大相撲ソウル公演レポート

いよいよ歴史的なソウル場所が開催!

こんにちは、ソウルナビです。先日の2月14日と15日、ついに韓国で初めて大相撲ソウル公演が開催されました。相撲好きのナビもさっそく見に行って来ましたので、その模様をご紹介しましょう。
奨忠体育館が国技館に!
2月15日の2日目、今日は13時からの公演。約1時間前に公演会場である奨忠体育館に到着!地下鉄トンデイック(東大入口・Dongguk Univ.)駅の5番出口をでると、そこにはのぼりがはためく奨忠体育館の姿が!まるで国技館の前のようです。
会場に向かいましょう。その前にチケットを取得。入口のあたりは既にたくさんの人でにぎわています。ダフ屋もいっぱいいました。また黄色いジャンバーを来ているのがボランティアスタッフ。映画祭よろしくがんばってました。日本語もうまかったですよ。
体育館の脇にあった「ちゃんこ鍋」コーナー。料金は3500ウォン。ちょっと高いですね。でもせっかくのちゃんこ、いただきましょう。味の方は、、、もう少し煮込んだ方がいいかも。
のぼりがソウルの青空の下、ひるがえります。夢にまでみた光景です。
さあ、いよいよ入場です。入口はタマリ・マス席と自由席と分かれてました。
いよいよ会場へ
会場に入ると、いきなり目の前に土俵が見えました。お、意外と近い!座席でも十分も近さです。この近さはうれしい!上には日韓の国旗が掲げられていました。
ソウル場所の土俵。日本からもってきたのでしょうか?残念ながらおなじみの屋根と四色の房はありませんでした。でもその分、すっきり見えるかんじも。
ソウル公演始まる!
午後1時、かちーんという拍子木を合図に、いよいよソウル公演が始まりました。ムネがどきどきいたします。ちなみに場内アナウンスは韓国語と日本語。

まずは相撲基本動作について説明。韓国の皆さんは相撲を見るのが初めて、という方も多いですからね。説明役の関取には韓国出身の春日王も登場。そんきょに四股(しこ)、股割りなど一連の動作が行われます。股割りでは意外とやわらかい力士の体に拍手が!
つづいてぶつかり稽古。3人の力士、お疲れさまでした。
次は子供たちと関取とのぶつかり稽古。今回参加したのはソウル日本人学校と韓国の小学校の皆さん。みんな2人ずつ、関取にぶつかっていきます。相手をする関取は春日王、貴ノ浪、土佐ノ海。子供たちにやさしく胸を出します。ちょっところがしてあげたり、空中ブランコしてあげたり、逆におもわず力士が押されてでちゃったり。また韓国の子供たちの足を捕まえにいく技には思わず力士も降参。さすがシルムの技?関取もやっぱり楽しそうでした。場内もわいていました。ちなみに韓国の子供たちはパンツの上からまわしをしめていました。このあたりも1つの文化の違いですね。
いよいよ力士トーナメント戦のはじまり。
土俵入りの前に櫓太鼓の内分け実演が行われます。残念ながら今回、櫓は組まれませんでしたが、奨忠体育館の中に太鼓の音が響き渡りました、、、おもわずNHKの中継を思い出してしまいます。
それでは力士の土俵入り。「選手入場」です。そろった化粧回しがうつくしいですね。東方、西方それぞれ入場です。人気力士や大関の名前が呼ばれるとひときわ歓声が大きくなります。
横綱朝青龍の土俵入り。「よいしょ!」の合いの手が入ります。
それではトーナメントの始まり。まずは審判をつとめる親方の入場。九重親方が登場すると「千代の富士!」との声が。いまだ人気健在です。
それでは対戦のはじまり。呼び出しの声がひびきます。2人ずつ力士があがります。続いて行司が登場。力士が力水をつけてもらい、そんきょし、清めの塩をまく。本番と同じです。相撲公演とは力士がやってくるだけではない、相撲文化の紹介であることを実感させられます。所作には一つ一つ意味があるものですが、残念ながらその説明、また力士のくわしい紹介はありませんでした。是非韓国語で紹介してほしかったです。北桜の大量の清めの塩にはおもわず場内からどよめきが!
対戦はいずれも熱戦。やはり負けたら終わり、というトーナメントというのもあるでしょう。にらみ合いでは場内から拍手も。場内に力士のぶつかりあう音がひびきます。また勝負は土俵際の逆転も多く、そのたびに場内はわきかえりました。また待ったもほとんどなく、技もつりが多かったり、八艘跳びという珍しい技が2回もとびだすなど、なかなか本場所以上に楽しい取り組みとなりました。力士も海外公演ということで、意識していろいろやってくれたようです。また、つっぱりは韓国の人から見るとかなり面白いらしく、笑いもおきていました。ついでに猫だましもやってほしかったなあ。
公演を見守るお客さん。1Fはもちろん、2Fの座席はほぼ埋まっていました。また相撲公演という性格からか、西洋系の外国人の姿もたくさん見かけました。日本からのおっかけも多いらしく、ファンが多い力士には日本語で特に声が飛んでいました。
そしてやっぱり人気だったのは韓国シルム出身の春日王。大学の後輩も駆けつけ、「キム・ソンテク!」本名のコールも。場内は熱い熱い応援であふれかえりました。その応援に応え、春日王も大健闘。2回戦では大関栃東を下して大「銀」星。3回戦でも人気力士高見盛を破り、4回戦の旭天鵬戦でも土俵際まで3回も追いつめられながら残るなど、意地を見せました。最後は旭天鵬の投げに破れましたが、本当に今回、がんばりました。来場所はこれをテコに、毎場所ソウルと思って是非幕内に返り咲いて欲しいものです。
ご存じ、TV中継でおなじみの金ぴか帽子おじさんを発見!ソウルまでも応援、ご苦労様です。おそらく釜山の会場にもいらっしゃったことでしょう。
そして横綱の対戦にはやっぱり熱が入ります。その強さにはみなさん脱帽。強さがひときわ違います。
また日本でも人気の高見盛はソウルでも人気。人気は海外まで伝わっています。終わったあとインタビューを受けていました。
休場、のお知らせではありません。これから各回戦のはじまりをお知らせします。
このハングル、見覚えがありませんか?そうです。相撲字のハングルなんです。
準決勝は全員モンゴル出身力士!
客席でひときわにぎやかだったのがモンゴル応援団。会場には国旗も掲げられていました。ソウルにもたくさんのモンゴルから来ている人もいるそう。そのせいかモンゴル勢は快進撃。準決勝に残った4人、朝青龍、旭鷲山、朝赤龍、旭天鵬全員がモンゴル出身力士となりました。やっぱり気合いが違いますね。まるでモンゴル場所のよう。
準決勝では2本、決勝では4本、懸賞がかかりました。
そして決勝戦に残ったのは朝青龍と朝赤龍。決勝戦は本割りでは見られない、高砂部屋同士の決戦となりました。そしてなんと朝赤龍が先輩朝青龍を破る大金星をあげました!朝青龍が負ける姿を見るのは今年初めてです。
ちなみにトーナメントは決勝戦が終わるまでまったくの休みなし。トーナメントとはまさに体力勝負ともいえるでしょう。
弓取り式
そう、本割りの最後には弓取り式が行われます。これも大事な相撲の儀式。
まだ終わっていない!
さ、トーナメントも終わったことだし、帰ろう帰ろうと客が動き出したとき、場内アナウンスが。
「今から1日目と2日目の総合優勝戦を行います」
えーきいてないよー。さては朝青龍はこの総合優勝戦のためにちょっと手を抜いたのかな?といううがった見方も。しかしなんといっても取り組みが1番でも多い方が観客は喜びます。帰りかけたお客さんも思わず立ち止まって観戦です。
総合優勝戦はさきほどの決勝戦と同じ組み合わせ。しかし格下に対して今の横綱が連敗するわけもありません。予想通り、朝青龍が勝って総合優勝。横綱としてちゃんとしめてくれました。
最後に表彰式
気になる優勝商品は?マツという文字が見えました。まさかマツタケ1年分?それはすごい!と思ったら実はマッコリ1年分。それからキムチ1年分でした。これから場所ごとに優勝者に届けてくれないかなあ。となると高砂部屋のちゃんこがキムチ味になるのも近いことでしょう。朝青龍は額を高々と掲げ、観客の声援に応えていました。
そして閉会式、、、
2日間に渡ったソウル公演もこれでおしまい。最後に力士が全員集合。土俵の回りを取り囲みました。力士代表の朝青龍が韓国語で感謝の言葉を述べ、場内がわきかえりました。
そして最後に全員で四方に向かって礼。手を振ってお別れとなりました。
こうして午後4時半、ソウル公演は無事終了。夢の時間は終わりました。ニュースによると、のべ13000人が今回の大相撲ソウル公演を鑑賞したそう。はたして韓国の人にうつった生の相撲の姿はどのようなものだったのでしょうか?ちょっと楽しみです。そして今回の公演が場内に掲げられた日韓の国旗のように日韓両国の親善に、また韓国での日本文化の理解に少しでも役立ったらと思います。来場所のNHK中継がまた楽しみです。キムチパワーで誰が優勝するか?

