あの「NANTA(ナンタ)」の舞台にデビューした岩本柚香さんインタビュー!

初めて「NANTA(ナンタ)」を観たとき、漠然と「私はいつかこの舞台に立つ」と思ったんです。

こんにちは!ソウルナビです。韓国でがんばっている方にインタビューするシリーズ、かなりご無沙汰しておりました。今回数年ぶり?!にインタビューを伺ってきましたよ!あの韓国発の人気ノンバーバルパフォーマンス「NANTA(ナンタ)」に今年(2009年)10月からデビューした、初めての外国人俳優、岩本柚香さんです。ナビも韓国のニュースで彼女が出ていたので、ぜひ直接お話をうかがいたい!と、こうしてインタビューさせていただくことに!さっそく、今月(2009年10月)柚香さんが公演を行っている明洞ナンタ劇場へ、レッツゴー!!

■■岩本柚香さん■■
2002年5月 大学1年生のときに家族旅行で初めて「NANTA」観覧
2007年6月~2008年9月 大学卒業後、韓国の大学付属の語学堂で韓国語勉強
2008年10月~2009年3月末まで劇場の売店でアルバイトをしながら現代舞踊、ドラム練習
2009年3月中旬 「NANTA」オーディション、合格
2009年10月13日 「NANTA」明洞オープン記念公演でデビュー!

はじめて韓国に来たのは?そのときの印象は?! また訪韓前の韓国への漠然とした思い、訪韓後の韓国への印象は変わったか?!

韓国に初めて来たのは2002年のゴールデンウィークのときです。祖母と一緒に家族全員で親戚に会い来たんです。もともと父親が在日韓国人の2世で、母親が日本人なので、韓国にはもともとゆかりがありました。韓国に来る前までの韓国の印象は、そんなに良いものではなかったんですが、初めて韓国に来たときは、韓国という国に対してよりも、今まで知らなかった親戚に会ったことのほうが不思議でした。初めて会ったのに、この方が叔父さんなんだよ、従兄弟だよって紹介されて、やはり韓国にはゆかりがあるんだなと感じました。

●最初の訪韓時のおいしかったものとか、印象深いスポットとかは?!


親戚のおじさんが連れて行ってくれた田舎の焼肉屋さんがおいしかったですね。最初は密陽(ミリャン)というところに行ったあと、だんだん北に上がってきて、大邱(テグ)に行ったり、旅行で丹陽(タニャン)に行ったり、河回村(ファフェマウル)に行ったり、滞在日数が長かったので、親戚に会いつつ、観光も楽しめて、初めてのわりに充実していました。

●ナンタに興味を抱いたきっかけは?どんな点に感動されたのか?!ビビビッ!

ちょうどその初訪韓のときに初めて「NANTA」の公演を観たんです。もともと公演に興味があったわけではなくて、以前、日本のテレビで見たことがあって、面白そうだなと思っていたので、韓国に行ったらこの公演だけは必ず観ようと決めていたんです。そして実際に公演を観て、もう舞台がとってもキラキラと輝いて見えて、俳優さんたちの表情や笑顔とかもそうですし、観客の感動を目の当たりにして、自分自身とても感動したんです。今思うとなぜか分からないんですが、そのときに漠然と「いつか私もこの舞台に立つ」と思ったんです、座っている観客側ではなく。

●その日から、どうやって今回舞台に立つまでにこぎつけたんですか?そのときは一度日本に帰国されて?

