ドラマ、イ・サンでおなじみ、稀代の天才チョン・ヤギョン(丁若鏞)の軌跡と実学について知る旅へ行ってきました。ドラマ撮影地も発見~!
こんにちは!ソウルナビです。皆さんは韓国の歴史には興味がありますか?韓流ブームでK-POPや韓国ドラマが注目を浴びていますが、中でも韓国の時代劇であるサグッ(史劇)は韓流ファンのみならず、大人の男性もハマるほど面白い作品がたくさんあります。そのため、最近では韓国の歴史に興味を持つ“韓国歴女・歴男”も急増中とか。今回は韓国時代劇好きのナビが朝鮮の発展に大きく貢献した人物で時代劇でも時どき耳にするチョン・ヤギョン(丁若鏞)の生家やお墓がある「茶山遺跡地」までやってきましたヨ。さっそく行ってみましょう!
◇◆茶山遺跡地とは◆◇
遺跡地はソウルの東にある南楊州市の鳥安面にあるチョン・ヤギョンの生家や墓などが保存されている場所で、敷地内には茶山記念館があります。また2009年10月には隣接して実学博物館がオープンし、チョン・ヤギョンの軌跡と共に、実学についても詳しく知ることが出来るようになりました。ちなみに茶山とはチョン・ヤギョンの号で、韓国では茶山先生とも呼ばれています。
◇◆チョン・ヤギョン/丁若鏞(1762-1836)ってどんな人?◆◇
チョン・ヤギョン(丁若鏞)は朝鮮時代後期の学者で多分野にわたり活躍、有名な「牧民心書」の著者であるほか、水原華城の設計者、挙重機(コジュンギ/現代のクレーン)の発明家としても知られています。その他にも哲学者、科学者、詩人、著述家、教育家などの肩書に加え、富国強兵を唱えた改革家でもあり、その秀でた才能と文学で正祖(イ・サン)から特別に目をかけられた人物としても知られています。副承旨や刑曹参議など様々な官職を経験しながら、謀略などに遭い辞職と復職を繰り返し、その人生は波乱に満ちたものでした。彼の500冊以上にも及ぶ著書のほとんどは18年間の流配生活の時に著されたもの。また京畿道の暗行御史(秘密警察)をつとめた時代もあり、この頃の活躍がドラマ化されたりしています。
◇◆ソウルから1時間、南楊州市に到着~!◆◇
この日は休日とあって、南楊州までの道は少し渋滞気味。茶山遺跡地に入る前に、これからの散策に備えてチンパン(蒸しまん)屋さんに立ち寄り、ほっかほかの肉まんで小腹を満たすことに。
さて、茶山遺跡地に到着~!この辺りはレンコンの産地のようで、駐車場でレンコンの直売もしていましたよ~
入り口にある菊の花がキレイ♪
敷地内には食堂や有機農イチゴを使ったアイスクリーム屋さんなどがあります。
◇◆茶山遺跡地の散策開始~!◆◇
◎茶山文化館現代にも通用するチョン・ヤギョンの思想を中心に、チョン・ヤギョンが著した書簡や肖像画などが展示されています。
◎茶山記念館
時代の先駆者としてのチョン・ヤギョンの業績と軌跡をテーマに、ジオラマを使ってわかりやすく展示されています。
◎茶山銅像
◎祠堂
◎茶山先生の墓
本当のお墓はこの後ろの小高い山の上にあります。古墳みたいですね。
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山に登るのはしんどいので、下に石碑があります。
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◎興猶堂/ヨユダン(チョン・ヤギョンの生家)◎
◎挙重機(コジュンギ)
挙重機とは現代のクレーンのことで、チョン・ヤギョンの最も有名な業績の1つ。この挙重機の発明により、数十年はかかると言われていた水原華城の工事がわずか3年余りで終了。人夫の重労働軽減や、多くの予算削減に貢献しました。
挙重機の横にあるチョン・ヤギョンの業績が刻まれたモニュメント。
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読むの大変そう・・・
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◇◆実学博物館◆◇
茶山遺跡地に隣接する「実学博物館」。実学者として知られたチョン・ヤギョンの資料をこちらでも見学できるほか、実学を通して日本と深い関わりがあったことなどを示す資料が展示されているのが興味深いところ。実学とは朝鮮時代後期に登場した儒学の新しい学風で、簡単に言うと“実際の生活に役立つ学問”のこと。朝鮮後期、壬辰倭乱(豊臣秀吉の朝鮮出兵)や丙子胡乱などにより国家機能が麻痺し国土が荒廃するのに対処するため、いくつかの改革がなされ、農業生産力や新しい産業が発達しました。それまでの学風を反省し、国家の総体的改革と対外開放を目指した新しい学風が実学と呼ばれています。