このあと力士は釜山へ移動。ソウルと同じく町歩きやショッピングを楽しんだようです。 ソウルの模様は大変残念ながらお届けできなかったので(なんでも南大門市場で高麗人参を買ったり、ケジャンをつまんだり、某エステに行ったりしたとか?)、その街の模様はプサンナビの方からくわしくご紹介しましょう。それでは次回の公演を心待ちにしているソウルナビがお伝えしました。
※おまけ1・会場でくばられた対戦表と、販売されていたパンフ
※おまけ2・トーナメント戦対戦結果(2日目)

<1回戦>
○安美錦−X栃栄
○追風海−X海鵬
○玉春日−X金開山
○北桜−X黒海
○朝乃若−X琴龍
○武雄山−X琴ノ若
○隆乃若−Xよう司
○春日王−X若兎馬

<2回戦>
○朝青龍−X安美錦
○追風海−X垣添
○北勝力−X玉春日
○土佐ノ海−X雅山
○旭鷲山−X栃乃洋
○若の里−X北桜
○岩木山−X朝乃若
○魁皇−X時津海
○玉乃島−X霜鳥
○琴光喜−X闘牙
○武雄山−X豪風
○朝赤龍−X十文字
○潮丸−X貴ノ浪
○旭天鵬−X出島
○高見盛−X隆乃若
○春日王−X栃東

<3回戦>
○朝青龍−X追風海
○北勝力−X土佐ノ海
○旭鷲山−X若の里
○魁皇−X岩木山
○琴光喜−X玉乃島
○朝赤龍−X武雄山
○旭天鵬−X潮丸
○春日王−X高見盛

<4回戦>
○朝青龍−X北勝力
○旭鷲山−X魁皇
○朝赤龍−X琴光喜
○旭天鵬−X春日王

<準決勝>
○朝青龍−X旭鷲山
○朝赤龍−X旭天鵬

<決勝>
○朝赤龍−X朝青龍

<総合優勝戦>
○朝青龍−X朝赤龍

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-02-19

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