閉店・移転、情報の修正などの報告

投稿者:鯨丸通信社

口コミ掲示板[DMZ]ガイドさんの涙、その訳は?(いささか長文)

2004-08-05
 ソウル市内のツアー会社の手配で8時〜14時の食事付コースに
参加しました。                       
                              
 朝8時日本語ガイドさんがマイクロバスに僕をピックアップ、そ
の後2つのホテルを経、日本人、日本人だと強弁する老夫婦、韓国
系カナダ人、イギリス人、ドイツ人の計9名に。臨津閣で民間人出
入り手続き、その間「自由の橋」、「記念碑」、「望拝壇」を。 
 大型バスに乗り換え、一同50名ほどに。統一大橋検問所でパス
ポートを提示しーそれまで陽気だった西洋人も押し黙るー身元確認
後、第3トンネルへ向かう。         
 事前に調べたガイドブックには、徒歩で地下トンネルへ降下する
ように記されていたがトロッコで一気に地底へ。数分で件のトンネ
ルに。下部でトロッコを下車、ヘルメットをかぶった頭を時々天井
に当てながら徒歩で北上、許可された地点まで、各国人黙々歩く。
終点で引き返しまたトロッコで地上に出る。          
    
  
 その後、ドラ展望台で韓国人の若い兵士に非武装地帯を前にして
現状の説明を受ける。彼らに笑顔はまったくなく、その場に緊張感
みなぎる。京義線最北端駅ドラ駅へ、勿論利用者はなく、いるのは
私たち観光客だけでした。南北の鉄路がつながる日がくるのだろう
か?                     
   
 このツアーのさなか、ガイドさんに「経済で東の優等生といわれ
た東ドイツが1700万人、世界に冠たる経済大国西ドイツが62
00万人、そんな統一ドイツですら年収6割弱の東と統一、その負
を消化するのに手間取っている。食うや食わずの2200万人を4
800万人(年収は15.5倍)の人々は、本当に統一など望んでい
るのですか?」と尋ねたところ、「私は今40代です、おじやおば
が取り残されています、支援したいのです。彼らは高齢で、もう残
されている時間は少ないのです」と、記憶もないはずの人々に思い
をはせ涙するのです。これが、いわば公的な見解なのか計り知れな
いのですが、「南北離散家族」がいまだに1000万人弱も生存してい
ると言われている情報や、長幼の序や、家族の紐帯が濃密といわれ
る半島の人々なら、という思いを深くしました。        
         
                              
 その後2〜30分移動した、里山のふもとといった風情の韓食レスト
ランでこころずくしのもてなしを受けた後、一路ソウルへ。参加者
それぞれが希望する地点で下車し、互いに別れを告げる。最後まで
同行していただいた各国の8人の方々、ガイドさん、ドライバーさ
ん(<追記>10月に訪韓した際、街の中で溌剌と立ち働いている姿を
お見かけしました、お元気そうでなによりです)カムサムニダ、い
つか又旅の空でお会いしましょう。本当に、井伏鱒二先生の言葉を
借りるまでもなく「サヨナラダケガジンセイ」なんですね。
                               
訪問日:2004/08/05