◎◎第1展示室/実学の形成
◎◎第2展示室/実学の展開
◎◎第3展示室/実学の科学
◇◆ドラマ「君の声が聞こえる」のロケ地発見!!◆◇
茶山遺跡地を後にして、何となく南楊州撮影所方面に車を走らせていたところ、道路脇にある果物店の横に「SBS 君の声が聞こえる撮影地」の横断幕を発見!もちろんUターンして果物店へ~!駐車場に車を止めて正面からお店を見ると、確かに見覚えのあるお店♪ こちらのお店「トスニネ青果」は、記憶を失い農場で働くイ・ジョンソク演じるスハを警察に通報したアジュンマのお店として、10話の後半から12話に登場します。
お店の社長さんがとても気さくな方で、撮影時のお話しなどいろいろとしてくれましたよ!犯人役のチョン・ウンインさんは役になりきっていて、怖いくらいのカリスマがあったそうですが、社長さんが差し入れしたサクランボには目を細めて美味しいと食べてくれたとのこと。またソ検事役のイ・ダヒさんは、あまりの細さにビックリしたそう。そして意外?だったのは主人公のチャン弁護士(イ・ボヨン)の同僚弁護士チェ・ソンジュンさんが超カッコよかった!と社長さんは興奮気味に話してくれました。画面で見るよりも数十倍、数百倍カッコよくて、社長さんすっかりお気に入りになっちゃったそう。
お店に並んでいる果物も新鮮でとても美味しそうだったので、コボン(巨峰)を1皿いただくことに。1皿に4房入っていたのに「サービスするね~!」となんと3房追加。70%以上のサービス・・・さすが韓国のアジュンマは気前がいいっ!
この広い駐車場が撮影地決定の決め手になりました!
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リンゴの色がキレイですね~。美味しそう♪
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ウンギルサン(雲吉山)駅の裏には景色のキレイな公園「水の庭園」もありました。ここでしばし散策♪
◇◆夕食は人気のスンドゥブのお店へ~◆◇
1日中歩いたのでお腹はペコペコ。夕飯は何を食べよう?と考えていたところ、午前中に食べた肉まんのお店の向かいにあったスンドゥブの店を思い出したナビ。調べてみるとこちらはこの辺りで人気らしく、ブログなどでもたくさん紹介されている店。それじゃ本日の夕食は、スンドゥブ専門店「キワチッスンドゥブ」に決定!
さすが人気店、有名人のサインもたくさんあります。
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入口付近におからのお持ち帰り無料サービスが!でも前のアジュンマが全部持ってっちゃいました(泣)
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おぼろ豆腐の定食・スンドゥブベッパン。
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キムチと言うよりは“キムチサラダ”のような浅漬けキムチが美味しい!
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このカンジャンを豆腐にかけて食べます。
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豆腐なのにミルクのような甘い味がします!
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いかがでしたか?どこの国にもいつの時代にも必ず英雄がいますよね。チョン・ヤギョンは軍人ではありませんでしたが、この人がいなければ今の韓国はないと言っても過言ではない、まさに朝鮮の英雄と言えるでしょう。彼の偉大な業績や理念は海外でも高く評価されていて、チョン・ヤギョン生誕250年はユネスコの関連記念行事にも選ばれたほど。民族の貧困撲滅と国家の発展に大きく寄与したチョン・ヤギョン。こんな偉大な人物がいたなんて、少し羨ましく思っちゃいました。以上、朝鮮の英雄チョン・ヤギョンの故郷、茶山遺跡地周辺を1日ぐるりと回ったソウルナビでした~!