南怡将軍大祭に行って来ました!

南怡将軍の魂を慰め、忠節をたたえるえるために数百年もの間、受け継がれていた韓国伝統の民俗祭!

こんにちは。ソウルナビです。今日は若くして無念の死を遂げた南怡(ナミ)将軍の魂を慰め、将軍の忠節をたたえるために数百年もの間、受け継がれてきた韓国伝統の民俗祭、「南怡将軍大祭」をご紹介します。
ところで南怡(ナミ)将軍って誰?南怡将軍(1441~1468)は、1457年(世祖(セジョ・李朝第7代王)3年)、17歳という若さで武科(武官を選抜する科挙)に首席で合格、その後は李施愛(イ・シエ、?~1467、李朝前期の武臣)の乱を平定したり、女真族(東部満州のツングース系の民族)を征伐したりと大活躍。一番の功臣として世祖の寵愛を受け、26歳の若さで現在の国防省の長官にあたる兵曹判書に登用されるほど出世しました。しかし睿宗(イェジョン・李朝第8代王)の即位後、柳子光(ユ・ジャグァン・?~1512、世祖・燕山君(朝鮮代10代王)の文官)の謀反によって謀逆罪のぬれぎぬを着せられ、27歳で漢江(ハンガン)のほとりにあったセナント(現在のソウル市竜山区二村(イチョン)洞)で処刑されました。人々は無念の死を遂げた将軍を悼み、将軍の魂を慰め、恨みをはらし、将軍の忠節をたたえようとお堂を作り、祭祀を行ったのがこの祭りの始まりです。
「南怡将軍大祭」は1983年に昔通りに復元され、現在では毎年陰暦10月1日前後、乞粒(コリッ)、花提灯行列(花受け)行事、堂祭(タンジェ)、将軍出陣、堂(タン)グッ、謝礼祭及び大同宴の順に約5日間、盛大に行われるソウルの代表的なお祭りになりました。
たくさんの行事のうち、今日は堂(タン)グッについてお伝えしようと思います。ちなみにグッとはムーダンが鬼神に財物をささげ、歌と踊りで誠をささげる儀式のこと。堂グッは将軍出陣から戻ってきた竜が描かれた旗を掲げ、巫女が将軍の魂を慰める12のグッによって進行されます。グッに用いられる財物を見てください!やっぱり、豚がありますね~。^(oo)^グッが終わるころになると見物していた人達が南怡将軍を拝んで家内繁栄と無病息災を祈願します。お堂の周りには乞粒に祭礼費を出した人達の名前が書かれた札がかかっています。(※写真を見てみてくださいね。)
*南怡将軍大祭行事日程
陰暦9月28日
陰暦9月29日
―13:00-14:00 乞粒
陰暦9月30日
―17:00-19:00 花提灯行列
陰暦10月1日
―10:00-11:00 堂祭
―12:00-13:00  将軍出陣
―13:00-16:00 将軍出陣/堂グッ
―16:00-20:00 堂グッ
陰暦10月2日
―11:00-20:00 謝礼祭及び大同宴

−乞粒(コリッ):堂祭と堂グッで使われる祭礼費用をまかなうために、乞粒牌(コリッペ・門付けの仲間)を構成、堂の房飾りのついた旗を掲げ、プンムル(農楽に使う楽器)を鳴らしながら村中の家をまわり家内繁栄と無病息災を祈願します。

−花提灯行列(花受け):南怡将軍の祠堂(サダン)の蓮の花と、府君堂(プグンダン)の蓮の花を交換する前夜祭の行事。将軍灯(チャングンドゥン)を先頭に、100以上の堤灯行列が竜山(ヨンサン)区山泉(サンチョン)洞府君堂から竜門(ヨンムン)市場をまわって祠堂まで行進した後、祭祀が行われます。

−堂祭(タンジェ):将軍の業績をたたえて、村人の無病、平安と商売繁盛を祈願して行われます。

−将軍出陣:訓練された兵を率いて南怡将軍が女真族を討伐しに出陣した当時の姿を再現して市内を練り歩きます。(南怡将軍祠堂→淑明(スクミョン)女大→南営(ナミョン)洞→三角地(サンガクチ)→竜山区→竜山電子商街→竜門市場→南怡将軍祠堂(1次)
南怡将軍祠堂→車両乗車→観光特区(梨泰院など)→車両乗車→南怡将軍祠堂(2次)

−堂(タン)グッ:無実の罪で処刑された将軍の魂を慰め、村人の無病息災と家業繁栄のための12のグッで進行します。

−謝礼祭及び大同宴:グッが終わった翌日に行われる祭祀。新しいお堂に雑人が入って騒ぎ、その不正さを謝罪する意味の祭祀として謝礼祭を行い、全ての村人が一緒に集まって大同宴を開きます。
崇高な愛国精神と国難克服の業績をたたえ、無念の死を遂げた将軍の魂を慰めるために行われる韓国の伝統民俗祭−「南怡将軍大祭」。ソウル市無形文化財第20号に指定された、伝統文化の振興と人々のふれあいのために開かれるこの行事は、毎年陰暦10月1日に行われています。今年はもう終わってしまったけれど、来年また機会があったらぜひ1度のぞいてみてくださいね!以上、南怡将軍の出陣式を見るためにあちこち行ったり来たりしたけど、遂に見れずじまいだったソウルナビでした。(T.T)


その他情報

* 行事日時 : 毎年陰暦10月1日(2001年11月12日~15日) * 場所 : 南怡将軍祠堂一円(ソウル市竜山区竜門洞107番地) * 行事主催 : 南怡将軍大祭事業会 * 行事後援 : 文化観光部、韓国文化芸術振興院、ソウル特別市、竜山区

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2001-11-27

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