しばさきのキムチとバット~日韓野球考・第17回「ソウルの野球達人−蚕室野球場ガイド【2006年版】~来年見る人のために−」

第17回「ソウルの野球達人−蚕室野球場ガイド【2006年版】~来年見る人のために−」

最近、記事中に蚕室野球場の案内が少なかったので、最新の情報にアップデートさせていただく。なお、2006年シーズンのデータなので、来シーズンには変更になる部分もあるかもしれないのでご容赦下さい。では、蚕室野球場のアゴ・アシ案内スタート!

*行き方

ソウル市内中心部から地下鉄2号線で蚕室方面に乗り約40分『総合運動場駅』下車。野球場と表示のある5番6番出口を出てすぐ。ちなみに出口の階段には海苔巻き売りのおばさんが多数。このおばさんの口にする海苔巻きの値段で空模様が怪しいときの試合の有無がわかる。1,000ウォンで売っているときは試合のある日で、2−3個で1,000ウォン、ひとつ500ウォンになっている場合は中止である。

*チケット

前売りで買うというシステムはあるにはあるが、あまり浸透していない。というよりも、韓国プロ野球の人気が低下しており前売りを買う必要が無いくらい当日券が残っている。以前のパ・リーグと同じだと言えばわかりやすい。日本との大きな違いは座席区分が3種類しかないこと、平日と週末で料金が違うことである。
<2006年度入場料 斗山ベアーズの場合>
指定席(ベンチ上から一、三塁ベース付近まで):平日 8,000ウォン、週末/祝日 10,000ウォン
一般席(日本でいう内野自由席+外野自由席):一般平日 6,000ウォン、週末/祝日 7,000ウォン
軍人/中高生 平日 4,000ウォン、週末/祝日 5,000ウォン
子供 平日 2,000ウォン、週末/祝日 3,000ウォン
他にネット裏のテーブル付き席もあるがここは年間予約席所有者と関係者のみの利用となっており、一般には売られていない。年間予約席は一塁ベンチ上に位置する11ブロックが対象で、価格は30万ウォンで、年間全試合の入場券の他には、入会記念品が貰えたり、試合当日は飲料や紙サンバイザーが提供されたり、ネット裏席購入権など様々な特典がつく。ソウルに在住しているなら一度は買ってみるのも良いかもしれない。セレブな気分でシーズンを過ごせること間違いない。なお、募集はシーズン前にスポーツ新聞にこっそりと案内が出ているだけなので、開幕直前にNaverなどのインターネットサイトで案内記事を探しておくとよい。チケットの各種問い合わせは斗山ベアーズマーケティングチーム(02-2240-1732)へ(基本は韓国語だが、恐らく英語で質問しても答えてくれます)。

*食べ物

球場内には斗山グループが経営するケンタッキーフライドチキン、バーガーキングをはじめとして、韓国食やホットドッグ、生ビールを売る売店があり、コンビニGS25もある。球場外(外壁)にも先出のファーストフード店とコンビニがあるが、チープな韓国食を楽しみたい方は一塁側内野席とライト側外野席の間にある飲食百貨店がお勧め。ラーメンや海苔巻き、するめや生ビールなどが味わえる上、隣がベアーズ選手出入り口になっているので、早い時間に行くとスター選手がラーメンを食べていたり、キャッチボールをしていたりして面白い。他には三塁側内野席スロープ下の韓国式中華屋さんのチャジャン麺も安くて美味しい。水はセルフサービスになっているところなどは街中の食堂と同じで、韓国に来た実感がわく場所のひとつである。さらにこの球場の名物のひとつともいえる露天(屋台)も地下鉄出口付近にたくさんあるので、試合の前後に利用するのも楽しい。気になる値段だが蚕室野球場での飲食はどこで食べても10,000ウォン前後あればお腹いっぱいである。

*ファンクラブ

ベアーズクラブというオフィシャルファンクラブがある。ベアーズホームゲーム開催時に一塁側内野席スロープ下にあるベアーズコーナーで12,000ウォンの会費を払えば、入場券やグッズ購入時の割引、球団ホームページの会員向けコンテンツ利用、球団主催イベントに優先参加などの特典を受けられる。入会初年度のみ会費を払えば、特典は翌年以降も受けられるが、記念品が貰えるのも初年度だけである。外国人でも入会は可能だが、インターネットでの受付は韓国国内在住者のみ。