ええ、そのときは一度日本に帰りました。大学一年生だったので、普通に大学に通っていました。社会学科の新聞学を専攻してましたが、正直、大学ではあんまり勉強をしていなくて(笑)入学してから、そこまで興味がなかったというか、訪韓後は特に、心の中にいつも「NANTA」のことがあって。でもだからといって、周りに笑われるんじゃないかとか、この年から始めてももう遅いじゃないかとか思うと、親にも話せず、友達にもいえず、何も行動に移せず、うずうずしてました。そんなこともあって、大学4年生のとき、周りはみんな就職活動で忙しいとき、何も活動が出来なかったんです。このまま、やりたくないもない仕事をするために、とりあえず就職をして…と、なんとなく生きていいのかなって。それで就職活動はせずに、1年間フリーターとしてアルバイトをしてお金を貯めて、2007年に5月に韓国に来たんです。ナンタをやるという目的のために、まずは韓国語を勉強しようと思って1年間大学の付属の語学堂で勉強することにしたんです。

●ご両親をはじめ周りの方の反応は?!

最初は興味があるということは親にも話していたんですが、ナンタのために行くとははっきり言ってなくて、韓国に発ったときはまだ分からなかったと思います。経験もないし、つてもないのに、どうやって入るんだって、親も反対してました。でも私の性格が最初何かをやると決めたら、誰が何を言ってもやるというのを親は知っていたので、途中からはだんだん応援してくれていたと思います。

●韓国語は留学に来てはじめて勉強されたんですか?


もともと祖母は韓国語が話せるんですが、私はほんの少ししか話せなかったので、大学の第二外国語で韓国語を勉強して、大学卒業後にもアルバイトをしながら韓国語の語学学校に通っていたので、こちらに留学に来たときは初級ではなく、少し上の級からはじめました。そして語学堂に通っているときにも、まだ本気ではなかったというか、無理じゃないかとか、まだ悩んでいたんです。韓国語を勉強しながら、いつも「ナンタ」のことが頭にあったんですが、舞台の経験もない私がどうやってナンタに入ることができるかと考えても、答えがまったく出てこなくて、一度日本に帰ったんです。

●実際にナンタに入るきっかけになったのは?


そうして悶々としているときに、ちょうど日本に一時帰国したときに、日本の友達が「まずはナンタの裏方としてアルバイトしてみたら?それからオーディション受けてもいいんじゃない」といわれて、今までまったく考えたことがなかったんで、とても新鮮でこれだ!と思って、語学堂を卒業してすぐ、約束もせずに江南のナンタ劇場に押しかけたんです。だめもとで、少しでもナンタに関わりたいと、ボランティアでもいいんで、そんな覚悟で行ったんです。そしたら、今は裏方のスタッフの募集はしてないけど、ちょうど劇場の売店スタッフを募集しているので、それはどうかと聞かれて、二つ返事でOKしたんです。それから毎日売店スタッフとしてアルバイトしながら、公演時間以外の自由時間にはほとんど毎日ナンタ公演を観ていて、だいたい1日に3回は観てました。同じ公演ですけど、毎回、毎回、舞台も観客の反応も違うし、本当に楽しかったです。

●もともと日本でもパフォーマンスなどをされていたんですか?

まったくしてなかったんです。それで、アルバイトが終わってから、夜に現代舞踊のレッスンを受けて、週末にはナンタのようなドラム缶などを楽器に叩く同好会があったので、それに参加して、ドラムを叩く練習をしたりしていました。そのころはもう劇団の俳優さんやスタッフともずいぶん仲良くなって、そのうちの一人が私のことを気にかけてくれて、オーディションの日程やどんな試験の内容だったのか、過去のデータなんかも教えてくれ、練習を一緒に見てくれたり。俳優さんから連絡が来たときオーディションまで2ヶ月しか練習する時間がなかったんで、それから猛特訓でしたね。


オーディションの踊りは?またどれぐらいの方が受けられるんですか?

