キムジャンシーズン

今ソウルはキムジャン (一冬分のキムチを漬ける)シーズン

ソウルの12月は派手なクリスマスや年末の宴会などというイベントとは違った意味で女性達には忙しい季節。それはどうしてかというと…これからの長い長~い冬の間、食べるキムチを一度に漬ける仕事−これをキムジャンといいます。(^^)−のせいなんです。
韓国人なら誰もが毎年この時期に行われるとんでもなくたいへんな行事(?)であるキムジャンのことで頭がいっぱいのはず。キムジャンキムチは普通、1日の平均気温が4℃以下の時に漬けると、とてもおいしくなるんです。したがって毎年12月第1週あたりになると主婦たちは天気予報とキムチ相場にくぎ付けです。
韓国人がどうしてキムチを漬けることにこれほどまでに気をつかうのかというと、寒い冬の間、新鮮な野菜を摂取するのが大変な時、古漬けキムチがすばらしいおかず−スープやチゲ、チヂミ(ソウルではプッチンゲと言います)など−といろんな料理に応用できるし、乳酸菌が豊富だからなんです!!エッヘン(^_-) (キムジャンキムチがまずくなってしまうとその年の冬は食事がまずくなるのを覚悟しろといわれるくらい。このキムジャンがどんなに大切な作業か、よ~く分かるお話でしょ?)
また壷を地面に埋めて熟成させる冬のキムチは他のどの季節に食べるキムチよりさっぱりしていて酸っぱい、珍味中の珍味です。そんな古漬けキムチはおかずから夜食としてまで利用できるため、この期間ソウルの家庭なら今回のキムジャンでどんなキムチを漬けるのか、はたまたどんな塩辛を混ぜるのかについて活発な「討論」が繰り広げられるんです。

一般的に1家庭で20玉の白菜を購入したとすると、漬けるときには1玉を4個に切り分けるので全部で80個のキムチを1日に漬けるという計算になります。その上キムジャンではほとんどの場合、白菜キムチを除いたネギキムチやトンチミ(大根を丸ごと、または大きく切って塩水に漬けた汁の多いキムチの一種)、カクトゥギ(大根を角切りにして塩漬けにした後漬け込んだキムチの一種)等3~4種類漬けるので、「たかがキムチ、されどキムチ」一大事なんです。
さらにヤンニョムの準備とその手入れをする作業が加わると、どう考えても超たいへんな作業です。当然どの家がいつキムチジャンをするのか主婦どうしで連絡をとりあって町内でお互いに助け合うということになりますよね。(キムジャンはとうてい1人でできる仕事ではないのでお互い順番で助け合うんです。で、そのお礼としてそれぞれ自分の家のキムチをおすそ分けするので、いきおい他の家のキムチも食べられるというわけ。)

この期間になるとキムチに関する各種食品会社では販売促進に余念が無く、あちこちでキムチ試食会が行われます。白菜をぎっしり積んで回るトラックが頻繁に見られたり、主婦たちの集まっている常設白菜市場もよく見うけられるようになります。
みなさんがソウルでそんな光景を見た次の日はきっとその町内でキムジャン祭りが行われることでしょう。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-12-08

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