*グッズ

ベアーズクラブ会員ならレフト側外野席下のベアーズハウスがお勧め。割引サービスを受けられる上に、ロフト部分にはベアーズの歴史を彩るトロフィーやユニフォームなどの展示がある。ちなみに隣にはLGツインズのショップがありLGのユニフォームサプライヤーのアディダスとのコラボ商品が置いてある。もちろん、球場内でもグッズは買える。内野席入り口を入ったところのグッズ売り場が最も充実している。対戦相手のグッズは三塁側のグッズ売り場にある。当日の対戦カード以外のチームの商品は地下鉄出口を出たところにあるショップを利用しよう。Tシャツや帽子は10,000ウォン前後、サインボールは3,000ウォン前後、キーホルダーは2,000ウォン前後で買える。このショップはお客さんの少ない日にたくさん買うとおまけもたくさんくれることがある。ここに挙げた全てのショップはクレジットカードが利用できる。なお、日本で韓国プロ野球グッズを買いたい方は、日本国内で唯一無二の韓国野球グッズショップである『ストライクゾーン』を利用しよう。

*その他施設

球場内には小さな子供を遊ばせる施設である『遊児房』やインターネットやゲームなどでパソコンが使える『PCゾーン』がある。外には簡単な作りの打撃練習場(仮設のバッティングセンター)もあり、高得点を叩き出すと景品が貰える。

*ベアーズデー

毎月最終土曜日のベアーズホームゲームは『ベアーズデー』と銘打ち、様々なイベントが開催される。入場料が全席半額になる他、グッズ割引販売、選手サイン会、ビール試飲会、チアリーダーとの写真撮影会があったり、先着プレゼントが貰えたりする『行けば必ず得する日』である。

*応援スタイル

ベアーズホームゲーム時は内野、ツインズホームゲームは外野に応援ステージが設けられ、チアリーダーと応援団長が応援をリードする。大きな太鼓や大型スピーカーがステージそばに設置されており、スピーカーから大音量で音楽が流れて、太鼓が打ち鳴らされるので、席によっては耳が壊れそうになるが、ステージに近い席がもっとも盛り上がる。ユニフォームや帽子を身に付け、風船棒を打ち鳴らして、ソウルっ子と一緒に盛り上がれば気分はソウル市民である。

*試合スケジュール

シーズンが開幕すると、斗山ベアーズとLGツインズの2チームが同居しているため、基本的に蚕室野球場では火曜日から日曜日まで毎日試合が開催される。試合開始時間はナイターが18:30、デーゲームが14:00。試合開始時間は平日と週末、季節によって変わるのでスポーツ新聞やインターネットで調べて行こう。日本語が通じるホテルのフロントで聞いてみるのも良いだろう。

<蚕室野球場データ>

1. 電光掲示板
試合のスコア、メンバーは左側14,080 mm ×7,040mmのスペースに三色で表示される。 映像は右側の14,784 mm ×9,856mm部分を使って表示。試合中は様々なアニメーションやリプレー、スタンドの風景が映し出される。中でもベアーズのクレイアニメーション(粘土で作ったアニメーション)はかわいいしよく出来ているので一見の価値あり。
2. 芝の無い部分
投手マウンド : 直径 8m 60cm
ウェイティングサークル : 直径 6m 50cm
一、三塁ファールライン部分 : 幅 1m 40cm
コーチボックス : 6m × 3m
内野 : 14m 80cm(遊撃手, 2塁手付近)
12m 80cm (2塁ベース後ろ)
3. 出入口10ヶ所
1階 : 7ヶ所, 2階(スロープ上): 3ヶ所
4. フェンスまでの距離とフェンスの高さ
左翼ポールまで : 100m
右翼ポールまで : 100m
センターバックスクリーンまで : 125m
外野フェンスの高さ : 2m 60cm
内野フェンスの高さ : 3m
5. 照明塔
外野スコアボードを挟んで1基ずつ、一塁線、三塁線の中間にも1基ずつ、ネット裏に2基の合計6基。
6. 座席数
全26,874席 (最大入場人数 : 30,500名)
−内野席
本部席 : 150席
指定席 : 4,035席
一般席 : 16,487席
(1階 : 2,998席、2階 : 3,447席、3階 : 10,042席)
−外野席
一般席 : 6,352席
7. その他
着工 1980. 4. 17 / 竣工 1982. 7. 15 / 総工費126億ウォン / 建設会社 (株)現代建設 / 総面積59,000㎡

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-11-03

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