かんばっくみぽりん、第4弾!韓国主婦事情「高校の読書室」

第4弾!韓国主婦事情「高校の読書室」

先回は韓国の高校を語る際に、なくてはならない制度、夜間自律学習(=「夜自(ヤジャ)」をご紹介しましたが、今回は高校付属の読書室についてお話しようと思います。
長女が高校に入学して1週間くらい経ったある日、クラスの担任の先生が娘ともう一人の生徒を職員室に呼んで 、「おめでとう。君たちは読書室に入れたよ!」と言われたそうです。それを聞いた瞬間、娘は物凄くうれしくて、「やったーーー」と心の中で叫んだ、とのことです。読書室って何なの?韓国の高校生がガッツポーズを取るくらい喜ぶ読書室って、一体何なんでしょうか?
韓国の一般高校は、1クラス36人で1学年10~12クラス、400人程度なのですが、長女が通っている学校では上位50人(約10パーセント)を選抜して、夜間自律学習の時間に特別に勉強できる静かな空間、学校付属の読書室の席を提供しています。読書室=お勉強のできる子。お勉強のできる子が集う場所=読書室なのです。
読書室では各自の席が決められている上、机の前には成績順位と名前まで張り出されています。しかし、1年に4回(韓国の高校は2期制)ある定期テストの度に席が変わるし、当然、読書室から落ちる生徒もいれば、入る生徒もいるのです。つまり、読書室への入室は全校生徒のアコガレの的。読書室に入るのを目標に勉強している生徒も沢山いるのです。

それでは読書室でのお勉強を3カ月体験した娘に、感想を聞いて見ましょう。

私「どうだった??」
娘「とにかく静かだったわ。お喋りしている子とか、マンガを読んでいる子は一人もいなかったと思う。完全にお勉強モードだったわ。でもね、両側から見えないようになっているから、良いというか、悪いというか…」
私「?」
娘「両側から見えないから、毎日グッスリ寝ちゃったの。だってすごく静かだったんだもん。」
私「寝たって…じゃあ勉強はしたの?」
娘「ぜんぜん駄目だったわ。」
私「ええええ…それじゃ何のために読書室にいたのか、わからないじゃない。」
娘「うん。私には全然合わなかったみたい。寝ていても起こしてくれるお友達もいないし。横から見えないから、寝ていたら起してって頼むのも悪いでしょ。最悪だったわ。」
私「でも、そこに入りたい子が山のようにいるんでしょ。」
娘「うん。だから1回入ったら、3カ月は夜自は必ずそこでしないといけないの。私はもうこりごりだわ。寝すぎで中間試験も大失敗しちゃったし。」
私「そうか…そうだよね~」
読書室すごく良かった!また入りたい。という返事が返ってくるかな、とも思っていたのですが、娘は非常に気に入らなかったみたいです。もしかすると、好きなお友達が回りにいないと、夜遅くまで学校に残って勉強する力がわかないのかもしれません。ゴク普通の高校1年生が、夜の9時、10時まで学校に残って勉強するのも大変なことなのに、その上、孤独に耐えるなんて、ゴク普通の高校生にはなかなか出来ないことですよね。もちろん私には絶対に出来ない業でしょう。自分にも出来ないことを娘に要求をしたら、バチが当たるじゃないですか!
午後7時30分。日本より1時間くらい遅い日暮れを迎えた初夏の韓国も、夕闇が迫ってきています。ところが高校の校舎にはコウコウと電気がともっていて、まるで東京のオフィス街のようです。この建物の中で韓国の高校生たちは、夜の9時、10時、11時まで、黙々と勉強を続けているのです。ああ…何の為に。娘よ、挫けないでね。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-07-09

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