新年を迎える韓国人の縁起かつぎ

韓国ではどんな縁起かつぎがあるのかな?!

1. 普信閣の鐘の音で新年が始まる?

いつの頃からかソウルの新年は鍾路(チョンノ)にある普信閣(ポシンガッ)の鐘の音で始まるようになりました。テレビやラジオで中継されるので聞かないわけにはいかない?毎年、大晦日の夜は鍾路の通りは鐘の音を聞こうとたくさんの人が集まり足の踏み場がないほどに・・・こうして新年を迎えるのです。人があまりにも多くて行きたい所とは全然、違う所にまるで波にのまれたかのように押し流されてしまうのですが、それも大晦日の夜でなければ経験できない特別な楽しい経験(^^;;)です。
2. カッチ(カササギ)の鳴き声はめでたい?

カラスよりちょっと小さくて光沢のある藍色のスマートなカッチ(カササギ)は、韓国を代表する縁起の良い鳥です。昔から新年の朝、カッチの鳴き声を聞くとその年は‘運勢大吉’という言葉があるくらい、カッチは人々に愛されています。普段でもカッチが鳴くと吉報があるともいわれています。
3. 福チョリ(ポッチョリ)で福を分ける?
大晦日の夜、12時を過ぎると大声で
「ポッチョリいらんか~」
と叫びながら歩く人がいます。チョリは竹でできた大きなスプーン(とでも表現したら良いのでしょうか・・・(^^;;))のようなもので、新年を迎える前にこれを買って壁にかけておくと福がやって来ると信じられています。昔は何の言葉もなく門の前にポッチョリを置き、翌日チョリ代をもらいにやって来たものでしたが、今ではそういう風習はなくなってしまいました。ポッチョリは必ず偶数で買うものなのですが、たいてい2つ買って一緒にかけておきます。ポッチョリには何ともいえない風情があるので、装飾用、贈り物用にもピッタリですね。もともとチョリはお米から異物を取り出す道具で、稲を大切にした農耕民族の性格により「ポッ(福)の対象として形象化されたもの」ではないかと思います。(専門家の意見は違うかも・・・(^^;;))
4. 新年の朝、最初の訪問客は男性でなければならない?
根の深い儒教思想のせいでしょうか?韓国では今でもお正月の朝、最初に男性が訪れるとその年の運勢が良いと信じられています(今ではほとんどなくなったようではありますが・・)。多分、男性を明るくて気がいっぱい詰まった陽気、つまり太陽と考えられていたため、このようなことが生まれたのだと思います。特に商売をする人や家族に遠くへ旅立つ人がいる家ではこの傾向が強いようです。
5. 新年を迎える前日は必ず沐浴する?
世界のあらゆる民族において、流れる澄んだ水は罪を清める浄化作用の対象として考えられているようです。韓国も例外ではなく、みずから犯した罪と厄運を洗い流す儀式として、流れる水でする沐浴がとても重要なことだと考えられてきました。なかでも新しい年を迎える日の沐浴には特別な意味があるとされました。特に祖先と家族を重視する韓国人にとて、元旦を迎える前の沐浴は祖先を奉るという意味でも、体だけでなくて精神を清めるとても大切な儀式でした。各家にお風呂がなかった時代にはこの日には村人全員がお風呂屋さんで会うことができたそうです。(^^)(お風呂屋さんで出会ったおばさんたちが新年の挨拶をかわし、帰郷の無事を願ったりする光景が思い浮かびますね。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-01-02

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