オーディションを受けるときは、私が初めてナンタを観たときの感動を表現したかったんです。なので、最初の感動と希望を表現、挫折や苦悩などの葛藤、そして今韓国に来て希望に溢れているという、3段階のストーリーを音楽に合わせて踊りで表現しました。これが今の、今までのナンタへの思いを伝えるイチバンの方法だと思ったんです。

オーディション自体は3月中旬にあったんですが、最初、書類審査を受けたのが女の子は15人で、第二次審査では舞台で特技を見せて残ったのが4人、さらに2週間のワークショップの後に最後発表会をして残った人が合格。最終的に女の子は私を含めて2人合格しました。合格したときはもうほんとにうれしくて、どうしたらいいのか、頭が真っ白になってしまったほどでした。喜びもつかの間、すぐに練習がスタートして、その後、舞台に立つための本格的な練習が始まりました。

●練習時大変だったこと、楽しかったこと


6ヶ月と期間が長かったんで、毎日ほんとに大変でしたが、ずっとやりたかったことだし、NANTAが好きで韓国に来たので、他の人にとって大変なことでも、私にとっては一つも苦にならなかったです。新しいことに挑戦することが楽しくて、楽しくて。練習は毎日朝の10時から夜の10時まで稽古場で練習して、それでもやることが多くてぜんぜん足りないんで、早く来たり、稽古場での練習の後、終電までの時間残って練習したり。そして最後は社長さんや俳優さんたちの前で発表会があるんですが、発表会前の2週間は荷物を持って合宿して舞台に臨みました。


●10月13日デビュー公演と伺いましたが、感想は?


もっと感動するかなと思ったんですが、初めてだったのですごく緊張して、最初は何がなんだかよく分からなかったです。初舞台を楽しむというより、やらなければいけないポイントをしっかりこなして、また他のメンバーに迷惑を掛けないように、そればかり考えていました。純粋に心から100%は楽しめなかったんですが、でも、だんだん慣れるごとに、観客の表情なども見えますし、楽しくて、最後のエンディングのシーンはほんとに「生きてるな、やっとココまで来たんだなって、初めてナンタを観たときからココまで、今ここに立っているんだ」と胸がいっぱいになって、終わったあとはもうすべての人に感謝・感謝、胸が熱くなりました。

そして、初舞台の当日、なんとサプライズで日本から家族が観に来ていて、私に内緒で劇団のスタッフが日本の家族に連絡して招待してくれたみたいで、公演が終わったあとに親が舞台に出てきたんですよ。本当にびっくりして、感動して、皆さんにほんとうに感謝しています。一生忘れられない思い出ですね。

●ナンタの舞台に立つ、という目標を達成した今、さらに韓国でやりたいこと、目標があれば?

 
今まで一所懸命やってきて、夢のナンタの舞台に立つことが出来ましたが、もっともっと、いい姿を見せたいなと思います。これから初めて私がNANTAの舞台を見たときのように、観客に感動を与えられる、元気を与えられる、そんな公演ができるように、これからもがんばっていきたいです。実際、私もNANTAから元気とパワーをもらったので、私もそういう人になりたいなと思います。


● 同じような夢を抱いている方に一言お願いします。
ぜひ挑戦してほしいですね。「夢は叶う」と思いますので、最後まで諦めずに、がんばってほしいです。私自身もほんとに諦めようと思ったり、実際、諦めていた時期もありましたし、大変な時期もありました。でも、ほんとにやりたいことは何かと考えて、自分を信じて進んでいけば、周りに助けてくれる人もたくさんいますし、夢は叶うと思います。


ありがとうございました!これからもがんばってください!
今回お話を伺っている間、柚香さんのキラキラと輝いてる目、笑顔、そしてハキハキを答える前向きな姿はとても気持ちよく、とても美しく輝いてらっしゃいました。エナジーがみなぎっていて、ナビも話をしただけで元気ももらった感じでした。
ナンタの舞台は今年(2009年)オープンした明洞劇場、そして江北劇場、江南劇場と3箇所あり、柚香さんも今月(10月)は明洞劇場の舞台に立つそうですが、来月、再来月はまた別の劇場なる可能性もあるとか。皆さんもナンタを観に行かれるときは、もしかしたら、柚香さんの舞台を観られるかもしれません!舞台をよ~くご覧くださいね!以上、ソウルナビでした!

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その他情報

※公演写真はナンタの主催者様から提供いただきました。
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記事登録日:2009-10-21

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