王宮守門将交代式に行って来ました!

朝鮮時代、宮城を護衛していた精鋭武士達の凛々しい姿が見られる歴史のワンシーン

こんにちは。徳寿宮(トクスグン)の大漢門(テハンムン)の前にたった今、到着したばかりのソウルナビです。う~ん、あと10分だ~。何があと10分なのかですって?それは王宮守門将の交代式まであと10分!ってことなんです。(^^) ちょっと一息ついてあたりを見回してみると子供から外国人まで韓国伝統の王宮守門将の交代式を見ようとたくさんの人が集まっています。朝鮮時代、王宮を護衛していていた精鋭武者達のその凛々しい姿が見られるとあってワクワク、ドキドキ。う~ん、早く見たい~*^^*
◆◆ところで王宮守門将の交代式って何?
李氏朝鮮時代、国王が住んでいた王宮には守門将庁が設置され、官職従六品にあたる守門将を始めとした「禁軍」が宮城一体の警備を担当していました。「禁軍」とは王宮の警備を管掌し大殿を護衛する軍隊のこと。王宮内には一般の人々の出入りが禁止されていたことから“禁内”あるいは“禁宮”と呼ばれていたことに由来します。この「禁軍」の王宮守備の儀式を再現したイベントがまさに「王宮守門将交代式」なのです。
記録によると、李氏朝鮮時代に禁軍は宮城門開閉の儀式、侍衛儀式(王様の横に仕えて護衛する儀式)、行巡(探りながら巡ること)、巡邏(泥棒・火災などを警戒するために夜、人々の通行を監視すること)などの任務を遂行していたそうです。うん!?韓国伝統の太鼓や銅鑼の音が聞こえてきました。いよいよ儀式が始まったようです。それではソウルナビと一緒に見学してみましょう!
◆◆王宮守門将交代式にはどんな人たちがいて、その任務は何?
王宮守門将交代式の参加人員は承政院注書1名、掖庭署司竅1名、守門将2名、参下2名、守門軍20名(軍士12名、旗手8名)、厳鼓手1名、吹太手6名など。計33名が交代式に参加しています。さすが王宮を守備する特殊部隊だけあって威厳たっぷり。彼らの任務については下を参考にしてください。
*承政院注書(スンジョンウォンチュソ):王命の出納を任された機関かつ交代式の監督官。正七品。
*掖庭署司竅(エクジョンソ・サヤッ):宮城門の鍵を管理し、交代式を監督。正六品。
*守門将(スムンジャン):宮城門を警備する守門軍の責任者。従六品。
*参下(チャムハ):守門将を補佐。
*守門軍(スムングン):旗手4名と軍士6名で構成、宮城門の警備を担当。
*厳鼓手(オムゴス):交代式の中で太鼓で信号を送る任務遂行
◆◆王宮守門将の交代式はどういうふうに進行するの?
交代式は決められた手続きと信号によって進行し、部隊間の交代時には相互儀礼を持ち、軍礼を行います。
手続きは宮城を守っている守衛儀式と交代軍との交代儀式に分けられます。詳しい手続きは以下を参考にして下さい。
●宮城門守衛儀式:20分間、警備任務を遂行し、交代軍が到着したら任務を引き継ぎます。
①部隊整列ー宮城警戒の儀式のための手続きとして監督官2名が立会い、守門将の指揮のもと守門軍が大漢門の前にずらっと並ぶ。
②軍号下付/巡将牌引き継ぎー承政院の注書が守門将に暗号を出し、巡将牌を引き継ぎ掖庭署司竅は宮城門の鍵が保管されている箱を受け渡す。
③守門ー勤務者の定位置を述べることで守門将が守門軍を指揮し、軍士と旗手がそれぞれ号令と楽器の音色に合わせて勤務位置に立つ。
●行列及び交代式:宮城門を警備する部隊と周辺を警備する部隊間の交代で、周辺を警備する部隊が到着すると交代式が実施。交代式の信号は号令、旗、楽器を複合的に使用し、大きく3つに分けられます。それぞれの段階は太鼓によって合図されます。
※また、2009年9月より火曜日9時の回では騎馬隊も登場します。
①軍号応対ー交代軍が到着すると守門軍の参下が暗号を通して身分確認を行う。
②初厳ー最初の信号として太鼓が6回打ち鳴らされ、守門軍の参下が交代軍の次下に鍵の入った箱を受け渡す。この時、承政院注書と掖庭署司竅がこの引き継ぎを監督。
③中厳ー2回目の信号として太鼓が3回打ち鳴らされ、守門軍の守門将と交代軍の守門将が交代命令の真偽を確認する手続きを行った後、巡将牌を引き渡す。
④三厳ー3回目の信号として太鼓が1回打ち鳴らされ、守門軍と交代軍が向かい合って立った状態で整列し、軍礼を行いお互いの任務を交代する。
⑤行巡ー交代した部隊は宮城の周辺警備の任務を遂行する行列を実施する。
◆◆王宮守門将の交代式の進行順序はどうなっているの?
1日3回(※時間は記事下の情報欄参照)行われます。
※2005年12月1日から徳寿宮大漢門前で略式交代儀式、崇礼門(南大門)広場まで巡邏行列儀式を交代儀式後に実施
王宮守門将の交代式が行われている間、捕吏(朝鮮中期以後、犯罪者を捕まえるために設置された捕盗庁の軍士)の衣装を身に着けた人がパンフレットを配っているので、是非これを読んでみてくださいね。詳しい内容が分かります。もちろん、交代式の途中、お助けマンが日本語や英語で詳しい説明をしてくれます!
それから交代式が終わり、守護式が行われる間、記念写真をとっても大丈夫なのでかっこいい守門将と一緒に思い出に残る写真を一枚、撮るのもオススメです!(^^) 以上、徳寿宮大漢門の前からソウルナビでした。(ナビも大漢門の前で守門将と腕を組んで写真を撮っちゃいました。)

※儀式が行われる徳寿宮大漢門前では、火~日の10:00~16:00(12:00~13:00を除く)に、韓国の伝統衣装である韓服や守門将の衣装を着て写真を撮れる「伝統衣装試着体験コーナー」が設けられます。ブースにて名前、国籍を記入するだけで誰でも試着体験可能。男性用や子供用の衣装もそろっています。

その他情報


※基本情報を一部更新しました。<2008.8.4>
※基本情報を更新しました。<2009.2.12>
※基本情報を更新しました。<2010.2.11>

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2001-08-28

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