KISS)と同じなのでユチョンの甘い魅力とかけて、主に女性消費者をターゲットにした販売戦略で販売量をのばしていきました。ちなみに  「キス麺(鶏糸麺)」 は中国料理の一種で、鶏肉を糸状に切ったものをのせたさっぱりとした麺なんだそう。
商品名:기스면 큰컵(キス麺 大きいカップ)
発売元:オットゥギ
値段:1,300ウォン(定価)
重量:105g
カロリー:465kcal
スープ:鶏がらと海産物のダブルベース。青唐辛子の辛味。粉末は白っぽいがお湯を入れると少々油の浮かんだ黄色いスープに。
麺:駄菓子っぽい味で、ツルツル感はない。
その他:鶏肉と思われる丸い形の薬味がたくさん入っている。
評価:
ナビ・・この麺が一番辛くない(笑)。スープに油が浮いちゃってるなあ、鶏肉がけっこうはいっているけど、正直味は・・・
ナビ友・・スープが油っこい!麺ののどごしがあまりよくないなあ。具は結構入っているけれども・・。

大型マートのPB商品「eラーメン」、東南アジアな味の「鶏ウンハン麺」


■イラミョン(イーラーメン)
上記の3品の激しい戦いの中、こんな白いスープ製品があります。大型マート「eマート」のPB商品として、「eラーメン」が2012年2月に発売されました。このラーメン、「キス麺」のオットゥギと業務提携し、6ヶ月間のテストを重ねたものだそう。海産物でとったスープに辛味をたっぷりきかせたさっぱり味。お値段も白いスープ製品の中では安めの設定。とうとうeマートまでも白いスープのラーメンを出したか、といささか食傷気味でもありますが、いろいろな種類のものを試せるのは消費者としては楽しいですよね。
商品名:이러면 봉지라면(イーラーメン 袋)
発売元:eマート
値段:3,680ウォン(5袋入り)
重量:115g(ひと袋)
カロリー:485kcal(ひと袋)
スープ:かつお、ホンハプ(ムール貝)、牡蠣などの海産物ベースで辛味が強い。
麺:ツルツルとしていて弾力がある。
その他:薬味は少なめ。特徴的なものは入っていない。
評価:
ナビ・・ナビにとってはこのラーメンが一番辛かった!かつおの味が全面に出ていて好き嫌いが分かれるかもしれないけれど、かつおの味が辛味と意外にマッチしていて一番気に入った。この味はちょっと新しい。麺も意外に弾力があってツヤがあった。なんだかとっても持ち上げているようだけれど、単に自分の好みに合っただけなのかも。

■ケウンハンミョン(鶏ウンハン麺)
ラストは2012年3月に出た(と思われる)ニューフェイス、「鶏ウンハン麺(ケウンハンミョン)」。韓国語で「すがすがしい」「さっぱりした」という形容詞の「ケウンハダ」の「ケ」に鶏の漢字をあてています(鶏という漢字は韓国語だとケと発音)。ところでこの商品はマレーシアからの輸入モノ。MAEEという会社のもので、袋には輸入業者名がありました。eマートで購入しましたが、マートで仕入れているのはかは未確認です。
계운한면 봉지라면(鶏ウンハン麺 袋)
発売元:eマート(?)
値段:3,350ウォン(5袋入り)
重量:112g(ひと袋)
カロリー:496kcal(ひと袋)
スープ:鶏ガラだし、お湯を入れると広がる東南アジア臭(どう表現していいのか・・チキンブイヨンという感じ)。スープ自体は辛くないと思われる。白いというよりオレンジ。
麺:つるりとしていて弾力がある。
その他:キャベツが結構入っている。薬味の赤唐辛子はかなり多め。この辛さがスープに移ってスープ全体が辛くなると思われる。
評価:
ナビ・・・これを白スープラーメンのカテゴリーに入れていいのか正直ハテナ。赤唐辛子がたくさん入った薬味は韓国仕様のものと推測。東南アジアチックなチキンラーメンを食べると思えばよいかな?味はけっこういけます。
いかがでしたか?ナビは今回5種類を試してみたのですが、とにかくその辛さに参ってしまいました!韓国的には「白くても辛い」わけで、日本的には「白いのに辛い」です。その認識の違いは大きいですよね~。軽食を提供する粉食(プンシク)店などでもメニューに「コッコ麺」や白いスープラーメンが登場してきています。そういったお店でトライしたり、お土産に白いインスタントラーメンを買っていかれてはいかがでしょうか?以上、ソウルナビでした!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-04-26

ページTOPへ▲

その他の記事を見る